2019年8月15日第202回「今月の言葉」「ウィーケスト・リンクとは何か?③(番外編・宮迫博之氏)」(weakest link)
(1)猛暑が続く毎日、古稀を過ぎると、自分の体を維持するだけで精一杯の毎日です。暑さに負けて、今回は「番外編・宮迫博之氏」のことを少し書いてみたいと思います。
事件が起きてからの凄い情報量に圧倒されています。吉本興業に所属するお笑い芸人の方々が6000人もいれば、実に様々な意見が出てきて、一つ一つは、皆納得がいきますが、はてさて、これでは一つの会社としての落ち着き場所はどうなるのであろうかと思っています。 まだまだこれから色々、紆余曲折があるのでしょうが、ひとまず、宮迫博之氏に絞って、少々、コメントしてみたいと思っています。 |
(2)ここで私・藤森が「一言」だけ言いたいことは、久しぶりに<<「昭和」の男の姿が見られた>>ということです。多分、その男の姿は、「吉本興業に所属するお笑い芸人6000人」の方々の「琴線」に触れたのではないかと思われます。
ところが、あまりにも多くの方々が、まるで蜂の巣をつついたようになった上に、メディアからもかなりの量の報道がなされたために、方向感覚が失われてしまったように感じられますが、果たして、いかがでしょうか。 さて、<<「昭和」の男の姿が見られた>>という意味は、私がテーマにしている「ウィーケスト・リンク」、つまり、その人の最も弱い部分、長年、深層心理に抑圧してきた部分にかなりの刺激が届いたのではないかという意味です。 会見を開いたあの時点では、宮迫氏は、かなり本気で自分の「本音」というか、「弱点」というか、避けてきた人間性の部分にまで掘り下げて会見に臨んだように、私には思われました。その「姿勢」に芸人さん達が「刺激」を受けたのではないでしょうか。 宮迫氏が悪いのは間違いありません。特に、噓はいけません。 しかし、人間、そんなに立派に生きられるものではありません。悪いことではありますが、私たちの人生では、「噓」もあります。少々、「法」に触れることもあります。少なくとも、車を運転する方々は、規則以上のスピードを出したこと、信号を無視したこと、駐車違反をしたこと・・・などがあるに違いありません。 良い悪いは別にして、何らかの「法」に触れることは、長い人生、多少はあるものです。大事なことは、「さあ大変!」となった時からどれだけ、本気で対応できるかどうか、ここからが重大です。 もちろん、一切、法に触れるべきではありません。しかし、「若気の至り」もありますし、「万やむを得ない」こともあります。長い人生、そうそう「綺麗ごと」ばかりではありません。「良いか悪いか」と言えば、絶対に法に触れてはいけません。 そういう中で、「法」に触れてしまったという場合、そこからジタバタするのではなく、そこからどれだけ「潔く」なれるか否か、が極めて重要だと私は認識しています。 私たちはよく「本気だ」と言いますが、多くの場合、「本気だ」というのは「言葉」だけで、事実実態は「本気のつもり」で、本当の「本気」になった姿は滅多に見られるものではありません。 宮迫氏の会見は、久しぶりに<<「昭和」の男の姿が見られた>>と思いました。私流に言えば、「ウィーケスト・リンク」に届きそうな姿だったように感じられました。つまり、「本気度」がかなり高かったように思われます。 こういう体験をした人は、「地獄」を見ます。宮迫氏は、あの会見場で「地獄」を見ていたように私には感じられました。 嘘や違法の問題とは違いますが、「地獄」を覗いてきた私・藤森としては、こういう体験をした方には、是非、立ち直ってもらいたいと強く思い、祈るような気持ちで見ていました。 その後、極楽とんぼの加藤浩次氏が、強烈な男気を出してきました。さらには、宮迫氏に共鳴した芸人の皆様がいろいろな声を上げてきました。そのため、流れが分からなくなってきました。 宮迫氏は、もしかしたら、当初の気持ちが揺れているかも知れませんし、今後、いろいろな流れがあることと思われます。私にはどうなるのかサッパリ分かりませんが、一つだけ「祈る」ことがあります。 多分、地獄を見たであろう宮迫氏は、今後、紆余曲折があるでしょうが、会見の場で見たであろう「地獄」の体験を大事にして、如何なる難局にも「横道」に逸れずに耐え抜いて、再生してほしいと、同じ「地獄」を見てきた私・藤森は祈っています。 |
(3)「さんまもサジを投げた宮迫博之」(日刊ゲンダイ、8月16日)
