2016年8月30日 第120回「トピックス」
イタリア地震

●(1)平成28年8月29日、東京新聞「救出の遅れを許してほしい」

 <9歳少女 幼い妹かばい犠牲>

 イタリア中部地震の犠牲者を悼み、アスコリ・ピチェーノで27日に行われた国葬で、生死を分けた幼い姉妹の運命が教会の司教によって紹介され、参列者らは深い悲しみに包まれた。

 9歳のジュリア・リナルドちゃんと、妹ジョルジャちゃんの姉妹は24日の地震に巻き込まれ、がれきの下敷きとなった。救助隊員が姉妹を救出したのは地震発生の15時間後。ジュリアちゃんは妹をかばうようにしっかりと抱きしめながら、すでに息を引き取っていた。

 妹ジョルジュちゃんは一命を取り留め、27日に4歳になった。2人を助け出した救助隊員はイタリア紙に対し、ジョルジャちゃんは、姉のつくった空間のおかげで息をすることができたのではないかと話した。ただ、今もショックで話ができない状態という。

 ジュリアちゃんは小さな木製のひつぎに納められ、国葬の会場となった体育館に安置された。
救助隊員の一人はひつぎに手紙を添え、無念をにじませた。

 「到着が遅くなったことを許してほしい。できる限りの手は尽くしたことは分かってください」

<文責:藤森弘司>

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