★★★2021年4月15日第222回「今月の言葉」「ウィーケスト・リンクとは何か?㉓(「池江璃花子さん」「習近平国家主席③-②)」(weakest link)
(1)水泳の池江璃花子さんが超人的な活躍をしていらっしゃいます。白血病を克服して、想像を絶する大活躍に、日本中が沸いています。
このまま、オリンピックがあれば活躍されることと思われます。また、池江さんのその後の人生でも、活躍とは言わないまでも、人生を無事に全うしていただきたいと祈る思いが、私・藤森には強くあります。 私は「深層心理」を専門にしています。そして、誠に不思議なことですが、「見えるものは、見えないもののあらわれ」なのです。つまり、「見えないもの」とは、その人の「深層心理」を現しています。 そして「見えるもの」とは、その多くの場合が「病気」です。そして、「病気」とは、「深層心理」や「心身医学」、さらに「東洋医学」の「五臓の色体表」を参考にすると、その人の「見えないもの」が、かなり大雑把ではありますが、「具体的」に分かってきます。 池江璃花子さんの「病気」は、「白血病」です。白血病は「血液の癌」で、「癌」は、病気の中でも最も重い病気といわれています。 そして、病気のその奥には「深層心理」が潜んでいます。「深層心理」とは、仏教でいう「五蘊(ごうん)」の最深部で、これは仏教を創作したお釈迦様の時代より今日まで言われていることで、「般若心経」の中に詳しく書かれています。 「五蘊」とは一言でいいますと、その人の「人間性全体」を意味します。これは「交流分析」という心理学で最も重要な「脚本」と同じであることを、私は「発見」しました。つまり、「白血病」という「見えるもの」のさらに「深層」の部分を成している心理、「深層心理」は何か?です。 私たちは、自分以外の「外界」、つまり、自分の周囲の物事や出来事などを、「脚本」「五蘊」、そして「深層心理」が、その人固有の受け止め方をします。お祭りのドンチャン騒ぎを心地よく聞いたり、楽しんだりしますが、体調が悪かったり、不幸な出来事があったりした時には、とても心地悪いものになったりします。 そういう一つ一つの物事をどのように受け止めるか、その流れを下記に示してみます・・・。 ≪人間関係を中心にした森羅万象≫を⇒私たちは、≪「五蘊」「脚本」で受け止めます≫⇒森羅万象を「五蘊」「脚本」で受け止めて≪ストレスに感じたものを蓄積します≫⇒そのストレスが「ある限界」に達すると≪①身体的症状化≫≪②心理的症状化≫≪③行動的症状化≫の3種類に「症状化」させます。 ①の「身体的症状化」は、主として「西洋医学的な対応」、②の「心理的症状化」は、主として「心身医学」や「心理学」的な対応、③の「行動的症状化」は、主として「警察」や「心理学的」な対応(東洋医学的な対応は①②③全てに可)。 さて、池江璃花子さんは・・・ 2019年2月8日。「急性リンパ性白血病」と診断され、「あの日を一生忘れることはできない」と言った。以前は「不治の病」といわれていた白血病も、現在は治療の進歩により社会復帰できるケースは多い。それでも毎年多数の患者が命を落としている。<略> 19年12月に退院して「2024年パリ五輪でのメダル獲得」を目標に掲げたが、20年に入ると驚異的な回復ぶりを見せ、同年8月下旬の東京都特別水泳大会で競技復帰を果たし、わずか7ヶ月で五輪の代表切符を獲得したから、マスコミは大騒ぎ。(日刊ゲンダイ、4月7日) 入院生活は10カ月に及び、抗がん剤治療の際には1日に何度も吐くなど、体重は一時15キロ以上も落ちた。症状がなくなる寛解状態となり、19年12月に退院。昨年3月にプールに入り、8月に実戦復帰すると、「勝負師」(西崎勇コーチ)の顔を見せるようになった。 