2020年1月15日第207回「今月の言葉」「ウィーケスト・リンクとは何か?⑧(スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさんの驚くべき実体!②ー①)」(weakest link)

(1)「夏目漱石」の結論を書こうと思ったのですが、12月に続いて変更して、「今や時代の寵児となった感のあるスウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさんの驚くべき実体」をご紹介します。

 夏目漱石の踊くべき「ウィーケスト・リンク」は、2月15日に紹介します。人間という存在は本当に不思議です。私たちは、いかにして「ウィーケスト・リンク(=脚本=五蘊ごうん)」と、「意識」している「私」が一体化する・・・「意識している私」が、いかにして「ウィーケスト・リンク(=脚本=五蘊)を取り込んで「一体化」できるか、それが人生最大の課題だと私・藤森は思っています。

 さて、「ウィーケスト・リンク」は見えないものですが、「見えるものは、見えないものの現れ」ですので、訓練すると、「見えるもの」から瞬時に見えないものである「ウィーケスト・リンク」がほぼ推測できるようになります。具体的なものは分かりませんが、ほぼ、こういうようなものがあるだろうと「抽象的」に推測できるようになります。

 グレタ・トゥンベリさんの場合は、国連で演説した時、余りにも迫力があり、涙ながらの演説をしたのを見て、私は、大いなる「違和感」がありました。

 何故ならば、例えば、「難民」の方々のような場合であれば、現実に厳しい体験をされていますから、涙を流しながら必死に訴える気持ちに共感できますが、「温暖化」の問題の多くは将来の問題です。

 16歳の恵まれた生活をしているであろうグレタさんには将来の心配でしかないはずです。ですから必死に訴える気持ちは理解できますが、どう考えても涙ながらの演説には不自然なものを感じずにはいられませんでした。

 しかも、飛行機を使う代わりにヨットでヨーロッパからアメリカに行ったり、その他いろいろ、16歳の高校生としては、私にはあまりにも不自然な感じがしました。

 現に、アメリカではかなり酷評する人もいました。ある批評家は「両親に洗脳されている」などです。

 そういう中で、決定的な資料(最後にご紹介)を入手することができました。それをお知らせする前に、いかにグレタさんが高く評価されているか、いろいろご紹介したいと思います。

 同時に、第146回の「トピックス」を合わせてご覧ください。いかに「温暖化」の問題が馬鹿馬鹿しいことかが十分にご理解いただけます。

(2)「社会運動を育てるべし」(経済思想家・斎藤幸平氏、2年1月1日、日刊ゲンダイ)

 <略>

 <日本でグレタ批判が起こるわけ>

 ・・・「今だけ」「自分だけ」よければいいという刹那的な発想は、目先の利潤を追求する資本主義と非常に相性がいいですね。

 そこが問題です。資本主義の歪みは、格差拡大や環境破壊など見える形で表れている。にもかかわらず、自分だけが生き残れればよいと競争に走り、資本主義にしがみつこうとする人が増え、分断が深まっています。

 気候変動への対応を訴えるスウェーデンの環境活動家・グレタさんへの批判が、日本で多いのも同じ理由でしょう。彼女が正しければ、地球環境を破壊する資本主義を見直し、今の暮らしを抜本的に変えなくてはならない。自分は逃げ切れるという世代は、変化を恐れ、ヒステリックな反応を見せているのです。

・・・しかし、グレタさんがたった一人で始めた抗議活動が、わずか1年で世界中に広がり、数百万人がデモに参加するようになりました。

 長期的に見れば、この流れは止められません。気候危機は予測以上に急速に深刻化していて一刻も早い対応が必要です。ここでどう選択するかで人類の未来が決まる「大分岐」だからこそ2020年は重要な年です。トランプが再選されれば気候変動への取り組みが4年も遅れてしまう。

(3)「『今年の10人』にグレタさん」(東京新聞、元年12月18日)

 <英科学誌選出 温暖化の現状訴え>

 2019年の科学界で話題になった「今年の10人」に、地球温暖化対策の強化を求めるスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(16)らを選んだと、英科学誌ネイチャーが17日付の電子版で発表した。

 同誌は「若い世代に、科学が政策を動かすことへの期待や、自分も科学者になろうとの思いを喚起した」とする米国の専門家のコメントを紹介した。

 また、次世代の超高速計算機と期待される量子コンピューターの試作機で、世界最高速のスーパーコンピューターをしのぐ計算能力を示した米グーグルのジョン・マルティニス氏も選ばれた。他は、ブラジルのボルソナロ政権下でアマゾンの森林減少が急激に進んだことを示した物理学者や、世界で百万種の動植物が絶滅の危機にあることを報告した生態学者らが選ばれた。

(4)「グレタさん VS トランプ」(夕刊フジ、12月14日)

 <ツイッターで子供じみた応酬>

 地球温暖化対策を訴えるスウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさん(16)。米誌タイムの「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)」に最年少で選出されたことに宿敵のトランプ大統領(73)がツイッターで反発すると、グレタさんも皮肉たっぷりに応戦する事態となった。グレタさんはこれまでも世界の首脳と火花を散らしている。