<なんちゃって懺悔録> 8月8日発売の「週刊文春」で150分にわたるロングインタビューに答えた宮迫博之(49)が、お笑い関係者たちの失笑を買っている。サブ見出しに「すべての疑問に答えた」と書いてあるのに、闇営業問題の核心にほとんど触れなかったためだ。 「2年前に文春がスクープした宮迫の不倫騒動にも一切触れられていません。“くすんだ白”を意味する『オフホワイト発言』でうやむやになった感じですが、“すべて”と言うなら、そちらの真相にも答えてほしかった。そう思った読者もいたはずです」(芸能ライター・弘世一紀氏) それで宮迫が何を語ったかといえば、ほとんどが言い訳だ。 「(カラテカ)入江(慎也)からも主催者は美容関係で大当たりした人だと聞いていましたし、会場には家族連れや、お子さんもいた」と釈明。そして、文春の編集部に代弁させる形で<宮迫には闇営業の相手が反社会的勢力だという認識がなかった>と主張した。 また、メイン見出しが、「さんまさんについていきます」だったことから、インタビュー後半は明石家さんまへのヨイショで占められている。 吉本興業に契約解除を告げられ宮迫が今、絶大な信頼を寄せているのがさんまだという。宮迫は「さんまさんには昔からかわいがっていただいているんです。きっかけは『痛快!明石家電視台』に呼んでいただいたこと。20年前くらい前の話です」「まだ正式に決まっていませんが、さんまさんの『事務所預かり』にしてくださるという話もいただいたし、ラジオでは『舞台からどうや』と言ってもらいました」と語っている。 そして、「さんまさんについていきます」と松本人志に伝えたことを、再び文春編集部に代弁させる形でインタビューにまぜ込んだ。 「本来、<反社会的勢力という認識がなかった>とか<さんまさんについていきます>といったインタビューの肝になる部分は、宮迫が自分の言葉としてハッキリ言うべきですよ。あとで何とか言い逃れできるようにしたい宮迫の覚悟の足りなさが透けて見えます」(吉本興業関係者) そんな宮迫の様子にさんまも不信感を抱いたのかもしれない。 週刊文春の発売日直前(8月6日)になって、「痛快!明石家電視台」(MBS)で、「宮迫、ほか当たってくれ」と突き放すような発言をした。 「あれは、さんまの冗談だとは言い切れません。宮迫に関しては、いまだに週刊誌やワイドショーにたくさんの情報が寄せられています。その中には金銭問題に関するものや女性問題を示唆するものも含まれているといいます。もし、さんまが宮迫を引き取ると決めて復帰時期が固まったら、新たなスキャンダルが飛び出す可能性もあります。そんな中で事務所移籍の“既成事実”をつくろうとするような宮迫の言動を見て、さんまが警戒したとしても不思議ではありません」(前出の弘世一紀氏) 焦って“仇敵”文春の懐に飛び込んだ宮迫だが、吉本復帰どころか、芸人復帰さえ遠のいた感が否めない。こ |
(4)「吉本騒動巡り『芸人一本化』」(夕刊フジ、8月7日)
<迫られる踏み絵> お笑い芸人の闇営業問題に端を発する吉本興業の内紛騒動。事態の収拾は、ダウンタウンの松本人志(55)に託された形だが、一時は分裂の危機さえささやかれた吉本芸人たちが、松本のもとに一本化されることである意味“踏み絵”を迫られることになる。 ナインティナインの岡村隆史(49)が松本と話し合いをもったことで事態が大きく動いた。 「岡村や、今回“加藤の乱”を起こした極楽とんぼの加藤浩次(50)といった『めちゃイケ』組は人気者ではあるが、吉本の中ではいわば非主流派。主流派である松本と合流することで、吉本芸人は一本化されていくことになる」と演芸関係者は見通す。 吉本芸人はいわゆる主流派と非主流派、そしてどちらでもない関西芸人グループの大きく3つにわかれるが、今回の騒動で、大崎会長(66)や岡本昭彦社長(52)との近い距離にある松本が、謹慎処分となった芸人たちを引き受ける動きを見せたことで、一気に統合の動きをみせているのだ。 「東京の芸人たちが極楽とんぼを支持してきたことで非主流派も存在感を示していたが、会社側が加藤排除の動きを見せる中、岡村が松本の軍門に下り、非主流派も自分の立ち位置を見直さなければならなくなった」と先の演芸関係者。 「この事態を乗り越えるという大義名分のもとで、非主流派の芸人たちは松本と歩調を合わさないのなら、吉本に居場所がなくなることは間違いない。いわば“踏み絵”を迫られることになります」と別の芸能事務所マネジャーは指摘する。 分裂危機を乗り越えて体制は強固になるが、新たな火種を生む可能性もあるようだ。 |
(5)「『加藤の乱』失敗のつけ・加藤浩次」(日刊ゲンダイ、8月8日)
