2017年10月16日 第134回「トピックス」
<<<キャベツの悲鳴!!!>>>
●(1)2017年10月11日「東京新聞」(筆洗)
福島県須賀川市で八代続く農家の樽川和也さん(42)は、キャベツの悲鳴を聞いたことがあるという。 樽川さんの父・久志さんは、土づくりにこだわる人だった。「1センチのいい土ができるには、百年かかる」と言い、堆肥づくりに手間暇を掛けた。その土で育てた野菜は築地市場で評価され、自慢のキャベツは学校給食でも人気だった。 だが、福島第一原発の事故は、久志さんと先祖代々の情熱が染み込んだ土を汚した。地元産のキャベツが出荷停止になったとの知らせが入った翌朝、久志さんは自ら命を絶った。 出荷できなくなった7500株のキャベツは、畑でむなしく育った。大きくなりすぎたキャベツはパリッパリッと音を立て、真っ二つに割れた。和也さんには、それがキャベツの悲鳴に聞こえたのだ。 (後略) |
<文責:藤森弘司>
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