2012年6月15日 第119回「今月の言葉」
マリアとサーシャという名前について(具体例①の解説)

●(1)まずは、前回の<第118回「マリアとサーシャという名前について(具体例①)」>の(3)を再録します。

<<<(3)世界で唯一の具体例。「S氏」の「マリア&サーシャ分析」

 母・・・・・①旅行・趣味・・・友人と旅行好き、PCや携帯電話
 兄・・・・・①旅行・趣味・・・海外旅行、PCや携帯電話、英会話
 父・・・・・①旅行・趣味・・・旅行は嫌い、自宅でTV、携帯電話無し、家庭菜園
 S氏・・・・①旅行・趣味・・・旅行は嫌い、兄の後に付いていく、母の勧めでやる

 母・・・・・②仕事・・・接客パート
 兄・・・・・②仕事・・・接客商売
 父・・・・・②仕事・・・ 機械修理
 S氏・・・・②仕事・・・ドライバー

 母・・・・・③電化製品・・・自分で探し購入し、地デジTVや台所製品
 兄・・・・・③電化製品・・・新製品好き
 父・・・・・③電化製品・・・ 頂き物のTV
 S氏・・・・③電化製品・・・ 必要最低限の物

 母・・・・・④料理・・・毎日作る、外食好き
 兄・・・・・④料理・・・自分の店の料理を作る、外食好き
 父・・・・・④料理・・・母任せ、外食嫌い
 S氏・・・・④料理・・・温める程度、同じ料理が続く、外食嫌い

 母・・・・・⑤人間関係・・・兄の店を手伝う
 兄・・・・・⑤人間関係・・・カウンターで接客商売
 父・・・・・⑤人間関係・・・ 兄の店の手伝いも飲みに行くのもダメ
 S氏・・・・⑤人間関係・・・人間関係は苦手

 母・・・・・⑥家庭でのストレスの出し方・・・口で攻撃
 兄・・・・・⑥家庭でのストレスの出し方・・・けなす
 父・・・・・⑥家庭でのストレスの出し方・・・出掛けにバイクを吹かす、酔ってグチを言う
 S氏・・・・⑥家庭でのストレスの出し方・・・危険運転をしやすい、ふてくされる

 母・・・・・⑦その他・・・次回
 兄・・・・・⑦その他・・・次回
 父・・・・・⑦その他・・・次回
 S氏・・・・⑦その他・・・次回

 これほどドンピシャリの「性格傾向」が現れるとは、S氏はもちろん、私(藤森)も驚きました。<⑦その他>の部分と解説は次回にいたします。>>>

●(2)上記のように、S氏のお兄さんは、母親から女性性の性格傾向を引き受け、同じく男性であるS氏は、父親から男性性の性格傾向を引き受けています。

 そのために、お兄さんの性格とお母さんの性格がソックリであることがわかります。と同時に、S氏とお父さんがそっくりであることも、下記をご覧になるとよくわかります。

 母・・・・・①旅行・趣味・・・友人と旅行好き、PCや携帯電話
 兄・・・・・①旅行・趣味・・・海外旅行、PCや携帯電話、英会話

 父・・・・・①旅行・趣味・・・旅行は嫌い、自宅でTV、携帯電話無し、家庭菜園
 S氏・・・・①旅行・趣味・・・旅行は嫌い、兄の後に付いていく、母の勧めでやる

 母・・・・・②仕事・・・接客パート
 兄・・・・・②仕事・・・接客商売

 父・・・・・②仕事・・・ 機械修理
 S氏・・・・②仕事・・・ドライバー

 母・・・・・⑤人間関係・・・兄の店を手伝う
 兄・・・・・⑤人間関係・・・カウンターで接客商売

 父・・・・・⑤人間関係・・・ 兄の店の手伝いも飲みに行くのもダメ
 S氏・・・・⑤人間関係・・・人間関係は苦手

 母・・・・・⑥家庭でのストレスの出し方・・・口で攻撃
 兄・・・・・⑥家庭でのストレスの出し方・・・けなす

 父・・・・・⑥家庭でのストレスの出し方・・・出掛けにバイクを吹かす、酔ってグチを言う
 S氏・・・・⑥家庭でのストレスの出し方・・・危険運転をしやすい、ふてくされる