退院直後は食が細かったが、この冬は朝昼晩の3食に加えて補食も取るなど食事管理を徹底して体重を増やし、徐々にたくましさを取り戻した。(夕刊フジ、4月6日) 池江璃花子さんは、多分、水泳の天才なのでしょう。天才の典型的な様子が感じられます。10ヶ月もの長期入院、抗がん剤治療では1日に何度も吐くなど、大変過酷な入院生活を送りながらも、退院後、わずか7ヶ月で、文字通りの「地獄」から、オリンピック代表という「天国」を体験していらっしゃいます。 10年後、20年後も元気で人生を活き活きと生きられることを、私・藤森は、心よりお祈り申し上げています。 「平成の三四郎」が逝った。古賀稔彦さんが、きのう(24日)朝、川崎市の自宅で死去。1992年のバルセロナ五輪の柔道金メダリストは昨年、がんの手術を受けて闘病中だったという。53歳だった。(日刊ゲンダイ、3月26日) 私たちは、どうしても自分のストロングの部分をさらに強くしたくなります。その結果、“ウィーケスト・リンク”がおろそかになるだけでなく、ストロングをストロンガ-、ストロンゲスト・リンクへと強化することで、ウィーケスト・リンクとのアンバランスが増大してしまいます。 その結果として、本人も周囲も、“ストロンゲスト・リンク”を中心にした対応や生き方をする結果、多くの場合、“ウィーケスト・リンク”により負荷がかかってしまい、平均寿命から考えると、かなり早い一生を迎える結果になりやすくなってしまいがちです。 ≪≪拙著242ページの(2)「英語の諺」に学ぶ①<A chain is no stronger than its weakest link.>(鎖の強さは、最も弱い環によって決まる)に、詳しく書きました。≫≫ |
(2)さて、中国の習近平国家主席です。
「11~12月開戦の情報。米大統領選の混乱に乗じ台湾攻撃に出る中国」(2020年11月2日、最後の調停官、島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』) <略> 習近平国家主席は、様々な情報筋からの情報を総合してみた際、【台湾の統一(再統一)は「中華民族の偉大な復興」と位置付ける最重要・優先課題】になっており、自らがそれを現実化させ、ついには毛沢東に並びたいとの野心を隠すことがないとのこと。 そのためには、武力行使も厭わず、ウイグル自治区問題や香港、南シナ海問題やインドとの交戦といったことに対しての国際社会(特に欧米)からの非難も完全にスルーし、緊張を高めることを厭わない姿勢を明確にしています。 しかし、全面戦争は非常に困難であることも理解して、対台湾では小出しの攻撃を繰り出して、アメリカなどの出方を探りつつ、計画を進める方針のようです。 |
(3)上記の「台湾攻撃」こそはありませんでしたが、それに準じるような危険な行動に出ています。中国軍機を、台湾の防衛識別圏に3月26日には過去最高の20機を侵入させています。
この中で大事なことは、≪≪毛沢東に並びたいとの野心≫≫です。こういう膨大な「野心」がある人の特徴は、その「真逆の深層心理(「脚本」「五蘊」)」が必ず、潜んでいるものです。それが「見えるものは、見えないもののあらわれ」なのです。 では、習近平国家主席にはどんな「深層心理」が潜んでいるのでしょうか? 私がそれを発見したとき、ウィグル族への「ジェノサイド(集団殺害)」や香港の問題等々、今のミャンマーみたいなことが起きているであろうことが、かなり正確に推測されました。 |
(4)「鈴木棟一の風雲永田町」「習主席『深圳』への思い入れ」(夕刊フジ、令和2年10月21日)
