2013年3月31日 第91回「トピックス」
驚愕!の陸山会裁判(補足)

●(1)<2011年10月7日 第56回「トピックス」「驚愕!の陸山会裁判」>を補足する驚愕の事実が浮上してきました。

   平成24年12月8日、日刊ゲンダイ「弟(功元会長)が兄を8億円恐喝」

 <あの水谷建設>

 <法廷で暴露された壮絶ケンカ>

 陸山会事件で「小沢の秘書に裏金1億円を渡した」と証言し、世紀の謀略裁判のきっかけをつくった中堅ゼネコン「水谷建設」(三重県桑名市=会社更生手続き中)。

 元秘書らの控訴審裁判でも「裏献金の有無」が焦点になっているが、その水谷建設をめぐって、津地裁で行なわれている恐喝事件の裁判がすごい展開になっているのだ。

 問題の裁判は、水谷紀夫前社長(71)が在任中の2010年11月、暴力団幹部らに現金5000万円を脅し取られた事件の公判だ。恐喝容疑で起訴された暴力団幹部ら2人は、前社長と会ったときの様子を隠し撮りし、その写真をネタに「ヤクザと一緒じゃまずいだろう」「会社がつぶれるぞ」と前社長を脅した。

 「5日の裁判で、暴力団幹部と一緒に捕まった元建設会社社長の被告から、驚くべき証言が飛び出しました。なんと、彼らのバックにいたのは前社長の実弟、水谷功元会長だというのです。その功から『おまえが写真を撮れ』『満額(8億円)取ったら2億円をよこせ』と指図されたと証言しています」(地元関係者)

 もともと、この兄弟は仲が悪い。水谷建設は弟の功が実権を握っていたが、脱税事件で服役中に、兄の紀夫が会社を乗っ取ろうとした経緯がある。
 「そして、今回の8億円恐喝です。“平成の政商”といわれた水谷功だけあって、兄弟ゲンカのスケールが違いますが、それにしても暴力団を使って兄を恐喝するとは驚きです」(捜査事情通)

 しかし、8億円ものカネは写真1枚で脅し取れる金額じゃない。兄の紀夫は弟にとんでもない弱みでも握られていたのか。つくづく、ウサン臭い連中である。
 こんなやつらの証言を鵜呑みにして、検察や大マスコミは小沢一郎を犯罪者扱いしていたのだから、許しがたい話だ。

●(2)平成25年3月15日、日刊ゲンダイ「陸山会控訴審判決」

 <結論ありきのデタラメ>

 <同じ証拠でも事実認定は真逆>

 やはり結論ありきのデタラメ判決だった。13日、東京高裁で開かれた、「生活の党」の小沢一郎代表=無罪確定=に資金管理団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反事件の控訴審判決。飯田裁判長は、衆院議員の石川知裕被告ら元秘書3人をいずれも執行猶予付き有罪とした1審東京地裁判決を支持し、無罪を主張した弁護側の控訴を棄却した。
 主文言い渡しから始まった飯田裁判長の言葉は最後まで腑に落ちないものだった。

 高裁が1審を支持した明確な理由説明はほとんどなし。飯田裁判長は「原判決に疑問を生じさせる事由を見いだすことはできない」と繰り返すばかりだった。それでも、審理を尽くした上での判決なら理解できるが、昨年11月から始まった控訴審で、高裁は石川の弁護団が集めた87通に上る新証拠をことごとく却下。公判はたった2回で結審だ。これでマトモな裁判と言えるのか。確たる証拠もなく臆測で有罪判決を出した1審の「ミスター推認」裁判長もヒドかったが、疑問だらけの判決内容に何の疑問も抱かない「ミスター追認」裁判長もデタラメ過ぎるだろう。

 「メチャクチャなのは、無罪判決が出た小沢裁判の証拠を飯田裁判長が却下したことです。小沢裁判では、不動産の仮登記を提案したのは仲介業者側だったとして、業者の法廷証言も残っている。ところが、飯田裁判長はその証言を証拠採用せず、1審判決と同様、仮登記は石川側から持ちかけた、と認定した。同じ証拠なのに裁判長によって事実認定が異なったり、黒白が決まったりするのは公平中立な裁判とは言えません」(司法ジャーナリスト)

 飯田裁判長が却下した重要証拠はこれだけじゃない。1審で、石川に裏金5000万円を渡した・・・と法廷証言した水谷建設の川村尚・元社長は今回、弁護側に対し、証言は検察に誘導された内容だったことを認める意見陳述書を提出した。控訴審判決でも認定された「水谷からの裏金」疑惑が完全に吹っ飛ぶ陳述書だが、飯田裁判長はこれも握りつぶし、裏金の授受を認定したのである。これで1審判決に「合理的に疑う余地なし」なんてよく言えたものである。

 選挙で国民の負託を得て当選した国会議員が、さしたる証拠も示されず断罪される・・・・・。石川の弁護人を務めた安田好弘弁護士は「司法が政治に介入して政治家を抹殺する。ファッショだ」と憤っていた。こんな司法の横暴を許していたら民主主義は崩壊だ。大新聞テレビは、「ほらみろ。小沢はやはりクロだ」と大ハシャギで報道しているが、よくよく考えた方がいい。

●(3)私(藤森)がいつも感じることは、飯田裁判長や大新聞・テレビの報道者の神経です。

 明らかにおかしい判決・・・・・少なくても、私は、明らかにおかしい判決だと思っています・・・・・であり、それにより、一人の人間や政治家の人生が抹殺されかねない判決であるにも関わらず、自分たちの思惑が満たされれば、社会の木鐸である立場を放棄できてしまうことが不思議でなりません。

 自分たちの利益に適っているならば、社会的に「死刑」にできてしまう恐ろしい神経は、ジャン・バルジャンを執拗に追い続ける冷酷な警部ジャベール<「今月の映画」第126回「レ・ミゼラブル」ご参照>のように思え、平和な現代でも、そういう過酷な仕打ちをすることができる神経が、私には全く理解できません。

 自分がおいしいお酒を楽しんでいる最中に、自分たちの悪意で貶めた一人の人間が刑務所の中で恨みつづけていることを想像しないのだろうか。
 もしそうだとすると、鎌倉時代に「怨霊」に責めさいなまれた執権・北条時頼よりも神経が壊れていると言わざるを得ません<「トピックス」第4回「執権・北条時頼と菅総理大臣」ご参照>。

<文責:藤森弘司>

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