2016年10月15日 第121回「トピックス」
「1月選挙」薄らいだか?

●(1)平成28年10月15日、夕刊フジ「鈴木棟一の風雲永田町 5469回」(政治評論家)

 <「1月選挙」薄らぐ> 
 自民党が1月に予定していた党大会を3月に延ばしたことで「1月選挙」の空気が広がった。公明党の山口那津男代表が「解散があってもおかしくない」と言い、自民党の二階俊博幹事長は「衆院選は近い」と明言した。ところが、ここに来て様子が変化した。自民党幹部が13日、語った。「年末、年始の選挙は薄れた。選挙はぐんと後送りされ、来年後半になりそうだ」
選挙が遠のいた理由は。

 「まず、選挙には大義名分が必要。北方領土をめぐる、安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領の日露首脳会談は12月15日だが、基本が歯舞諸島、色丹島の『2島返還』では、ブーイングが起きかねない。2島が基本なら歴代首相は、『俺にもできた』と不満だろう。世論も反発して、選挙で大敗を喫しかねない」 

 <名分なく「与党のエゴ」批判で> 

 ほかに理由は。
「『自民、公明の与党のエゴの選挙だ』との批判が新聞に出始めた。これは不安要素だ。自公はいま、衆院で3分の2の議席議席を持っている。これをさらに増やすのは容易ではない。議席は減るのが常識。10減るか、20、30議席減るのか。大幅に減ったら政権に打撃だ」与党のエゴとは。

 「2つある。1つは衆院定数削減の0増6減の線引き案が5月に出る。青森や鹿児島など自民党の強い県で定数が減らされる。1月選挙は『この線引きの前に選挙をやってしまえ』という考え方。『これは自民党のエゴだ』との指摘だ」もう1つは。
 「公明党のエゴ。公明党は東京都議選を重視し、全国から応援部隊を集める。『6月にある

 都議選から3カ月以上引き離してやってほしい』というのが本音。これは公明党、創価学会のエゴというわけだ」ほかには。
 「有権者のバランス感覚に注意しなければならない。自民1強の国会で、自公両党は衆院で3分の2、参院でも改憲勢力が3分の2強。強すぎる自民党の議席を減らす流れが出かねない」では、総選挙はいつか。

 「0増5減の線引き案が成立してから、5月に案が出て、6月に成立して、周知期間が1ヵ月。早くて7月以降だが、真夏は避けて9月の選挙か」衆院選をやるなら、安倍首相は勝たなければならない。まして、党則を変えて自民党の総裁任期を延ばすには必須である。折からNHKの調査では内閣支持率を

7ポイント落とした。政局は一筋縄には進まないのだ。

<文責:藤森弘司>

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