2022年6月15日第236回「今月の言葉」「【脚本分析】【投影】について①(財務省総括審議官)」

(1今回は「面白く」て「摩訶不思議」な「人間の深層心理」を、最近の事件・トラブルから、極めて貴重な「脚本分析」を試みるつもりです。多分、このような「深層心理(脚本)の分析」は、大袈裟に言えば、初めてのことであろうと推測しています。

 スマホでサラサラと読むのではなく、ジックリと、何回も反芻され、深い理解をされることを祈っています。また、理解が難しい、あるいは、ご意見や反論がありましたら、ご遠慮なく、メールをいただければ幸いです。

 これから「財務省総括審議官」が電車内で起こした5月20日の「暴行事件」について、(2)(3)(4)(5)を日付順、メディア順にお知らせします。
 そして、(6)で週刊ポストの詳しい記事をお知らせします。このポストの記事のお陰で、さらに深く、そしてほぼ完全に、最深部の理解ができましたので(7)で、今回のトラブルの「深層心理の分析(脚本分析)」を、そして最後の(8)で<「深層心理」の「投影」の大問題>の解説をします。ジックリとご覧ください。まず最初に、下記の短い速報からどうぞ。

 

(2)「財務省総括審議官 暴行疑いで逮捕」(夕刊フジ、2022年5月21日)

 <電車内で他の乗客殴る>

 東京都内の電車内で20日未明、他の乗客を殴ったなどとして、財務省総括審議官の小野平八郎容疑者(56)が暴行の疑いで現行犯逮捕されていたことが分かった。

 TBSなどが報じた。駅員の110番通報でかけつけた警察官に東急田園都市線桜新町駅の改札口付近で身柄を確保された。犯行当時、酒に酔っていたという。

 小野容疑者は熊本県出身で東大法学部卒業後の1989年4月、財務省(旧大蔵省)入省。理財局国有財産企画課長、主税局総務課長などを経て、2018年7月に大臣官房審議官(主税局担当)、昨年7月から総括審議官を務めている。総括審議官は 事務次官コースといわれる。

(3)「逮捕の財務総括審議官を更迭」(夕刊フジ、5月22日)

 <人事変更で岸田政権にも影>

 財務省は20日、東急田園都市線の電車内で乗客を殴るなどしたとして暴行容疑で逮捕された総括審議官の小野平八郎容疑者(56)を事実上更迭し、大臣官房付とした。総括審議官は新川浩嗣官房長が兼務する。

 逮捕容疑は20日未明、東急田園都市線の電車内で他の乗客を暴行したとしている。体がぶつかったことを注意されトラブルになったという。当時、酒に酔っていたといい「覚えていない」と否認している。乗客にけがは確認されていない。

 小野容疑者は東大法学部卒業後の1989年4月に大蔵省(当時)に入省。理財局国有財産企画課長、主税局総務課長などエリートコースを歩み、昨年7月から総括審議官を務めていた。毎年度の税制改正を決める自民党税制調査会の大物議員にも物おじしない人柄で知られていたという。

 総括審議官は過去の次官経験者も就いた重要ポスト。将来の次官候補ともいわれていた小野容疑者が事実上更迭されたことで、政界にも影響が波及しそうだ。

 「自民党内で『再建派』『積極財政派』の路線対立が強まる中で、財政再建が命の財務省では、小野総括審議官じゃないと務まらないともみられていた。次期官房長をめぐる夏の人事の予定も狂った。支持率が高い岸田文雄政権にも影響を与える可能性もある」(霞が関筋)との見方も浮上している。

 

(4)「公用車を使わず 終電間際に自力で帰宅したワケ」(日刊ゲンダイ、5月23日)

 <財務次官候補 酒に酔って大暴れ>

 財務事務次官候補と目されたエリート官僚に何があったのか。泥酔した上、帰宅途中の電車内で乗客に殴る蹴るの暴行を加えて御用となった。

 暴行の疑いできのう20日未明、警視庁玉川署に現行犯逮捕されたのは、財務省大臣官房総括審議官の小野平八郎容疑者(56)。

 小野は20日午前0時半ごろ、東京都内を走行中の東急田園都市線の電車内で、他の乗客から体がぶつかったことを注意され、逆ギレ。その場で乗客に暴行を加えた。桜新町駅で駅員に取り押さえられ、110番通報で駆け付けた署員に改札口付近で身柄を引き渡された。暴行を受けた乗客にけがはないとう。

