2020年4月15日第210回「今月の言葉」「ウィーケスト・リンクとは何か?⑪(志村けんさん)」(weakest link)

(1)新型コロナウイルス肺炎で急逝した志村けんさん(享年70)にはとても驚きました。入院からわずか10日だったようです。

 志村さんは周囲の方々にとても評判が高い方のようでした。・・・「もの凄く面倒見のいい人で、ダメな人間でもあっさり見捨てたりしませんから」(芸能ライター、夕刊フジ、4月3日)

 そのように素晴らしい志村さんが、何故、急死したのでしょうか?今回のタイトルに照らし合わせて考えてみたいと思います。

 私・藤森の根本姿勢は「見えるものは、見えないもののあらわれ」です。つまり、全ては、「深層心理」が影響しています。現れている物事から、いかにして「根本」を読み取れるか。とても評判が良かった志村けんさんの場合には、一体、何が推測できるのか、可能な限り、読み解いてみたいと思います。

 

 <追悼 志村けんさん>(日刊ゲンダイ、4月1日)

 新型コロナウイルス肺炎で急逝した志村けんさんの訃報が日本列島を涙で濡らしている。・・・

 酒は晩年も飲み歩きをやめず、後輩芸人からは「夢がある」ともてはやされた。高級すし店ですしをつまみ、銀座の高級クラブはハシゴ。美女をはべらせて飲んだあと、「次どうしますか」と水を向けられると「すし屋行こうか」と答えたりするのだという。

 「ご本人は『本当言うと安い居酒屋が口に合うんだ』とおっしゃっていました。サラリーマンでワイワイ、ガヤガヤするような大衆酒場の暖簾をくぐり、カウンターでグビグビやったりするような。そこで誰彼構わず盛り上がっちゃう。ただ帰るときに運転手付きのロールスロイスが迎えに来る。麻布十番や西麻布界隈での目撃情報は枚挙にいとまがない」(ワイドショー芸能デスク)

 <略>

 芸能リポーターの城下尊之氏はこう言う。

 「女の子も好きだけれども、お酒の席はもっと好きなのだというお話を志村さんから伺ったことがあります。酒席宴席での評判もすこぶる良かった。とにかく金払いがきれいで、高級なお店を何軒はしごしても、全てパーッとおごられるそうです。また、付き合うことになった 女性にはカードを渡して、好きなように使ったらいいと。別れることになってしまったときも、ドカンとまとまった金額を相手に渡されていたそうです」

 昨年、本紙のインタビュー取材ではこんなことを語っていた。
「それまで自分の人生で大事なのは、『仕事、酒、女』の3つで、そのどれもが充実していて、三角形のバランスが取れてることが大切だと思ってました。そこに『健康』という要素が加わって、四角形になりましたね」

 昭和、平成、令和を駆け抜けた不世出のコメディアンの命を奪った新型コロナウイルス。早すぎる死が無念だ。

 <略>

 普段はシャイで、決して多くを語るほうではなかった。取材の中でも、お笑いや人生について“上から目線”で語ることをことのほか嫌った。
 「オレごときがエラソーに語ることじゃない」といつも言っていた。
 <略>
 志村さんはいつも周囲のふるまいを冷静に観察していて、周囲に気付かれないようさりげない気遣いをされる方だった。

(2)<志村けんさん>(日刊ゲンダイ、4月1日)

 <「エクモ」でも命を救えなかった一因は 肺の基礎疾患にあり>

 「とても信じられない・・・・」「いくらなんでも早すぎる」

 日本中の誰もが知っているコメディアンの志村けんさんが新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなり、衝撃が走った。

 志村さんは19日に発熱と呼吸困難の症状が表れ、20日に入院。23日に新型コロナウイルス陽性と判定され、24日から「ECMO(エクモ)」と呼ばれる人工心肺装置を使った治療を続けていた。しかし、わずか1週間ほどで帰らぬ人となった。

