2017年8月16日 第132回「トピックス」
トランプ大統領は大丈夫か?(補足)

●(1)最近のアメリカ国内の報道は、何が何だか分からなくなってきているように、私(藤森)には思えますがいかがでしょうか。
トランプ大統領はかなりいかがかと思われる部分がありますが、どうも信頼できるはずのメディアも怪しくなってきています。CNNが公開した、トランプ大統領就任式を上空から写したという航空写真は、確かにどう見てもスカスカだった。

 番組で<相当な数の人々が集まってくれた>とツイッターでつぶやいたトランプ大統領が、<2009年のオバマ就任式と比較してはるかに少ないにも拘わらず>、見栄を張って嘘をついていると批判した。CNNのこの論調に、同じように選挙時からクリントン支持を公言した『ワシントンポスト』紙や「トランプ氏、選挙時の嘘を繰り返す」と一面トップで掲載した『ニューヨークタイムズ』紙も続き、日本の大手テレビ局でも同じ批判が流された。その後まもなくして、CNNが番組で出したふたつの就任式画像に関する<もうひとつの事実>が暴露される。

オバマ大統領のほうは就任演説真っ最中の写真だったのに対し、トランプ大統領のほうは式が始まる数時間前の、人気もまばらな時間帯に写されたものだった。ワシントン在住の民主党員で、大統領選ではバーニー・サンダース候補のボランティアをした32歳の大学職員は、最初にこのニュースを見た時の違和感をこう語る。

「(略)それでもあそこまでガラガラになるか?
何か突発的な事件が起こったに違いないとすら思いました。その後CNNがネットサイトに出したほうのトランプ就任式の写真をタブレットの画面で拡大したところ、会場はちゃんと満杯でしたよ」「CNNは撮影時間の違う比較写真を出したことを絶対に
認めないでしょう。それ以前に大手マスコミはトランプ大統領の存在自体を認めていませんから。今後もバッシングはやまないし、大統領とマスコミの関係も悪化し続けるでしょうね」

 <「アメリカから“自由”が消える(増補版)」堤未果著、扶桑社新書245>

<文責:藤森弘司>

トピックスTOPへ