2022年10月15日第240回「今月の言葉」「『私説・日本的朱子学』と『朱子学』について③ー②」
(1)7月15日に「『私説・日本的朱子学』と『朱子学』について②ー①」を書きました。
しかし、今回、私・藤森にとって、さらに素晴らしい資料を発見したので、7月分を「③ー①」にして、今回、新しい資料を追加して「③ー②」とし、7月分の追加を11月15日に「③ー③」として、ご紹介したいと思います。 私が歴史について尊敬している井沢元彦先生の資料ですが、「週刊ポスト」の貴重な資料を使わせていただきます。 |
(2)さて、その前に、7月15日の第237回、「今月の言葉」の最初の部分、拙著の「日本的朱子学」を紹介したものの内、終わりの一部(拙著のp281~283)を再度、ご紹介します。
<<<<現代日本には「科挙」に代わるものとして現在は、「国家公務員上級職試験」として、(旧一種の)「国家公務員総合職」が「科挙」に相当するものと、私は考えています。 ≪≪公務員の中でキャリアと呼ばれ、各省庁の幹部候補生として、事務次官まで昇進する可能性があり、超難関、エリート官僚のイメージが強い。 大前研一先生や古賀茂明氏が上記でおっしゃっている内容を読むと、「科挙」や科挙に匹敵する試験をパスして高級官僚になる人たち(主として、東大卒)は、中国における科挙を合格した官僚である「科挙官僚(かきょ・かんりょう)」にそっくりだと、私は思っています。 私はこれを英語の文法用語を使って、「科挙官僚=過去完了」だと思っています。 ≪≪「消えた年金」を修正する作業にも、使い物にならない住基ネットとマイナンバー制度の構築と維持のために、すでに数兆円もの税金が消えている。これ以上、途方もない無駄遣いを繰り返さないためにも、今度こそゼロベースで世界標準の国民データベースを構築すべきなのである。≫≫(大前研一先生) 「科挙官僚=過去完了」であるにもかかわらず、「現在完了進行形」であることが問題ですから、現在完了進行形の「科挙官僚」を、「過去完了形」にすることが日本の改革に絶対に必要だと思っています。 そして日本の「科挙官僚」にとっての「経書」とは、先ほどの古賀茂明氏のおっしゃることを参考にすると、<日本の「経書」=倉庫にある大量の「資料」>で、<日本の「訓詁学」=倉庫にある大量の「資料」を、現在の仕事に如何に活用するかの「工夫」>であると、私は考えています。 そう考えると、<増改築を重ねて迷宮状態になった古い温泉旅館のような現行システムをさらに拡張する>(大前研一先生)日本の「科挙官僚」の気持ちがよく理解できるのではないでしょうか。>>>> |
(3)***何故これほどめちゃくなのか、それが私・藤森が「深層心理」を働かせて「考案」した「日本的朱子学」なのです。
その元の「朱子学」の創始者・「朱熹」の人格のハチャメチャさ、これほどめちゃくちゃな「朱熹」や「朱子学」が日本のエリートの根底に張り巡らされている驚きです。 先月の<「今月の言葉」「【脚本分析】と【投影】について①(財務省総括審議官)」>で紹介した電車内での暴行事件も、「日本的朱子学徒」の事件です。「積極財政派」に対して、財務省を中心とした「財政再建派」は、私の見るところの「日本的朱子学徒」の「思考能力」だと見ています。 さて、今月は少し寄り道をして、私が尊敬する井沢元彦先生の素晴らしい「週刊ポスト」の「逆説の日本史」をお楽しみください。 |
(4)「ウソと誤解に満ちた『通説』を正す! 逆説の日本史 井沢元彦先生」(第1352回 週刊ポスト、令和4年9月9日)
<近現代編 第九話 大日本帝国の確立Ⅳ> <戦前の朝日新聞が部数競争に勝つべく利用した「南北朝正閏問題」> <略> ~~何度も繰り返したように、日本だけは「大逆」であるはずの行動が「大逆」にならない。日本は怨霊(おんりょう)信仰の国だからだ。 記事に登場する牧野謙次郎は漢学者である。この時代、漢学者であることは水戸学(みとがく)つまり中国伝来の朱子学(しゅしがく)と日本古来の神道(怨霊信仰)が融合した、「日本的朱子学」の信奉者であることを意味した。 「日本的」というのがミソで、純粋な朱子学だけだったら「南朝は後醍醐(ごだいご)天皇に徳が無かったので滅びた。子孫が絶滅したのがその証拠だ」ですべてオシマイになる。だが、「日本的朱子学」の信奉者にとってはまさに<由々敷大事>だ。そこで牧野が「水戸学コネクション」を動かし、この問題に対応することを決意した。 <略>