 エクモは主に呼吸器疾患の急性悪化などの治療に使われ、肺炎が重症化して人工呼吸器でも酸素を十分に取り込むことができないケースで使用される。機能が衰えている肺の代役を担い、体外に設置した装置へ静脈につないだ管で血液を送り、酸素を加えてから再び体内に戻す。悪くなった肺を完全に休ませて、患者自身の免疫による回復を待つものだ。

 これまで、エクモは新型コロナウイルスによる重症肺炎に対する有効性が報告されていて、3月11日時点の集計では新型コロナでエクモ治療を受けた患者23人のうち12人が回復し、死亡者はいなかった。

 しかし、それでも志村さんは息を引き取ることになってしまった。生死を分けたものはなんだったのか。

(3)<肝心なのは自身の免疫力>(日刊ゲンダイ、上記4月1日の続き)

 日本呼吸器学会専門医で、「水谷内科呼吸器科クリニック」(東京・大泉学園)院長の水谷清二氏は言う。 

 「志村さんを診たわけではなく、詳細な病状もわからないので一般論になりますが、新型コロナウイルスによる重症肺炎にエクモが有効なのは確かで、志村さんにエクモ治療が行われていたのは、回復する見込みがあったからだといえます。

 しかし、肺炎の既往症があったことで、すでに肺の機能が大きく落ちていたと考えられます。報道によれば、かつての志村さんはヘビースモーカーで、4年前には肺炎で入院を経験していますし、COPD(慢性閉塞性肺疾患)だったとも言われています。COPDの患者さんは、風邪やインフルエンザといった感染症にかかると肺炎になりやすくなり、重症化リスクも上がります。症状が改善しても以前より肺の機能が低下してしまうのです」

 COPDはたばこの煙などの有害物質が原因で肺が炎症を起こして呼吸がしづらくなる病気で、肺気腫と慢性気管支炎の総称だ。

 肺の中にあって空気の通り道となる気管支の先にある肺胞が破壊されて組織が断裂し、酸素の取り込みと二酸化炭素の排出がスムーズにできなくなる。肺胞はいったん壊れると再生しないため、肺の機能も元通りに回復することはない。

 また、肺組織に起こっている炎症によってサイトカインという物質が産生されて全身の臓器に障害を与え、虚血性心疾患や糖尿病などさまざまな病気を招く。

 現状では、進行のスピードを緩やかにするしか治療法がなく、日本での患者数は530万人と推定されている。

 「エクモは体内のウイルスの増殖を抑えるわけではなく、装置が肺の代わりを務めている間に患者さん自身の免疫力でウイルスを退治し、肺の機能が回復するのを待つ治療です。志村さんは70歳と高齢だったうえ、肺の既往症や胃のポリープ手術で体力や免疫力が大きく落ちていたと考えられます。そのため、回復を待てるだけの時間が足りなかったのでしょう」(水谷清二氏)

 独身で酒好きだった志村さんは、食生活も不規則だったというから、やはり体力も衰えていただろう。

 効果的な医療機器の恩恵を受けて命を守るためには、やはり自身の体力や免疫力が重要なのだ。

(4)さて、結論ですが、以上の中から、志村けんさんの「見えないもの」が見えてきました。

 私自身、子供の頃に「肺炎」を患っていましたので、志村さんのケースがよく分かります。

 私の場合は、「肺炎」の根本問題は「解決」できていませんが、「根本問題」を受け入れて、「自我」に取り込んで「同居」している分だけ、(ホンのちょっとではありますが)少々、耐久力が増している可能性がありますが、とは言え、コロナウイルスによる打撃については大きな不安があります。

 さて、「肺炎系」についての答えは、ここでは述べませんが、東洋医学に詳しい方にはすぐに分かることです。東洋医学の素晴らしいところは、「人間の心理」まで読み解いていることです。

