2017年7月31日 第131回「トピックス」
●(1)亀井静香氏は私(藤森)が一番好きな政治家の一人です。しかし、亀井氏の下記の発言には驚きました。
平成29年7月21・28日、週刊ポスト「我が身命を賭して述べる『古巣への戒飭(かいちょく)』」(藤森注・戒飭・自ら戒めつつしむこと・広辞苑) <亀井静香(80)元政務調査会長・元建設大臣「安倍は使う道具がなっていない」> 大臣も派閥幹部が人物を見極めて推薦するのではなく、そのときの総理と取り巻きが一本釣りで決めるようになったので、いい加減な人物が入り込みやすくなっている。 自民党に限らないが、都議選を見ても、いままで政治に対して真剣に向き合ってきたような候補者なんて皆無でしょう。有権者も風で選んでいるだけで、候補者を見ていない。有権者がアホだから、アホな政治家しか出てこない。 誤解したらいけないが、安倍総理はまともなんですよ。総理として死にものぐるいでやっています。しかし、使う“道具”がよくない。道具というものはブレーンとなる政治家や役人のことですが、間違った道具を官邸に入れてしまっているんです。 彼の政治理念は、「格差是正」と「新自由主義反対」なのに、間違った道具を使うから、実際にやっていることは真逆なんです。天皇陛下の生前退位にしても、一代限りにする法律をつくったが、彼の本来の主張は私と一緒で「生前退位は認めない」で、これもやっていることは逆。 ろくでもない連中のなかから道具を選ぶんだから、こうなるのも無理ないかなと思いますが、安倍総理の弱点は決断力がないことです。 しかし、政権の支持率も下がってきたのだから、ここは決断して首の周りに巻きついている連中を切り捨て、最後は自分の信じる道を進んでみてはいかがだろうか。 |
●(2)<<<このところ自民党の若手議員や閣僚の不祥事が続いているのは、派閥が機能しなくなったからです。かつては「資金の面倒をみる」「人事を責任を持ってみる」という機能が派閥にあり、それによって派閥幹部は若手議員に対する統制力を持ち、鍛えることができた。ところが、いまはその機能が失われてしまった。>>>
<<<誤解したらいけないが、安倍総理はまともなんですよ。総理として死にものぐるいでやっています。しかし、使う“道具”がよくない。道具というものはブレーンとなる政治家や役人のことですが、間違った道具を官邸に入れてしまっているんです。>>> <<<ろくでもない連中のなかから道具を選ぶんだから、こうなるのも無理ないかなと思いますが、安倍総理の弱点は決断力がないことです。>>> 私(藤森)はその昔、メディアが言うように派閥は諸悪の根源だと思っていましたが、今になって思うに、亀井氏のおっしゃるように派閥は人材育成に大きな役割を果たしていたことを痛感します。派閥内で疑似政権・・・疑似閣僚が体験できて、かなりの訓練ができていたのだと思われます。この点は亀井氏のおっしゃることに大賛成です。閣僚が新人では救いがたいです。 さて、次の総理大臣に必要な最大の資質は、一に決断力ではないかと思います。次に必要な資質は使う“道具”の「選別力」ではないかと思います。 いかなる組織でも同様ですが、一国の総理大臣が使う道具の選別力がなく、お友達ばかりを活用する「選別力無能」な総理大臣であるとしたならば、悲劇以外のなにものでもありません。さらに、決断力がないとなると悲劇は増大するでしょう。 <<<誤解したらいけないが、安倍総理はまともなんですよ。総理として死にものぐるいでやっています。しかし、使う“道具”がよくない。道具というものはブレーンとなる政治家や役人のことですが、間違った道具を官邸に入れてしまっているんです。>>> 私の見方では、決断力がなく、道具の使い方が下手であるならば、「まとも」で「死にものぐるい」でやっていても空回りをしてしまうように思えてなりません。 もちろん、私には事実は分かりません。 さて、メディアは右と左に別れるようです。 私はわずかながらもこのホームページを作成しているので、少しでもバランスを考えようと思って、できるだけ多角的に見るように努めています。 そういう意味で、下記夕刊フジの稲田朋美氏批判は、ズバリ、とても面白いと思っています。亀井氏の批判である「決断力」と「選別力」がいかに欠落しているかを証明しています。 |
●(3)平成29年7月29日、夕刊フジ「衝撃!!監察結果 自衛隊最大の危機」
