2017年4月15日 第177回「今月の言葉」
脚本分析・・・オバマ大統領は大丈夫か? <その後>

●(1)第92回(2010年3月15日)の「脚本分析・・・オバマ大統領は大丈夫か?補足②」の下記の部分を再録します。

<<<●(10)ある著名な大学教授は、カーター元大統領と同様、オバマは一期4年で終わる可能性が高いと発言する。

●(11)さて、私(藤森)の「脚本分析」は・・・・・

①上記のように、一番穏当なものは、一期4年で終わることでしょう。私としても、そうであってほしいと願っています。オバマ大統領の「脚本」を分析してみると、一期4年を全うすることが、望みうる最高の結末であると思います。
これだけの脚本を持ち、かつ、これだけの経過をたどれば、一期4年を全うして、大統領職を終えれば、白人社会に風穴を開けたこともあり、最高の結末です。

②「パート①と②」を通して考えて見ますと、任期半ばで辞任するような予感が、若干、あります。
私(藤森)は、政治も経済も、ましてやアメリカの事情にも詳しい人間では全くありません。「強毒性鳥インフルエンザ」の脅威があって、万一、発生したならば、経済的にも強烈な打撃になることを知って、少々、興味を持った程度の人間です。
そうして、若干の情報を集めてみて、そして専門の「深層心理」の分野からオバマ大統領を分析してみると、アッと驚く結果になった次第です。どう考えても、人生をうまく全うできる生い立ちには思えないと思っているところに、「ドル亡き後の世界」で、著者の副島隆彦氏が「任期半ばで辞任」とあるのを発見しました。副島氏は「経済」の分野からの分析ですが、私の「深層心理」の分析(脚本分析)とも一致します。

   喩えて言いますと、公園の小川の中に置いてある飛び石というのでしょうか、それをポンポンと順調に飛んでいって、最後の石(大統領とノーベル賞)の次には何もない「ドボン」を暗示しています。
ただし、「脚本分析」は、いつ、どこで、どういう形になるか・・・・・ということを予測するものではなく、いつか、どのような結末を迎えそうかという抽象的な予測ができるだけです。
ですから、オバマ大統領が、人生を、どういう風に具体的に結末を迎えるのかを予測するものではありませんが、天下の大統領で、しかも、黒人初の大統領ということで、情報が十分にあるという偶然があり、また、アメリカの置かれている状況の厳しさもあるので、私(藤森)にとっては、かなり予測しやすい傾向にあります。

③アメリカは、ご存知のように「銃社会」です。ライフル協会のロビー活動はかなり重量級のようです。またケネディ大統領のこともあります。2008年の11月、受託演説のときは、防弾ガラスで守られていました。
さらには、<オバマ大統領は伝統への配慮を欠くという致命的ミスを犯した>ともあります。アメリカでは、こういうミスは本当に怖い社会です。ましてや、それが黒人であるとなると、白人至上主義者や原理主義者などの過激派の動きが気になります。

 ゴルフのタイガー・ウッズがかなり騒がれましたが、一説によると、黒人の活躍を面白く思わない多くの白人たちが、「ざまあみろ」という心理が働いて、騒ぎを大きくしている傾向にあるとのことです。
両親が離婚し、貧しい家庭に育ち、アイデンティティに苦しんだ。さらには、頭が良いために、ドンドン、大学や仕事を変えて、出生街道を驀進してきた若きオバマ大統領・・・・・そのオバマ大統領が、超大国・アメリカを経営するに足る信頼できる腹心が、いったい何人いるでしょうか?いったいどれだけ優秀なスタッフを自前で揃えられるでしょうか?

 「バラク・オバマ大統領は、ホワイトハウスの執務室にいて、日常たった3人の人間としか口をきかないそうである。この3人とは、奥さんのミシェルさんと、大統領首席補佐官のラーム・エマニュエル(恐ろしいイスラエルとの二重国籍の男)と、経済学者のラリー・サマーズNEC(国家経済会議。大統領直属の諮問委員会)委員長である。」(ドル亡き後の世界)。

 これは「脚本」を連想させるものですし、出生街道を驀進してきたオバマの人脈の少なさを連想させるものではないでしょうか?>>>

●(2)上記の中の下記の部分。

<<<喩えて言いますと、公園の小川の中に置いてある飛び石というのでしょうか、それをポンポンと順調に飛んでいって、最後の石(大統領とノーベル賞)の次には何もない「ドボン」を暗示しています。
ただし、「脚本分析」は、いつ、どこで、どういう形になるか・・・・・ということを予測するものではなく、いつか、どのような結末を迎えそうかという抽象的な予測ができるだけです。
ですから、オバマ大統領が、人生を、どういう風に具体的に結末を迎えるのかを予測するものではありませんが、天下の大統領で、しかも、黒人初の大統領ということで、情報が十分にあるという偶然があり、また、アメリカの置かれている状況の厳しさもあるので、私(藤森)にとっては、かなり予測しやすい傾向にあります。>>>