 小野は当時、帰宅途中で、暴れたり、逃亡したりする様子はなかったが、かなり酒に酔った状態だった。調べに対し、「覚えていない」と話しているという。

 小野は北海道登別市で生まれ、熊本市で育った。県内トップの熊本高校時代はラグビー部に所属。東大法学部在学中に国家公務員試験に合格し、1989年に当時の大蔵省に入省。予算編成を担当する主計局の主計官、大蔵官房審議官(主税局担当)などを経て、昨年7月から日銀との政策調整を担う総括審議官に就くなど、トントン拍子に出世。総括審議官は大臣官房に置かれた局長級ポストで、国会対応のほか「経済財政諮問会議」などのとりまとめを担う要職だ。歴代次官の多くが経験しており、小野も次官候補のひとりだった。

 「もともと主税局出身で次官コースではなかったが、同期の宇波弘貴前主計局次長が官邸に派遣されている間にメキメキと頭角を現した。面倒見が良く同僚からの信頼も厚く、肝が据わっていて人間的にも素晴らしいと評判だった。酒を飲んでも乱れるところを見たことがなく、酒癖も悪くなかった。暴力を振るうこと自体、信じられないほど穏やかな性格です。事件当日も私用の会食だったため、わざわざ公用車を帰して、1人で帰宅するところだった。幹部といっても私用の場合はタクシーチケットが使えないので、終電ギリギリの電車に乗ったようです。それだけ真面目な人でした。それにしても一体、何があったのか。良い人だっただけにショックです」(財務省関係者)

 4年前には、福田淳一次官(当時)がテレビ局の女性記者に対し、「おっぱい触っていい?」などと執拗に迫るセクハラ暴言疑惑が発覚し、辞任表明に追い込まれた。つまらないしくじりでエリート人生がパーだ。

(5)「政・官・財スキャニング」(日刊ゲンダイ、6月8日)

 <秘書官人事の攻防で透けた政権の3大課題>

 <略>

 官界通・・・脱炭素は、エネルギー政策に通じた嶋田氏がまとめるし、社会保障改革の司令塔は宇波弘貴氏がぴったり。30代に厚労省へ出向して医療保険改革に携わり、財務省主計局で主査として年金や高齢者医療などを担当。主計官や主計局次長としても社会保障予算の指揮官を務めている。

 財界通・・・防衛費の拡充も、宇波氏が財務省と連携して仕切るのか?

 官界通・・・防衛省出身の秘書官もいるが、仕切るのは宇波氏だろう。ただ、安倍晋三元首相が驚く増額要求を重ねているので、舵取りが難しい。

 財界通・・・それで、財務省の官房長に誰がなるの?

 官界通・・・そこにも悶着がある。宇波氏は昨夏、大臣官房ナンバー2の総括審議官になるとされていたが、事務次官に就く矢野康治主計局長(当時)が嫌い、主税局時代の後輩の小野平八郎官房審議官(56)を抜擢し、今回は官房長に昇格させる予定だった。だが、5月20日未明に小野氏が酔って電車の中で暴力をふるったとして逮捕され、構想は破綻。予定した日までに決まるか、微妙だ。<構成=竜孝裕氏・ジャーナリスト>

 

≪≪ここまでご覧になって、いかが想像されますか?超エリートの小野平八郎官房審議官が、何故、こんな程度のこと(電車内で体がぶつかったと注意されたこと)で、こんなハチャメチャな結末を迎えるようになったのか?

 ここまで新聞の記事を読むと、私・藤森は直感が働くのですが、直感は働いても、具体的には全く分からないために、新聞の切り抜きだけを残していました。

 そうしたら、答えが見つかりました。次の「週刊ポスト」をご覧ください。

 熊本の神童と呼ばれるほど、エリート中のエリートの人生を長年、歩んできた財務省大臣官房総括審議官の小野平八郎氏が何故、地獄に落ちるような、泥酔した上、帰宅途中の電車内で乗客に殴る蹴るの暴行を加えて現行犯逮捕されるような馬鹿馬鹿しいことをやってしまったのか、が分かりました。

 次の「週刊ポスト」をご覧になって、皆さんも推測してみて下さい。人間の「深層心理」「脚本」の面白さ、不可思議さが分かります。少し長いですが、真剣にご覧になってみて下さい。≫≫

 

(6「将来の財務次官候補が『泥酔逮捕』ですべてパー」(週刊ポスト、6月10日・17日号)

