2010年5月15日 第94回「今月の言葉」
●(1)平成22年3月12日、夕刊フジ「旬 People」 <HDD新方式開発で日本国際賞受賞・東北工業大理事長・岩崎俊一さん(83)><社会の中にない科学技術はダメ> 言葉も国境もこえて動画など大量のデータがやりとりされる現代社会。それを支えるハードディスクの新たな記録方式を開発、容量の飛躍的増大の基礎をつくった。 「自分の発明が多くの人に使われることに喜びを感じる」と語る通り、実用化まで時間はかかったが、今年には、生産されるハードディスクのほぼすべてがこの方式に切り替わるという。 だが特許はごく初期に取ったきり。大金が舞い込んでくるわけではない。「古いタイプの人間かもしれないが、国の研究費を使ってきたので、そこに“私”が入っていいのかと思う。今の世の中はあまりにもお金だけだ」と語気を強める。 旧制中学から海軍兵学校に。「社会のために、日本のために、という考え方が養われた」。東北大学を卒業し、東京通信工業(現ソニー)に入社、その後東北大学に戻った。 <自分が見つけた新事実だけが支えだった> |
●(2)平成22年1月15日・22日号、週刊ポスト「池上彰のバーズアイ(鳥の目)、ワームアイ(虫の目)」
<伝説の投資家ウォーレン・バフェットが「鉄道会社」の買収を決断した“勝算”とは> <投資の「常識」を覆す> ウォーレン・バフェットといえば、アメリカの伝説的な投資家です。自身が所有する投資会社バークシャー・ハザウェイは、浮き沈みの激しい市場にあって、常に株価が上昇し、時価総額が増え続けてきました。 これだけ華々しい成果を上げながら、本人はネブラスカ州オマハというアメリカの片田舎から出ようとはしません。巨額の財産を築き上げながら、そのほとんどを、マイクロソフトのビル・ゲイツが設立した慈善団体などに寄付してしまいました。ふだんの生活は質素極まりなく、人々は敬愛の念を込めて、「オマハの賢人」と呼んでいます。 |
●(3)平成22年3月12日、日刊ゲンダイ「人生を変えた運命の出会い“アグネス・チャン”」と「徳永瑞子さん(看護師、NGO“アフリカ友の会”代表)」
日本ユニセフ協会大使として、また歌手・文化人としても平和活動を続け、いまや平和ボランティアの第一人者として活躍する原動力となった運命の出会いとは・・・・・。 <「報道されない世界の現状を伝えるのが、あなたの役目」と言われて平和活動にのめりこむようになりました> 「1985年に『24時間テレビ』の総合司会としてエチオピアの難民キャンプを訪れたんです。そこで看護師として医療活動をしていた徳永瑞子さんと出会わなかったら、今の私はなかったかもしれません」 <武道館コンサートは「歌で平和を」活動の集大成> 「あなたには看護も治療もできない。でも、芸能界にいるのだから、人に伝えることは私たちの誰よりもできる。報道されない世界の現状を伝えるのがあなたの役目でしょ」 <アグネス・チャンさん・・・・・1955年、香港生まれ。72年「ひなげしの花」で日本デビュー、一躍人気者に。トロント大学を卒業後、スタンフォード大学で教育学博士号を取得。98年に、日本ユニセフ協会大使に就任し、各国の難民キャンプの現状をアピールし続けている。08年にはレコード大賞特別賞を受賞した> |
●(4)平成18年12月23日、日刊ゲンダイ
<若手ピン芸人の中で男を上げて、頭一つ抜け出した竹山隆範> <病床の相方を見守り続け・・・・・> 「頑張れよ」「また漫才やろうな」・・・・・カンニング竹山隆範(35)は、相方の中島忠幸が息を引き取る1時間前、意識がない中島にこう声をかけてから仕事に出かけたという。 会見で,”ギャラ半分”の理由を聞かれた竹山は「小学校からの同級生で、芸能界に入ってツライ時もお互いに助け合ってきたから、中島は家族であり、戦友、夫婦みたいなもの。“折半してあげている”と思ったことはなかった」とサラリと答えた。 作家の吉川潮氏が言う。 |
●(5)「足るを知っていますか?」 平成22年3月13日、日刊ゲンダイ「“産地偽装”で大揺れ」<麻布の「ミシュラン2つ星店」> 芸能人や文化人に大人気の高級割烹「麻布かどわき」(港区麻布十番)が大揺れだ。 この店、ミシュランの2つ星店。女優川島なお美の結婚披露宴で「トリフュご飯」が話題になったものである。 それが今週の週刊文春で、元女将に「マツタケは産地偽装、酒は中身を詰め替えた」なんてザンゲ告白されてしまった。「さすが、かどわきの創作和食は格別」なんてグルメぶっていた連中が赤っ恥なのだ。 何しろ焼酎「魔王」は、別の安い焼酎を詰め替えたというから場末のスナック並だ。さらに自慢の高級トリフュは安い中国産、丹波の最高級マツタケも「箱だけが本物」でニセ物にエッセンスで香りを添加していたそうだ。これで料金は1人最低でも2万5千円。なのに予約で連日満員なんて聞くと、グルメと称する有名人たちの薄っぺらさには笑うしかない。 <7年前からあった“いかがわしさ”> この店のいかがわしさに最初から気付いていたのが、本紙で「行っていい店わるい店」を連載中の覆面グルメライター友里征耶氏である。7年前にこう辛辣に書いている。 |
<文責:藤森弘司>
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