2014年1月31日 第104回「トピックス」
恕・慈・憐

●(1)「白隠さんの絵説法」(山内長三著、大法輪閣)p55

 「恕・おもいやる」 「慈・いつくしむ」 「憐・あわれむ」

   かわひ子や
つかふも人の
かわい子よ
我がかわひ子に
思ひくらべて

 歌の意味は説明する必要がないと思いますが「人を使うときは、我が子と同じように、いつくしみの心をもってやれ」と教えています。

 この次につづく「慈」「憐」など白隠が多く書き与えたことについては、動機があったといわれます。それは白隠在世当時、原の宿では雇人に対して、大そう人使いが荒く、彼らが困っているのを見かねて、その主人たちを諭したものだといわれています。

 芭蕉の作と誤り伝えられている名句(実際には沾徳・せんとく・の作と穎原退蔵博士が『俳句評釈』<角川文庫>で考証していられます)

 雪の日や あれも人の子 樽拾(たるひろ)ひ

 <畏友、北村雅子様よりご恵贈の著書>

<文責:藤森弘司>

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