 <“熊本の神童”と呼ばれたエリート人生から一夜にして転落>

 <いったい何が!?>

 “熊本の神童”と呼ばれた男は東大、財務省とエリート街道をひた走り、ついにトップである次官の座を掴みかけていたが・・・そんな彼に、いったい何が起きたのか。

 <殴る蹴るの暴行>

 終電に近い電車で帰宅中、暴行の疑いで現行犯逮捕されたのは財務省の小野平八郎・総括審議官(56)。本省局長級の高官である。

 事件は5月19日深夜(20日未明)、渋谷から中央林間方面に向かう東急田園都市線の地下鉄車内で起きた。

 「酒によっていた小野容疑者が他の乗客から足を踏んだと注意され、それがきっかけで口論になって暴行に及んだ。駅員が110番通報し、桜新町駅で駆けつけた玉川署の警察官に身柄を確保されています」(大手紙社会部記者)

 電車内での酔客のトラブルは珍しくなく、警察官に説諭されて帰されるケースも多い。「現行犯逮捕」にまで至るのはよほどのことだ。

 「被害者は相当怒っていたようで、被害届が出された。逮捕当時、小野容疑者は泥酔状態で警察が被疑者に弁解の機会を与える弁解録取書も取れない状態だったようです。当日は『友人』と飲んでいたといいます」(同前)

 小野氏はカッとなって相当派手に暴れたようだ。読売新聞は逮捕容疑を<殴る蹴るの暴行を加えた疑い>と報じている。

 財務省は20日、小野氏を処分決定までの“待機ポスト”である大臣官房付にしたと発表した。

 それにしても、総括審議官といえば、主に国会対策などを担当する重要な役職で「将来の次官コース」とされる局長級ポストだ。分別盛りのエリート官僚が、なぜ、前後不覚になるほど“悪酔い”したのだろうか。

 気になるのは、事件当日、政界で小野氏の出世に影響しかねない激しい衝突が起きていたことだ。

 折しも、自民党では岸田文雄・首相直属の「財政健全化推進本部」の財政再建派議員と、安倍晋三・元首相が最高顧問を務める「財政政策検討本部」の積極財政派の議員が激しく対立。19日に党本部で開かれた財政健全化推進本部の会合で、岸田政権の「骨太の政策」(経済財政の基本方針)に財政再建目標の維持を盛り込む案が提出されると、「この案は財務省の役人の作文じゃないか」(積極財政派議員)

 「失礼だろう」(財政再建派の財務省出身議員)

 と両派が口論になって大紛糾し、結局、まとまらなかった。

 会合に出席していた議員が語る。

 「小野総括審議官は骨太の政策を担当する責任者だった。財務省にとって財政再建目標の維持は絶対に譲れない一線で、矢野康治・事務次官ら首脳部は部下たちに『ここだけはやれ』と檄を飛ばしていた。財務省はこの日の会合で、提案に本部長一任をとりつけて6月にまとめる骨太の方針に盛り込むことを決める方針だったから、一任がとれなかったのは大誤算。とくに骨太担当の小野氏には大きな失点となったのではないか

 しかも、小野氏には単なる失点にとどまらない事情があったという。

「小野さんは7月の人事で官房長に就任することが内定していた。財務省には3代先の次官までトップ人事を固めておく伝統があり、官房長から主計局長を経て次官というのが典型的なコースだ。官房長になるということは、次の次に次官に就任することがほぼ決まるに等しい。

 官僚の出世コースのいわば最後の階段をのぼろうという時に、担当する国会対策で失点がつけば、せっかくの内定がどうなるかわからない。本人は相当不安に感じていたとしてもおかしくない」(財務省OB)

 <父親は自衛官>

 小野氏はどんな人物で、どんな官僚人生を送ってきたのだろうか。

 「ニュースで知って本当に驚いています。小野君はそんなことをするような人ではないんですよ。もし、彼のために署名活動などがあったとしたら、私は署名したい」

 本誌が取材で話を聞いた高校時代の同級生たちは男性も女性も多くがそう語るのである。

 小野氏は熊本大学附属中学から県立熊本高校に進んだ。地元で「熊髙(くまたか)」と呼ばれる県下随一の進学校である。

 中高一緒だったという男性の同級生の証言だ。

 「中学、高校ともに成績は常に学年トップ。勉強だけしているタイプではなく、高校時代はラグビー部で活躍していました。彼の父親は自衛官で、4人家族で官舎に住んでいましたが、彼の東大法学部合格を機に一家で東京に引っ越しました

