2020年6月15日第154回「トピックス」「コロナウイルスの真実③」

(1)「鈴木棟一の風雲永田町」(夕刊フジ、6月13日)

 <コロナ「過剰に恐れすぎ」

 <藤井聡氏「学者、評論家に胆力なし」>

 新型コロナウイルス騒ぎのなか、ユニークで説得力のある論評で注目される京都大学大学院の藤井聡教授。3日、東京都内のホテルの喫茶室で語った。

 「新型コロナに、皆が過剰に恐れている。どれくらい恐れているか。『実際のリスクよりも5000倍も怖がっている』という学会のデータもあるほどだ」

 そして続けた。

 「皆が、イカれているようだ。これによって、政府は過剰な対策をしているのだ。これを適正化すべきだ」

 具体的には。

 「外出の『8割自粛』と2メートルの社会的距離(ソーシャル・ディスタンス)を保つこと。2つともやり過ぎだ。そこで、私は『半自粛』を提唱している。気を付けはするが、そこまでやる必要はない」

 この意見は少数派だ。

 「これを言う人がいない。なぜか。本当に怖いと思っているのではなく、他人からは批判をされたくはないのだ。バッシングを恐れている」

 次の指摘に移った。

 「先の大戦中に『日本は負ける』と言ったら、『非国民だ』と非難、攻撃された。そうした扱いをされたくはない。“本当”の学者やジャーナリストがいない。胆力がない。日本は腐っているのではないか」

 そして、山本七平氏の著書『「空気」の研究』について。

 「いったん『空気』が生まれると、それに抵抗しない。情けない。私も『何という、けしからんことを言うのか』と、インターネット上で散々、叩かれた」

 本当に恐れる必要はないのか。

 「中国湖北省武漢市のデータでも明らかだが、この新型コロナは致死率でいえば、若年層はほぼゼロだ。70歳代で5%、80歳代で10%程度だ。インフルエンザの場合と、変わらないようだ」

 いま、にほんでの新型コロナの新規感染者と死者数が少ないという結果が、評価を得ている。

 「結果として感染者と死者が少なかったことを、『これは、政府の抑圧的な対策が正しかったからだ』という議論がある。それは見当外れが」

 藤井氏は51歳の若さである。かつて、安倍晋三政権の内閣官房参与を、2018年まで6年間、務めた。なぜ辞めたのか。

 「消費税に反対だったからだ。『経済が壊れる』と主張した」

 思い切ったことを、大胆に発言するのは。

 「私は20年間、西部邁(すすむ)元東京大学教授の弟子だった。いま、遺言により、雑誌『発言者』の後継誌の編集長を、受け継いでいる。ズバズバと言うことも引き継いだ」     (政治評論家)