<「スッキリ」3月に自主降板か> お笑い界イチ、義に厚いといわれる極楽とんぼの加藤浩次(50)が仕掛けた「加藤の乱」。司会を務める「スッキリ」(日本テレビ系)で「経営陣代わらなかったら会社を辞める」と吉本興業に迫ったまでは格好よかったのだが、いつのまにやらトーンダウン。結局、あっという間に現経営陣の軍門に下ってしまった。 「現経営陣に対し反旗を翻した時は、吉本内でくすぶる芸人らから“若大将”と持ち上げられ物凄い人気だったんです。ところが岡本昭彦社長や大崎洋・吉本興業ホールディングス会長は相変わらず居座ったまま。やがて加藤も沈黙し誰もが貝のように口をつぐんでしまったんです。加藤は一体、何をしたかったのか?いまとなっては謎ですね」(テレビ局関係者) そんな加藤を今後、待ち受けているのは目を覆いたくなるような“干され地獄”だという。 「加藤はハシゴを外されてしまったんです。読みが甘かった。明らかにクーデターの失敗ですよ」と声を潜めて証言するのは「スッキリ」の番組関係者だ。こう続ける。 「加藤が吉本興業の元幹部にそそのかされる格好で明石家さんまを社長にすべく動いていたという噂がありました。結論からいえば、さんまさんがそんな話を受けるわけがない。いずれにせよ加藤は墓穴を掘ってしまったと言っても過言ではない」 どんなに売れていようが、一度でも吉本興業に反旗を翻した芸人らの末路は哀れだ。「徐々に仕事が先細り、飼い殺し状態になるんです。かといって独立しても先は見えている。お笑い芸人が事務所と揉めるというのはそれだけでマイナスです。吉本が圧力をかける前にオファーは激減するんですよ」(放送作家) こうした状況下、加藤は既に腹を決めているという。最初の意思表示が「スッキリ」からの自主降板だという。 <後任の最有力は山里亮太> 「過去に加藤は会社に歯向かった先輩芸人らの哀れな末路を目の当たりにしているんです。プライドを守るために来年3月までに自ら降板を申し出るといわれています。言われる前に自ら辞めるという加藤なりの美学なのでしょう」(事情に詳しい芸能プロ関係者) もっとも吉本興業はあくまでも番組のマンネリ化を理由に加藤降ろしの準備を始めたという。 「現在、最有力候補は女優の蒼井優と結婚した南海キャンディーズの山里亮太です。もちろん山里も断るわけがない」(前出の芸能プロ関係者) 気になる加藤の今後だが、お笑い界に対しては何の未練もなく、俳優として新たなポジションを探りはじめているという声もある。 「加藤は本来“劇団東京ヴォードヴィルショー”出身で俳優を目指していたんです。まさに50にして新たなタレント生活を始めるべく準備を始めたところ。万が一の時には経営するジンギスカン店で生計を立てるか、地元の北海道に引っ込む計画もあるそうです。いずれにせよ貯金はたんまりあるそうで、その辺の保険はぬかりがない。相方の山本圭壱が干された時の厳しさが、痛いほど身に染みていますからね」(前出の芸能プロ関係者) 加藤の乱は政界と同じく尻すぼまりの運命をたどってしまうようだ。
(5)「吉本騒動 加藤『辞めません』」(夕刊フジ、8月10日) <「スッキリ」で全内幕語る> 闇営業に端を発した吉本興業問題で、極楽とんぼの加藤浩次は9日、MCを務める「スッキリ」(日本テレビ系)の生放送で、吉本に残留すると述べた。現経営体制が続くなら吉本を辞めると明言していた加藤だが、自身が提案した「専属エージェント契約」が導入されることで矛を収めた。大崎会長(66)やダウンタウンの松本人志(55)からも慰留があったという。 7月22日の同番組での「こんな取締役の体制が続くなら、吉本を辞める」との発言は「本心だった」とした加藤だが、放送直後に「松本さんから電話で『加藤の気持ちもあると思う』と言ってもらえた」と明かした。大崎会長との会談でも引き留められたとした。 「加藤の乱」と騒がれたことには「ワイドショーや報道番組まで、会社と芸人の対立構造を作った」と苦言を呈した。 加藤はエージェント契約について、ダウンタウンの浜田雅功(56)や東野幸治(52)、ナインティナインの岡村隆史(49)らと話し合い、「松本さんは、『これなら残るんだな』と大崎会長に掛け合ってくれた」という。 加藤は「吉本に残る形になってしまった。僕の発言で迷惑をかけた方たちに謝罪したいと思います」と頭を下げ、「良くなる方向に風が向いているので決断をしました」と思いを述べた。 |
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