<稲田 醜態辞任> <略> 稲田氏は昨年8月の防衛相就任以来、省内に混乱を引き起こし続けた。外遊時に派手なサングラスと野球帽というリゾートルックで現れたり、部隊視察時のハイヒールなど、奇抜で場違いな服装だけではない。 森本敏元防衛相ら政策参与3人が昨年末、そろって辞任した。いずれも日米防衛当局の信頼が厚い人物だったが、「稲田氏が煙たがった」(防衛省関係者)とされる。 安倍政権が「日米同盟の強化・深化」を進めるなか、ジェームズ・マティス米国防相が今年2月に来日したが、まったく会話が成り立たなかったという。稲田氏主催の夕食会に、安倍首相が途中から飛び入り参加して、「彼女は信頼する閣僚だ」と保証せざるを得ない場面もあった。 こうしたなか、日報隠蔽問題が発生した。<略>・・・こうした内部情報の流出は、稲田氏のクビを狙ったものといえ、シビリアン・コントロール(文民統制)が効かない、異常事態といえる。 防衛庁・自衛隊OBである評論家の潮匡人氏は「稲田氏はいつも威張って、周囲を怒鳴り散らしていたと聞く。これは日報隠蔽問題というよりも、『稲田朋美問題』というべきだ」といい、続けた。 「陸自側としては『稲田氏に報告して、了承を得た』と認識していたが、先週末に公表予定だった報告書は『稲田氏の関与や了承はなかった』という結論だった。現場から『トカゲの尻尾切りではおかしい』という思いがわき起こったのだろう。今回の混乱で、稲田氏は政治家として相当厳しくなったはずだ。稲田氏が防衛省を去って、国民・省内から信頼される後任防衛相が着任すれば、とりあえず混乱は収拾される。ただ、停滞している幹部人事など問題は山積している」 政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏は「日報隠蔽問題の事前報告に関し、稲田氏は了承したのかどうか。この問題について、来週にも国会の閉会中審査が開かれるが、与党は稲田氏の参考人招致を断るだろう。だが、真相を解明するために、稲田氏を出すのと出さないので、どちらが安倍政権にとってマイナスになるのか。よく真剣に考えるべきだ」と語っている。 |
●(4)平成29年8月2日、夕刊フジ「稲田氏は『辞任遅かった』」(鈴木東一の風雲永田町・評論家) <3トップ同時は「異常」> <略>自民党幹部の話。 「官邸で安倍首相と稲田氏が話し合った。その3時間ほど前に民進党の蓮舫代表が辞意表明をした。それに防衛省の背広組と制服組の2トップが辞めて大臣だけが残るのも格好が悪い。しかも監察の結果を受けて野党が閉会中審査を求めていた。これに稲田氏を出席させないためにも、稲田辞任に踏み切らざるを得なかった」防衛族の自民党議員が言った。 「3トップが一緒に辞めて、日本の安全保障が大丈夫か、という問題が残った。 まともな大臣なら自分が全責任を負って早めに辞める。そして次官、陸幕長は減給などの処分はあっても辞める必要はない。大臣はこういう時に責任をとるためにいる、ということを稲田氏は分かっていなかった」首相の人事ミスか。 「防衛の分野は経験と省内の空気を知らないと務まらない。安倍首相は自分が兼務したつもりで『大臣が困ったら自分が助けにいけばよい』と思っていた。稲田氏は首相の秘蔵っ子で、甘えもあった。今回の防衛省の混乱は明らかに醜態で、安倍内閣の支持率のさらなる下落が心配だ」 ●(5)高級官僚が政治任用されるようになった「内閣人事局」を発足させたのは、菅義偉官房長官とタッグを組んで稲田氏が実現させたようです。 多分、これが余計に、稲田氏のプライドを高めている可能性が高いのではないでしょうか。防衛大臣の辞任で、反省の言葉も謝罪もない上に、離任式では、北朝鮮のICBM発射を受けて防衛省・自衛隊が高度な警戒態勢を続け、後任の岸田外相兼防衛相が対応に追われている最中に、儀仗兵の栄誉礼を受けた後、車で同省出る稲田に「普通なら離任式を辞退する」「そもそも儀仗兵の栄誉礼までして盛大に送り出す必要があるのか」「一番危機感がないのは稲田じゃないか」と吐き捨てる幹部もいたという。 森友学園の問題では、過去に学園側の代理人として裁判に出廷していたにもかかわらず、「裁判に行ったことも法律相談を受けたこともない」と大うそをつき、政治資金パーティーに出席した際にもらった「白紙領収書」に自身の事務所担当者が勝手に金額を記入していた行為を「何ら問題ない」と開き直った。「教育勅語の精神を取り戻すべき」と戦前の軍国主義教育を礼賛するなど、国会のデタラメな言動を挙げればキリがない。(8月2日、7月31日、日刊ゲンダイ) |
<文責:藤森弘司>
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