2014年10月15日 第147回「今月の言葉」
「交流分析」の「ラケット感情」とは?⑥-①

「ラケット感情」とは、「交流分析」という心理学の中の重要な用語の一つです。
ラケット感情とは、実に不思議な理論・・・考え方であり、実に適切な用語です。私(藤森)が考える「ラケット感情」とは、現実の生活の中で発生するネガティブな感情のほとんど全てを意味します。「悲しい」とか、「寂しい」「情けない」「虚しい」「辛い」「苦しい」「ダメだ」・・・・・等々の感情は、ほとんどすべて「ラケット感情」です。
では、「ラケット感情」とは何か?
「ラケット感情」とは「偽の感情」です。しかし、実際に感じているので「本物の感情」だという考え方もありますが、その場にふさわしくない「感情」である場合が多く、そのように感じるのは少し違うのではないかということが多いものです。
典型的な例として、例えば女性が男性に侮辱されたとします(男性が女性に侮辱された場合でも結構です)。最近の女性のことは分かりませんが、昔ならば、多分、多くの女性が泣いたことと思います。

「悔しい」泣きながらハンカチを握り締める場面を想像してみてください。多分、ほとんどの女性は理解し、同情することと思われます。しかし、これが「ラケット感情」・・・・・つまり「偽の感情」です。
「泣く」ということは「悲しい」はずですから、泣きながら「悔しい」というのは「不自然」です。この場合、実際の感情は「怒り」ですから、泣くのではなく、

「怒る」ことです。では、何故、泣くのでしょうか?これが重要です。
何故泣くのか?
この「偽の感情」、つまり「ラケット感情」に気づくことが、人生をより良く生きる上で極めて重要です。

私自身の実例を交えながら、日常生活で極めて重要な「ラケット感情」について、次回、詳しくご説明申し上げます。

く文責:藤森弘司>

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