●(3)S氏から具体的なエピソードを紹介していただきました。

 ある日、外食をしようというとき、父は行きたくないと言い出す。これはよくあることで、母は、私たちだけで行こうということになり、父以外の家族・・・母、兄、S氏の3人でレストランに出かけることになった。

 藤森注・・・・・私がこの話を聞いたとき、お父さんが「行きたくない」とおっしゃったのは、チョットしたことから不機嫌になり、「俺は行かない!」とヘソを曲げたのではありませんか?
と尋ねると、S氏は、「そうなんです!」と驚いていました。家族が出かけるときには、こういうことはよくあることです。次の、S氏の
「不機嫌」は、まさに、こういう父親のパーソナリティーを受け継いだものです。>

 そこはカウンターのあるこじんまりとしたお店で、母と兄は楽しそうに「おいしい、おいしい」と、会話をしながら食べていました。
 逆に、私は、他人に見られているのがとても苦手で、どのように振る舞えば良いのかわからず、不安な気持ちがいっぱいで、不機嫌になっていました。

 別のある日、めったに外食をしない父と4人で出かけたとき、父の好きな天ぷらの食べられるそば屋に行きました。
 ところが週末で混んでいたからでしょう、料理の出るのが遅かったとき、子どもの私たちでさえ場違いに感じるほどの大声で父が、「料理の出るのが遅い」などとグチをいい始め、とても恥ずかしい思いをしました。
 
 このように、人間関係が下手で、外食が嫌いだった父から男性性を引き受けたS氏は、思い通りにならないと・・・・・職場で、カゴをブン投げたり、ふて腐れたり、乱暴な運転をしたりして、その場をメチャクチャにして、人間関係を壊してきました。

 母から女性性を引き受けた兄は、「絶対、父とは外食しない。父とお前(S氏)は似ている」と言って、母と一緒に、父とS氏をけなしていたそうです。

●(4)別のエピソードです。

 お店の経営について・・・・・母の父が始めた家電店を母の兄が引き継ぐ。地域に密着し、商売は繁盛。母の兄が定年を向かえ、地域に惜しまれながら閉店。

 父のほうは、父の兄が知人に頼まれ、自宅の一部を改装し、同じく家電店を始める。父が人間関係で苦労したのと同様、父の兄も人間関係が苦手で、お客様の対応に苦労したようで、数年後に閉店。

 母の実家への帰省・・・・・毎年、お盆と正月に、母、兄、私で帰省。叔母、祖母の作る手料理やいとこのお兄さんから教わる音楽や映画を観るのを楽しみにしていた・・・父は行かない

 父の実家への帰省・・・・・お盆と正月に、父、兄、私でお線香をあげに行き、あいさつだけ済ませると、宿泊なしで帰宅しました。お盆に、家族4人でお墓参りに行ったことがあるが、S氏が「すぐ帰りたい」とすごくごねた記憶があります。4人で行ったのは、おそらく1~2回のみ。いずれも小学生の頃。

 藤森注・・・・・S氏が「すぐ帰りたい」とすごくごねたとあります。いかにもS氏が帰りたがっていたように思えますが、こういう場合、もちろん、本人の気持ちもあるでしょうが、大部分は、性格傾向を受け継いだ父親の心境を代弁しているものです。ファザコンやマザコン関係が強ければ強いほど、我がことのように・・・いや、自分の感情なのか、親の感情なのか分からないほど、我がことのように感じてしまうものです。
事実、父親が参加しない母親の実家に帰省したときは、
楽しそうに過ごしています。こういうことからも、いかに父親の性格傾向を強く引き受けているかがわかります>

 借金について・・・・・父や、母の兄の叔父さんから、自分のお店を始める際に数百万円の借金をしています。

 借金について・・・・・S氏は人生に行き詰ったり、転職したりして生活に困ったとき、にお金の相談をし、何度も借金をしています。

 母親から女性性を引き受けた兄は父とファザコン関係になり、商売の開店資金に困ったとき、父(男性性)を頼り、現在、母の得意な接客業の商売を自営しています。

 父親の男性性を引き受けたS氏は母とマザコン関係となり、転職したりして生活に困ったとき、母(女性性)を頼り、現在、父と同じように、コミュニケーションの必要が少ない運転手をしています。

く文責:藤森弘司>

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