 私(藤森)は、このように大胆な予想をしましたが、全然、予想を外しているではないかと思われませんか?
ところが、誠に不思議なことに、ある側面から眺めますと、この予想がドンピシャリなんです。驚くほど当たっているのには、私自身が驚きました。では何が当たっているのか、それをこれから説明します。

●(3)オバマ前大統領が、もし、4年で辞めていれば、後任はヒラリー・クリントン氏になった可能性があります。しかし、8年間を担当したために、結果的に、トランプ大統領になりました。<<<最後の石(大統領とノーベル賞)の次には何もない「ドボン」を暗示>>>

 さて、トランプ大統領は、いったい、何をした!そして、何をしようとしているでしょうか?
①就任3日目に、オバマ前大統領が大変な苦労をしてまとめ上げた「TPP」(環太平洋連携協定)を、まず、破棄しました。

②次に、地球温暖化対策の新枠組「パリ協定」の目標達成のために作成した温室効果ガスの削減計画を廃止し、石炭やシェールガスの採掘を促進する方針を明記。

③2013年8月。シリア・ダマスカス郊外で、反体制派の住民1000人が、化学兵器が使われた疑いで死亡した。当時もアサド政権の関与が疑われ、国連調査団が現地入りしたのだが、この時、武力行使の可能性を示唆していたオバマ前大統領をトランプ氏はツイッターで猛批判。<愚かなリーダー(オバマ)へ もう一度言う。シリアを攻撃するな。そんなことをしたら極めて悪いことが次々と起きるだけだ。シリアを攻撃して米国が得るものには何もない>とまで言っていたのだ。
<略>
スパイサー大統領補佐官も3月31日の会見で「(アサド政権よりも)IS打倒が最優先」とキッパリ言い切っていた。
アサド政権だってバカじゃない。使用すれば国際社会の厳しい批判にさらされる化学兵器をあえてこのタイミングで使用する必要はないだろう。

 元国際情報局長の孫崎享氏はこう言った。
「ホワイトハウスでは今、猛烈な権力闘争が起きていて、軍産複合体をバックにした勢力が猛烈な巻き返しを図っています。軍産複合体は『戦争はカネになる』と考えているため、紛争地域からの軍撤退や縮小は許されないのでしょう。そこで諜報機関などを通じて政権に揺さぶりを掛け、トランプ大統領にシリア攻撃を決断させたのではないか、とみています。一方、支持率が低下しているトランプにとっても、国民に対して『実行力』というオバマ前大統領との違いをアピールする狙いもあったでしょう」
政権内部の権力闘争がミサイル発射に・・・・・。戦争国家の本性見たりだ。<日刊ゲンダイ、4月11日>

●(4)オバマケア(医療保険制度改革法)の見直し法案は、採決寸前に撤回された。
これは、議会共和党内の「右(財政保守派)」からも「左(穏健派)」からも批判が続出した。右からは「オバマケアが完全廃止になっていない」、左からは「無保険者が増えすぎる」と言われ、トランプ大統領とライアン下院議長は板挟みになり、撤回した。<高橋洋一氏・元内閣参事官・嘉悦大学教授、夕刊フジ、3月31日>言葉は悪いですが、分かり易い言葉、「譬え話」で説明しますと、オバマケアは暗殺寸前で防がれた、未遂だったが、上記の①②③は暗殺・・・オバマ前大統領の重要な法案や政策を抹殺されたことになります。つまり、トランプ大統領は、ことごとく、オバマ前大統領の政策を抹殺せんばかりの姿勢が、少なくとも、私(藤森)には見えます。 <<<喩えて言いますと、公園の小川の中に置いてある飛び石というのでしょうか、それをポンポンと順調に飛んでいって、最後の石(大統領とノーベル賞)の次には何もない「ドボン」を暗示しています。>>>まさに、政治的に「ドボン」をされる、されつつあるように思えます。少々こじつけではありますが、私には「ドボン」そのもののように思えてなりません。<プラハ演説でノーベル平和賞を受賞したオバマ氏は「平和的解決」のイデオロギーに縛られ、北朝鮮や南シナ海の問題で不作為の罪を犯した。優しすぎる理想主義者に米大統領の任務は重すぎた。>(ケント・ギルバート氏・米カリフォルニア州弁護士、夕刊フジ、3月18日)

 トランプ大統領の人間性は、今や・・・・・

<<<実は米国ではいま、トランプ大統領の自己制御がきかない衝動性や精神不安定性に対する懸念が高まっている。きっかけは2月半ばに35人の精神科医らが連名でニューヨーク・タイムズ紙に送った、「トランプ氏は重大な精神不安定性を抱えており、大統領職を安全に務めるのは不可能だ」とする内容の投書だった。>>>

<<<「現実と空想の区別がつかない妄想症で、サイコパス(反社会性人格障害)の人物が核のボタンを握っていることの怖さ」>>>

 トランプ大統領については、次回、詳しく解説します。

く文責:藤森弘司>

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