 友人たちからは「オノヘイ」と呼ばれて親しまれていた。

 「彼の父親が自衛官で、日露戦争の時に日本海海戦で勝利した連合艦隊司令長官、東郷平八郎提督の名前からとったという話を聞いたことがあります。小野君はリーダーとしての振る舞いも本当に立派でしたよ。体育の授業でラグビーをやった時には、ラグビー部の彼がリーダーシップをとってうまくまとめていた」(別の男性同級生)

 “神童伝説”は枚挙にいとまがないほど。

 「われわれの頃は学年450人中の上位200番まで名前を貼り出していたんですが、そこでも常にトップにいるような人でした。同級生から東大には何人も合格したが、彼は東大合格組の中でもレベルが違うといわれていました」(別の男性同級生)

 「本当に優秀で性格も誠実でした。官僚として日本のために働いていたと思う。今回のことで役職を外れたようですが、本当に残念です。日本にとって損失ではないでしょうか」(女性の同級生)

 高校時代の同級生から、これほど惜しまれる人物はそうはいない。

 <政治家と張り合える人材>

 小野氏は熊髙から東大法学部を経て平成元年(89年)に霞が関で最も権勢を振るう大蔵省に入省した。すると、周囲の期待通り、若手の頃から網走税務署長、大臣官房文書課課長補佐と順調にキャリアを重ねていった。

   霞が関官僚の出世レースには人事上の掟がある。

 第1段階は同期入省組が課長になった頃、次は審議官以上の「指定職」、その次は局長になる頃に段階的に選別が行なわれ、出世レースに敗れた官僚は次々に退職して天下っていく。

 小野氏は13年に財務官僚の「出世登竜門」といわれる公共事業担当の主計局主計官に就任、その後、主税局総務課長から、民間企業でいえば役員クラスにあたる「指定職」の大臣官房審議官(主税局担当)に昇進、消費税率引き上げなどで実績をあげて昨年7月に局長級の総括審議官に起用された。

 財務省関係者が語る。

「主税局畑の小野氏が総括審議官になるのは異例の人事だが、この人選について、首脳の1人は『彼は永田町の先生方と張り合える数少ない人材だ』と語っていた。エリートの財務官僚には政治家に大声を出されると、ついへいこらしてしまうタイプが多いが、小野氏は自民党の政調の偉い議員にも物怖じせずに物申すことができるところが高く評価されていた」

 奇しくも、小野氏が逮捕された5月20日、自民党本部では前日に続いて財政健全化推進本部の会議が開かれ、持ち越しとなっていた財政再建目標の維持という同本部の案が骨太の方針に盛り込まれることが決まった。

 本来であれば、小野氏の功績になっていたはずだが、時すでに遅かった。『官僚村生活白書』(新潮社)など官僚に関する多くの著作があるジャーナリストの橫田由美子氏が語る。

「小野さんが務めていた総括審議官は、もっぱら政治家回りを担当する役職ですが、人手不足が深刻だった。財務省は岸田政権で行政の主導権を握るために優秀な人材を官邸(内閣官房)に多く送り込んでいる。そのため、政界に根回しする総括審議官のスタッフまで人手が回らず、小野さんの負担が大きくなっていた。次のポストを考えると失敗はできない状況なのに、人手は足りない。相当、プレッシャーがかかっていたのでしょう」

 官房付となった小野氏が次官コースに戻るのは絶望的とされ、自主退職になるとの見方もある。

 財務省に小野氏の処遇について聞いたが、「捜査継続中と聞いているため、お答えは差し控えます」(広報室)との回答だった。

 小野氏の自宅は事件の舞台となった東急田園都市線沿線にある閑静な住宅街に立つ瀟洒な一戸建てだ。

 本紙記者が訪ねると、ポストには郵便物が残ったまま。誰もいないようで、呼びかけに返事はなかった。

「酒のうえの過ち」で小野氏が失ったものはあまりに大きい。

(7)以上を読むと、全てが超一流のオンパレードです。このように超一流のオンパレードの場合、「深層心理」を専門とする私・藤森の、長年の職業的な「直感」が働きます。「神様」「仏様」でない限り、超一流のオンパレードということはあり得ないのです。必ず、それに反比例するものが常識的に「深層心理に存在」するものです。