中国の習近平国家主席は14日、広東省深圳市を訪問し、「深圳経済特区設立40周年」の記念式典に出席した。この深圳特区を命がけで建設したのは父親の習仲勲氏だったという。中国分析の第一人者、遠藤誉女史が解説した。 「習仲勲氏は『反党活動を行った』という無実の罪で1962年に国務院副総理から罪人にされ、78年まで収監された。釈放に尽力したのは当時、中国共産党中央組織部部長だった胡耀邦氏と全人代常務委員会委員長の葉剣英氏だった」 この釈放から、習仲勲氏の再出発が始まる。 「78年4月に第2書記として広東省に派遣された。そのころの深圳市はカエルの鳴くあぜ道があるだけで、農民や漁民は隣接する香港に逃亡する者が多く、農地は荒れ果てていた」 遠藤氏が続けた。 「そこで習仲勲氏は何としても深圳市を豊かにしようと、血みどろの努力をした。深圳など、いくつかの広東省の都市を『経済特区』と位置付け、権限を中央に要求し、79年4月には『輸出特区』として、80年8月には『経済特区』として国務院から認められた。改革開放の号令がかかる78年12月より前から、習仲勲氏は改革開放を先行する行動を取っていたことになる。その後、習仲勲氏は胡耀邦氏が総書記から失脚した際に反対し、89年の天安門事件では『民主』を叫ぶ学生に同情し、鄧小平氏により、再び失脚させられた」 そこで、息子の習近平氏である。 「2012年11月、中国共産党中央委員会総書記に選ばれた習氏は、最初の視察先として深圳市を選んだ。習氏はすでにこの世にいない父親の無念を悼むかのように、深圳市の飛躍的発展に執念を燃やしている。いま、深圳市、香港、マカオを連結する『グレーターベイエリア』構想を、国家戦略として進めている。19年8月には深圳市を『先行モデル地区』に指定した」 深圳市のGDPは40年前の1万倍になったという。習主席はさらに中央銀行が発行する「法定デジタル人民元」を深圳市を中心に展開しようとしている。遠藤氏の話。 「法定デジタル人民元は深圳など4つの都市で試行的使用が試みられ、今月12日には深圳市民が参加する大規模な実証試験が始まった。中国の狙いは、現行の人民元では絶対に現在のドル基軸には勝てないので、法定デジタル人民元を用いて『米ドル覇権』を崩すことにある」 習主席が、人権問題や香港問題などで民主的だった習仲勲氏とは逆の方向に動いているのは、失脚した父親を「反面教師」にしているようだ。(政治評論家) |
(5)習近平氏は、お父さんが無実の罪で「収監」された時、8歳前後でした。8歳前後から25歳迄の16年間を犯罪者の息子、お父さんが「収監」されている息子として、人格形成に大事な時期を生きてきました。これが習近平氏の深層心理にどれだけダメージを与えたか想像に難くありません。
私は、中国の雰囲気は全く分かりませんが、9歳の年齢で、周囲からどのように見られ、どのように・・・いじめられたり、肩身の狭い生活をせざるを得なかったか、です。 習近平氏の独裁的で遠大・膨大な計画から推測すると、8歳前後の習近平さんは、かなり肩身の狭い、辛くて悲しい生活をせざるを得なく、劣等感コンプレックスを猛烈に蓄積したことが推測されます。 その上、鄧小平氏により、再度「失脚」させられた深層心理の「痛み・ダメージ」は十分、十二分に推測できます。「反面教師」はかなり正鵠を射てるように思われます。その上、「独裁国家」の恐ろしさです。
『「日本」の解き方』(高橋洋一氏、夕刊フジ、4月15日) ロシアのプーチン大統領は現在68歳だが、憲法改正に伴う大統領選挙法の改正案で、任期(6年)を終える2024年以降も2期12年、83歳になる36年まで大統領にとどまることが可能になった。 なお、プーチン氏は西側民主主義国なら仰天する法整備もした。退任した場合、刑事・行政上の責任を一生涯問われない免責特権を保障するというのだ。<後略>
「独裁国家」の「独裁者」は怖いですね。ミャンマーも同様です。習近平国家主席については、次回に続きます。 |
最近のコメント