2015年5月31日 第112回「トピックス」
<対策編②>
●(1)前回②の下記の部分を再録します。
「癌とは何か?」の41ページから42ページにかけて・・・・・ <<<スポーツでも文芸でも学問や芸術でも、何でもそうですが、エネルギー一定の法則から考えて、ある分野の能力を極端に伸ばすということは、必ず、別の分野を犠牲にするものです(もちろん、例外的・天才的な人を除きます)。 以前にも書きましたが、モーツァルトもベートーベンもトルストイも・・・・・そして、夏目漱石や芥川龍之介、太宰治などは精神の異常をきたしたり、自殺しています。 このように書きました。 そういう全体に目を向けてみる柔軟性や多様性が大切です。その上で、真似をしたければすれば良いのですが、学問(スポーツなり芸術なり)の優れた一面だけを見て、学問に秀でたけれど不幸になったというのでは残念です。 川端康成は文化勲章やノーベル賞を受賞しましたが、1972年に自殺しました。 また、相撲の横綱は格闘技的に見て最強だとも言われています。その横綱は60歳の還暦を迎えると赤いフンドシを締めて土俵入りをするそうですが、土俵入りをする横綱は少ないそうです。つまり、還暦を迎える前に亡くなってしまうのです。最大級に体を鍛えた横綱が早死にするということは、まさにそれが影の部分です。 それでも構わないから横綱を目指したいのは個人の好みです。 |
●(2)さて、「交流分析」という心理学をご存知の方は「P・A・C」の意味をご理解いただけると思います。
簡単にご説明しますと、「P・・・PARENT(両親)の略」で、父親的なPと母親的なPがあります。「A・・・ADULT(大人)の略」で、学問などで得られる知性を意味します。「C・・・CHILD(子ども)の略」で、情緒・情動や順応性を意味し、自由(FREE)なCと、順応(ADUPTED)したCがあります。 さて、上記の(1)で述べた例で、例えば、ノーベル賞を受賞するような学者タイプは、「A・・・ADULT(大人)」が肥大している傾向があります。そして、芸術家タイプは、「C・・・CHILD(子ども)」が肥大している強い傾向があります。 そのために、例えば、「C・・・CHILD(子ども)」が肥大した芸術家タイプは、芸術性が優れている代わりに、人間性がいかがかと思われる部分が大きいものです。 しかし、オリンピックのメダルと同じで、いくら頑張っても、圧倒的多数の私たちには届かないレベルです。せめて、メダルに届く可能性がわずかでもありそうであるとか、学問の業績が優れていて、わずかでも何か夢を見られそうであるならばともかくも、多分、ほとんどの人は、距離があるわけですから、欲望を、もう少し常識的なレベルに留める、妥協する、「足るを知る」ことも大事ではないかと思っていますが、皆さんはいかがでしょうか? 今回は、人格がハチャメチャで「C・・CHILD」が暴走する野口英世を取り上げてみたいと思います。 |
●(3)平成27年3月31日、東京新聞「B面科学史」
<野口英世③> <次から次へ 借金王> <略> 野口は医師免許を取得すると、北里柴三郎が所長を務める伝染病研究所に勤め、清国に派遣されてペスト対策にあたる。そして米国留学を志し、北里にロックフェラー医学研究所のフレクスナー博士あて推薦状を書いてもらう。公費留学は、学歴のない野口には不可能だった。 資金はさまざまな手段でかき集めた。東京の居候先であった歯科医師・血脇守之助の縁から、ある家の娘と婚約して持参金200円(300円とも)を得る。当時の物価からみると200万円にも相当しよう。しかし野口は婚約を履行せず、血脇が肩代わりして持参金を返済するまでトラブルの種になった。 さらに故郷の恩師・小林栄や友人からも数百円の金をかき集めた。ところが出航前に横浜の料亭で友人たちと大宴会を開き、残金わずか30円に。泣き付かれた血脇は、金融業者から金を借り、切符や衣類は現物で渡した。 渡米後も同様だった・・・・・<続く> (この後も面白いです。典型的な天才肌で、人格破綻者だと思われます。次回は6月10日にアップします) |
<文責:藤森弘司>
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