 「本当にばかげている。グレタは自分の怒りを制御することに取り組み、古き良き映画を友達と見に行ったらいい!落ち着けグレタ、落ち着け!」

 トランプ大統領は12日、ツイッターでまくし立てた。「今年の人」に選ばれたグレタさんは、タイム誌の表紙で、荒れる海原を背に遠くを眺めており、「若者の力」などと紹介されていることにいらだちを隠せなかったようだ。

 これを受けてグレタさんはツイッターのプロフィルを更新し「怒りの制御に取り組む10代。今は落ち着いて、古き良き映画を友達と見ている」と皮肉たっぷりに反撃した。

 温暖化対策に懐疑的とされ、パリ協定から離脱を表明したトランプ氏。9月に米ニューヨークで行われた国連気候変動サミットの会場にサプライズで姿を見せたところ、グレタさんが鬼の形相でにらみつけたことも大きく報じられた。

 国際会議の場に温暖化ガス排出量が多いとされる飛行機ではなく、わざわざヨットでの移動をしているグレタさんは、世界の首脳の環境問題に関する発言を「空っぽの言葉」などと批判している。

 ブラジルのボルソナーロ大統領は10日、記者の前で「ガキ」と言い放つと、グレタさんはツイッターのプロフィルを「ガキ」と更新していた。

 ロシアのプーチン大統領も9月、「優しいが、情報が欠けている」と苦言を呈している。

(5)「対策しているふり許さない」(東京新聞、12月12日)

 <COP25 グレタさん演説>

 地球温暖化対策の強化を求めるスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(16)が11日、COP25の会場で演説した。「最も危険なのは政治や企業経営者が何もしていないのに、対策をしているふりを許すことだ」として市民が監視する必要性を訴えた。

 世界に広がる若者の活動をけん引するグレタさんは、国連のイベントで登壇。温暖化に対する市民の危機感が足りないと、政治や企業経営者に圧力がかからないとした上で「指導者たちは何もせずにいられる。それが世界の現状だ」と語った。

 一方で、市民の認識が高まっている状況に希望を見いだしていると強調。「歴史の中で大きな変化は人々の中からわき起こった。われわれこそが変化を起こすことができる」と呼び掛けた。

(6)「金融コンフィデンシャル」(須田慎一郎、夕刊フジ、11月12日)

 <環境活動家・グレタさん>

 「今や時代の寵児となった感のある環境活動家、グレタ・トゥンベリさんだが、少なくとも現時点では彼女は『ワン・ファウンデーション』なる団体の丸抱え状態に置かれているといっていい。そして、この点が最も重要なのだが、その団体がここに来て反トランプ的な動きを強めていることだ。グレタさんはその先兵として利用されている」。米国の情報機関関係者がこう断言する。

 <バックに反トランプ団体の影・政治利用されている危険性も>

 そもそも、「ワン・ファウンデーション」は中国出身のアクション映画スター、ジェット・リー氏(56)=シンガポール国籍取得=が設立した環境活動団体で、山火事やハリケーン、旱魃、洪水といった自然災害の被災者を救済することを目的としている。

 「この団体に大口の寄付をしているのが、ジョージ・ソロス氏(89)やビル・ゲイツ氏(64)といった面々なのです。また、ビル・クリントン元米大統領(73)もこの団体を全面的にバックアップしています」(前述の関係者)

 昨年12月にポーランドで開かれたCOP24(国連気候変動枠組条約第24締約国会議)で、グレタさんは環境活動のレジェンド、アル・ゴア元米副大統領(71)と面談を果たし、ゴア氏から「お会いできて光栄です」と声を掛けられた。それもこれも「ワン・ファウンデーション」の存在があるためだ。

 「グレタさんの行く所、常にぴったりと寄り添っている人物がいます。その人物とは、ドイツ人の環境活動家、ルイーズ・ノイバウァー女史で、『ワン・ファウンデーション』のアンバサダーを務めています。このノイバウァー女史がグレタさんのチューター役(個人指導教師)になっているのです」(同)

 つまり、グレタさんのスピーチやコメントは、すべてノイバウァー女史によって振り付けられたものとみていいだろう。

 そして、2人が最大の攻撃対象にしているのが、強引に「パリ協定」から離脱を決めた、ドナルド・トランプ米大統領(73)であることは誰の目にも明らかだ。

 その一方で2人は、世界最大の温室効果ガス排出国である中国に対し、あまりにも無頓着だ。

 「気候変動問題への取り組みに後ろ向きなアメリカに代わって、昨年のCOP24でリーダーシップを発揮したのは中国です。今年のCOP25も間違いなく中国が主導権を握ることになるはずです。中国の了解なしにグレタさんだって国連スピーチをすることはかなわなかった」(同)。

 加えて、「ワン・ファウンデーション」の支援者は、皆そろって反トランプだ。どうやらグレタさんの一連の活動の背景には、極めて政治的な思惑が強く働いているとみて間違いなさそうだ。