 直感が働いたのは「平八郎」という名前の由来です。連合艦隊司令長官、東郷平八郎提督の名前から取ったという話を、男性の同級生が聞いたとのことです。

 小野氏は本当に才能が豊かだったのは間違いないでしょうが、才能が豊かだっただけに、小野氏の「深層心理」には、常に、連合艦隊司令長官、東郷平八郎提督の偉大さ、存在の巨大さに強い影響を、お父さんを通して、受けてきたことが推測されます。

 つまり、お父さんが自衛官だっただけに、強いお父さんの深層に潜む「強烈な願望」を、素質も抜群に素晴らしかったであろう小野平八郎氏は「深層心理」に強烈に植え付けられて、より理想的に「育った」・・・より理想的に「育てられた」ことが、「深層心理」の専門家である私・藤森には、容易に推測できます。

 その一つの証拠がこれです。それは両親、特にお父さんの自衛官としての何か・・・多分、「劣等感コンプレックス」が、息子におんぶに抱っこというか、息子に対する「猛烈・過剰な期待」の状態・・・身動きが取れない「ガンジガラメの状態」・・・息子への期待(投影)が、猛烈な過干渉になったはずだと推測されます。

 本来、これは多くの場合、早めにアウトになり勝ちですが、小野平八郎氏は、多分、お父さんの深層に潜んでいたであろう素晴らしい「才能・素質「投影(移入)」されて、極めて素晴らしい(天才的な)才能を発揮してきたことが推測されます。

 それがために、主としてお父さんはますます、平八郎氏の才能を伸ばすために、かなりの「精力」を傾注したであろうことが推測されます。一つ一つの詳細については、私の単なる独断的な推測ですが、具体的な物事はともかく、この種に類似した色々な経緯を経て、小野平八郎氏は、凡人の私・藤森の想像を絶する大活躍・・・エリート街道を直進できてきたことが推測されます。

 そういうご両親、特にお父さんの息子に対する強烈な思い入れ、想像を絶する過剰な期待を証明する出来事、それは、東大法学部を合格すると、4人家族で官舎に住んでいましたが、彼の東大法学部合格を機に一家で東京に引っ越した>ことに象徴的に現われています。

 小野平八郎氏の「人間性(深層心理)」がガンジガラメで、水槽の中や檻の中で、飼い主の思い通り、理想的に育てられた超人的・超理想的な人間像が浮かんできます。

 このように育てられた人はほとんど全て、財務省の総括審議官(56歳)、本省局長級の高官になるまでにゴタゴタを起こしてしまうものですが、ここまでエリート街道を突進してこられたことは驚くほど「素質」が素晴らしい方であり、私が推測する「脚本」はもの凄いものを感じさせてくれます。

 しかし何故、この年齢までエースとして、エリートとしての街道を驀進してこられたのだろうか。

 さらに、これは私の推測ですが、超エリート街道を驀進してこられたのは、お父さんの自衛官としての人生観(お父さんは、多分、非エリートだと推測します。その根拠は、4人家族で官舎に住んでいましたが、彼の東大法学部合格を機に一家で東京に引っ越した>)と言ったらよいでしょうか、お父さんの素晴らしい人間性(素質)と、東郷平八郎提督という超一流の人材を手本にしてきたことからくる小野平八郎氏の「人間性(脚本)」が、長期にわたって脱線を避けられてきたことが推測されます。

 何故、以上のことを推測することができるのか?その根拠は何か?それこそが本題で、「深層心理」の「投影」を、理論や学問ではなく、しっかり、体験的に「体得」すると、簡単に理解できます。

 今回の事件は、小学生が釣り銭をごまかすみたいな、あまりにもチンケ過ぎる問題です。超一流の大活躍をしてきた大人物の小野平八郎氏は、当日は、エリートでありながら、誠実に、終電を利用しています。

 しかし、体がぶつかったと乗客から注意されただけのこと(?)から、何故、これほどの大事件になってしまったのか、です。それは、「深層心理」を専門にする私が「推測」するには、次の2つのことが推測されます。

 一つは、泥酔しているために、「心理的な防衛」が全く働かず、「深層心理」に潜む「本音」が丸出しになっていることです。

 もう一つは、酔ってフラフラしているために、電車内でヨロヨロしがちです。そのよろしくない自分の動きを、超一流の大活躍を完璧にやり通してきた小野平八郎氏にとっては、ただの一般人のように露骨に批判されたことへの「猛烈な怒り」が噴出してきたことが推測されます。

