2020年12月15日第218回「今月の言葉」「ウィーケスト・リンクとは何か?⑲(日本的朱子学⑤ー①)」(weakest link)

(1)日本の医療体制は全くのお粗末です。何故でしょうか?それが今回のテーマ、「日本的な朱子学」の問題です。

 「朱子学」が日本人の深層心理に染み込み、日本独自の「日本的な朱子学」を作り上げていると、私・藤森は独自に考えました。

 下記のコロナ対策がお粗末極まりない理由こそが「日本的な朱子学」の特徴で、これについて、最近、を書きました。最後に宣伝をさせてください。

<<欧米と比べると、日本は感染者数も重症者数もケタ違いに低い。その上で、事前予測もできており、しかも財源手当ても終わっていて、対応ができないいうのは、いったい何なのだろうか。>>

<<「第1波」からコロナ対応の病床確保に努めてきた日本だが、「臨機応変な対応が不足している」とする医師の森田洋之氏。対照的な例として、スウェーデンの手術件数の動きに注目する。>>

 

(2)「“日本”の2020解き方」(高橋洋一氏・内閣官房参与・嘉悦大学教授、夕刊フジ、2020年12月1日)

<<第3波予測も財源もあったのに
医療崩壊で大騒ぎする不可解
この半年間何をしていたのか>>

 新型コロナウィルスの感染者数拡大で、自治体によっては病床が逼迫していると指摘されている。

 医療崩壊とは、「必要とされる医療」が「提供できる医療」を超えてしまうことを意味する。必要とされる医療が需要サイドであり、供給できる医療が供給サイドだ。

 <略>

 まず財源から考えてみよう。この冬に第3波が来るというのは、医療関係者をはじめとして多くの識者から指摘されていた。筆者も程度は不明であるが、第3波が来るのは確実と言ってきた。

 第3波の大きさは予測できないものの、医療崩壊させないための対応を含めて、5月の第2次補正予算で予備費10兆円が計上されていたはずだ。その正式名称は、新型コロナウイルス感染症対策予備費だ。今になって財源不足だというのはおかしなことで、何のための補正予算の予備費だったのか。

 当時、10兆円予備費をめぐって、大きすぎるという批判が野党や財政関係の有識者からあった。あり得ないことだと思うが、実際の支出で厳しい審査をするなど予備費を使いにくくする水面下の措置があったのではないかと、外部から見ると邪推してしまいそうだ。

 他方、医師会側から、今回の第3波による医療崩壊懸念が発せられたが、供給サイドとしてこの半年程度どのような対策を講じてきたのかも聞いてみたいところだ。厚生労働省は財源を含めてどのように対応してきたのだろうか。

 人材がボトルネックになっているという意見もある。たしかに、人材不足もあるが、それも財源である程度は緩和できる。まずは病床数を確保するという手もあるはずだ。

 いずれにしても、多くの対応措置は、予測可能である上で、財源を用意すれば、大きな問題はなくなっていたはずだ。

 欧米と比べると、日本は感染者数も重症者数もケタ違いに低い。その上で、事前予測もできており、しかも財源手当ても終わっていて、対応ができないというのは、いったい何なのだろうか。

 

(3)「クラスター追えない」(日刊ゲンダイ、2020年12月9日)

 <政府専門家トップ 尾身会長・コロナ対策“敗北宣言”>

 <略>

 6日放送のNHKの日曜討論。番組終了間際、司会者から「年末年始に心がけること」を問われた尾身会長は、次のように言い放ったのだ。

 「実は日本がしのいできた理由のひとつに、クラスターを早く見つけて感染源を(特定した)ということがあるんですけど、もう保健所が疲弊して、クラスターの感染源を見つけるという方法が取れなくなっている」

 日本が感染拡大を阻止してきた切り札である「クラスター対策」を、もう使えなくなった・・・と白状したのだ。要するに「敗北宣言」である。この発言には、出演していたコロナ担当の西村経済再生相もビックリしたのか、こわばった表情を隠さなかった。

 医療ガバナンス研究所理事長の上昌弘氏がこう言う。

 「政府は今年2月のダイヤモンドプリンセス号での集団感染で、無症状感染者がいると把握したにもかかわらず、クラスター追跡にこだわって無症状感染者を野放しにしてきました。その時から今まで、対策を誤ってきたのです。本来ならPCR検査を徹底的に拡大するべきだったのです。クラスター追跡ができないと認めたのなら、早急に方針転換し、民間のPCR検査センターを支援するべきです。誰でも『頻回検査』できるようにすることが、感染拡大防止の要ですからね」

 この先、第3波はどこまで広がってしまうのか。AIを用いたグーグルの感染予測によると、31日までに全国で7万6000人が感染するというから恐ろしい。

 「日本は欧州や米国に比べて死者も少ないし、医療体制も充実しているはずなのに、医療崩壊を起こしつつあります。国の『専門家』が政治的な判断で、根拠不明な入院基準などを医療現場に持ち込むから、他国に比べて異様な状況になってしまっているのです」(上昌弘氏=前出)

 失敗のツケを払わされるのは国民だ。もっと怒った方がいい。

 

(4)「病床数『世界一』なのに 新型コロナ医療体制逼迫のなぜ」(夕刊フジ、2020年12月9日)

 <医療を民間任せにせず、指揮命令系統一元化を>

 <略>

 経済協力開発機構(OECD)の2017年の統計では、日本の1000人当たりの病床数は13・1で、2位の韓国(12・3)、3位のロシア(8・1)、4位のドイツ(8・0)などを抑えてOECD加盟国中トップだ。

 「日本は感染者数も志望者数も世界に比べて少ない。そして人口当たりで病床数は世界一なので、世界一なので、世界一余裕を持たないといけないはずだった」と嘆くのは、医療ジャーナリストで医師の森田洋之氏。

 「第1波」からコロナ対応の病床確保に努めてきた日本だが、「臨機応変な対応が不足している」とする森田氏。対照的な例として、スウェーデンの手術件数の動きに注目する。<略>

 日本の「医療崩壊」を防ぐには何が必要なのか。森田氏は「現状では致死率の高い感染症のパンデミック(爆発的感染拡大)が来たときに対処もできなくなる。日本の医療は民間任せだが、医療は安全保障の一環でもある。国が指揮命令系統を一元化し、医療機関を横断してスタッフや資源を臨機応変に動かすことができる態勢をとるべきではないか」と強調した。

 

<<<少し、宣伝させてください>>>

 12月22日に出版される私・藤森弘司・人生初の著書、
<『交流分析』の『人生脚本』と『照見五蘊皆空』>(「文芸社」800円)
<照見(しょうけん)五蘊(ごうん)皆空(かいくう)>

 この本の最後の章(p247)で書いた
<『朱子学』『過干渉日本』と『五蘊皆空』>に、「日本的な朱子学」のおかしなところを詳しく書かせていただきました。

 上記の「臨機応変な対応が不足している」ことや、

<<第3波予測も財源もあったのに
医療崩壊で大騒ぎする不可解
この半年間何をしていたのか>>

 なども、私の考えである「日本的な朱子学」の特徴です。 

 私のこの本は、「交流分析」の「人生脚本」と、「般若心経」で説かれている「五蘊」(ごうん)は同じものであることを発見し、「(む)」や「(くう)」を「交流分析」をはじめとする各種の心理学を活用して解説を試みた本です。

 アマゾンで<「交流分析」の「人生脚本」と「照見五蘊皆空」>或いは、<藤森弘司の本>で検索すると、本の表紙がでます。

 機会がありましたら、ご覧賜れば幸いです。