 そこからさらに奥の「深層心理」・・・「無意識」と言われていて、本人も、そして多分、多くの専門家も掘り下げられないであろう部分(ウィーケストリンク・最も弱い部分)を読み解くことが私の仕事です。

 上記(1)の中の<<<追悼 志村けんさん>(日刊ゲンダイ、4月1日)>>の中の赤字の部分(見えるもの)が、本質(見えないもの)をほぼ証明しています。そこの部分をジックリとお読みください。

 機会があり、個人的にご縁のある方や、手紙をいただいた方などに詳しく説明させていただきたいと思っています。深層心理の問題はほとんどの場合、正しく理解されていない分野ですので、軽々しく説明すべきではないと思っています。そのためにこの程度の説明に止めたいと思っています。

 いずれにしましても、「深層心理」は「見えないもの」であり、そして、それが「ウィーケスト・リンク」です。

 ですから、私たちは、いかにして自分の「深層心理(ウィーケストリンク)」に気づくための「取り組み」をするか、です。そして、長い間、ウィーケスト・リンクの存在を無視し、放置してきたことなどを詫びながら、ウィーケスト・リンクを「自我」の中に取り入れ、たとえ1%でも2%でも癒すことができるか、これが人生で一番重要なことだと、私・藤森は思っています。

 私たちは、「ウィーケストリンク」を取り入れるどころか、知らないがために、「ウィーケストリンク」を踏みつけ、必死になって、努力に努力を重ねて成果を得ようとしています。

 そしてホンの一握りの人が大きな成果を上げています(前回の「夏目漱石」や「カルロス・ゴーン氏」など)が、大部分の私たちは、成果を上げる前に病んだり、倒れてしまっています。

 例え話で説明すると、私たちは、男であったり、女であったり、東京生まれであったり、北海道生まれであったり、九州や沖縄生まれであったり、裕福な家庭に生まれたり、私のように貧しい家庭に生まれたり、長男や長女に生まれたり、末っ子に生まれたり、何かの才能に恵まれていたり、いなかったり、身体が不自由に生まれたり、日本人であったり、アジア人であったり、欧米人であったり・・・種々様々、全てが本人に関係なく、誕生した瞬間に、これらは全て決まっています。

 仏教ではこれを「自業自得」と言います。私たちは、悪いことに使われますが、本来はここで述べたように、自分に一切関係なく、全ては与えられたものです。その与えられている全てを「自業」と言います。この「自業」を全てそのまま、一切を受け入れることを「自得」すると言います。

 そして「自業自得」、つまり「自業」を「自得」することが仏教では「悟りの境地」を意味しています。

 私の子供時代の「肺炎」、そして「肺炎」に潜んでいる全て(自業)をしっかり理解して受け入れる(自得)することが極めて大事です。私は「自得」まではいきませんが、自得に近い「同居」程度には受け入れているつもりです。

 詳しいことはここでは敢えて説明しませんが、志村けんさんの場合は、コメディアンとして抜群の才能があり、経済的にも猛烈に恵まれたために、「肺炎」に潜む「深層心理(ウィーケスト・リンク)」を「仮の力」で、辛うじて防衛出来てきたのではないかと思われます。

 しかし、外部からコロナウイルスに侵入されて、無防備のまま、猛烈な勢いでウィーケスト・リンク(最弱点)が攻撃されたために、驚くほど脆かったのではないかと推測しています。

 【【結論】】上記の(3)の最後の部分<< 効果的な医療機器の恩恵を受けて命を守るためには、やはり自身の体力や免疫力が重要なのだ。>>

【私の定義】・・・免疫力」を高めることとは、「ウィーケスト・リンク」を少しでも癒すことで、癒した「質・量」に応じて「免疫力」が高まります。逆に、「ウィーケスト・リンク」を放置したまま、得意の部分を猛烈に訓練すると、「ウィーケスト・リンク」がポキリと折れてしまいます。

 人柄が抜群に素晴らしかった天才的な志村けんさんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。