 しかし、この2つだけでは、なかなか、決め付けにくいのですが、財務省の総括審議官(56歳)、本省局長級の高官には、私のような庶民には想像もできないほどの「大問題」があったために、このつまらない大問題が発生したのです。

 

(8)「深層心理」「投影」の大問題

 長くなりましたので、これ以後は、メディアの情報はあまり使わず、可能な限り、私・藤森の言葉で紹介します。

 今、日本の経済を立て直すために、政界や財務省関係者などで大論争が行なわれています。自民党政務調査会では、<景気対策や国防費などの分野に対して必要な予算措置を求める「積極財政派」>と<予算増額よりも財政再建を優先させるべきとする「財政再建派」>が正面からぶつかっています。

 ≪≪そもそも骨太の方針の役割は、予算編成作業を民意の付託を受けた政治、つまり国会議員が主導する形で進めるためのもの。その方針が、財務官僚の思惑で決められてしまうというのは、どう考えても、本末転倒といえるだろう。

 財務官僚のやっていることは、明らかに役人の則を越えているといえるのではないか。

 「自民党政調会での議論では、最終的に財政再建派の議員は、一言も反論できませんでした。そうした意味で勝負は決したと言えるでしょう」(自民党の有力国会議員)<夕刊フジ、6月14日>≫≫

 この「財政再建派」である財務省の主張は、「再建派」の主張から考えると、完全に間違っているように私・藤森は考えます。それを証明する筆頭は、元内閣参事官・嘉悦大学教授の高橋洋一先生で、6月10日の夕刊フジで、≪≪「(略)ちなみに、筆者のような包括的なPB(プライマリーバランス)でみると、既に財政再建は修了の状態になっている。財務省のような間違った財政の見方で財政運営をしたら、国を滅ぼしてしまうだろう」≫≫とおっしゃっていることなどを参考にしています。

 さらには、≪≪「財務省が姑息な手段で方針をゆがめようとした」「積極財政派・西田昌司氏『骨太』めぐり怒り(夕刊フジ、6月9日)と、「財政政策検討本部」の本部長を務める西田参院議員が激白したとあります。西田氏は、骨太の方針をまとめるだけのかなりの「骨太」のしっかりした議員さんです。

 これだけコテンパンにやっつけられた小野平八郎氏にとっては、超エリートの人生で、もしかしたら、最大級の屈辱を味わったのではないかと、私は推測します。

 しかし、ここでは長年、自身を守ってきた「防衛」が働き、理性的に存在することができたが、しかし、その屈辱感に耐え難く、もしかしたら、人生初の泥酔するほど飲んだために、自分を守りに守ってきた「理性」が吹っ飛んでしまい、無防備状態になったために、「深層心理」に潜んでいた「猛烈な怒り」が噴出してきて、一般の乗客の方に「投影」した結果が、今回の異常な事件ではないかと推測しています。

 学問的な力量が乏しく、適切に説明する能力が不足している私・藤森にとっては困難を極めました。もしかしたら、いつかまた追加や修正があるかも分かりませんが、ひとまず、最低限の解説はできたのではないかと思っています。

 最後に一つ、力説したいことは、私たち人間(人類)は、ほとんど全員が、「深層心理」に存在する自分の人間性の歪みを変革するということがほとんど全く無くて、自分の「深層心理の歪み」を相手に「投影」して、相手にその「歪みがある」と判断(プーチン大統領?)していることに気づく・悟ることが、人生を豊かにする上で、極めて重要であることを強調したいです。それが今回の「課題」です。

 最後に、一つハッキリと申し上げたいことがあります。「投影する」ということは、自分の「深層心理」の歪みを全く処理していないことを意味していることを「自覚」できる「人間性」を育てることが、極めて重要であることをも「強調」したい(?)です。

 世の中のエリートは、ほとんど全く、このことを理解していないから、相手に「投影」して、優越感を味わっているのです。それが自分自身の問題だと認識することは、極めて、そして本物の「勇気」が必要です。

 これを「認識」することが困難を極めるために、「般若心経」「無」「空」が理解できないのです。つまり、「般若心経」の「無」や「空」の反対が「投影」なのです。自分の「深層心理」を「投影」しながら、それが相手のものだと「決め付けるクセ」が、私たちには強くあります。

 <拙著のp53≪≪(2)『交流分析』の最重要概念『脚本』≫≫≪≪p44「(4)『五蘊』の正体は『脚本』≫≫ご参照>