***上記の「ウソと誤解に満ちた『通説』を正す! 逆説の日本史 井沢元彦先生」の3号あとの令和4年10月7・14日 <略> <水戸黄門に「正一位」を追贈> <略> この幸徳秋水(こうとくしゅうすい)発言に端を発した明治の南北朝正閏論争の最大の問題点、つまり後生に与えた悪影響はそれまで比較的自由が認められていた天皇に対する歴史学の考究に、水戸学という中国の朱子学の影響を受けた独善的排他的なイデオロギーの枠がはめられ、きわめて不自由なものになってしまったことだ。それは歴史学にとどまらず、たとえば後に政治学の分野でいわゆる天皇機関説が「不敬」だとして弾圧されるような風潮にもつながった。 また昭和前期に二・二六事件を起こす陸軍皇道派の硬直した国家観にも影響を及ぼしている。前にも述べたように、朱子学とは「歴史という鏡」を割ってしまう、とんでもない「宗教」いや「邪教」なのである。 <略> |
(5)私・藤森は、ただ単に「深層心理」の観点から、日本のおかしさ、日本のエリート、超エリートの「人間性」のおかしさ・・・しかし、今現在は「朱子学」や「科挙」が全く言われていないというか、日本には存在していないけれども、歴史に素人(ド素人)ながら「朱子学」の変形的なものを直感したために、朱子学の変形という意味で「日本的朱子学」と命名しました。
ところが歴史の分野で、私・藤森が最高に尊敬している井沢元彦先生は「歴史」や「朱子学」について超一流でいらっしゃいます。その上で「日本的朱子学」という言葉を使われたことが分かって、「やった!!!」という嬉しさでいっぱいになりました。 さらに「朱子学」を「邪教」ともおっしゃっています。「朱子学」や「歴史」に素人(ド素人)である私・藤森が、「深層心理」という狭い範囲の分野を活用して「朱子学」や「朱熹」を批判している私の推測が正しかったことが「証明(?)」されて、とてもハッピーになりました。
***さて、日本は世界的に見ても異常な国、最近の30年間、経済の発展がほぼゼロという珍しい国です。 しかし、その前に「高度経済成長」という大発展ができたのは、第二次世界大戦で国土がボロボロ、つまり、それまでの価値観「日本的朱子学」が破壊されたことで、新の「再出発」ができたから、世界的にも驚かれるほどの「高度経済成長」ができたのであろうと、素人ながら、私は「推測」しています。 しかし、今の日本の自民党有力国会議員は、その多くが二世、三世です。ある評論家の方が「選挙区」は、その区の自民党国会議員の「財産」で、その選挙区を二世、三世が「遺産相続」しているみたいだとおっしゃいましたが、正にこれが「日本的朱子学」を意味していると、私は思っています。 もしそうであるならば、大胆な発想の人材が現われる訳が無く、また、万一現われても「日本的朱子学徒議員」に潰されてしまいかねません。それが日銀の「金融緩和派」対、財務省の「金融緩和縮小派」の対立です。 ≪≪6月15日、第236回の「今月の言葉」「【脚本分析】と【投影】について①(財務省総括審議官)」をご参照≫≫。30年以上前の「高度経済成長」は臨むべくもない、到底無理な目標だと私は「絶望」せざるを得ないです。 この1年、岸田首相の対応・・・特に、最近、31歳の長男を首相秘書官に任命したことや、「マイナンバーカード」と一体化した「マイナ保険証」、ガソリン補助金の「補助の出し方」などを考えると、「日本的朱子学」の影響を強く受けている可能性が色濃くなってきたように私は推測しています。 |
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