2012年11月15日 第82回「トピックス」
バラク・オバマ大統領再選!

●(1)どうやら今後20年前後、世界は激動期を迎えるようです。

 一つは、400年周期でアジアの繁栄とヨーロッパの繁栄が交代しているようで、少なくとも、過去の歴史はそれを証明しているようです。歴史に無知なので、詳しく述べるとボロが出ますので、関心がある方は、ご自身でお調べください。アメリカ、イギリス・・・・・。

 もう一つは、覇権国家がアメリカから中国に移り出しているようです。多分、ヨーロッパからアジア(中国やインドなど)へ、そして覇権国家アメリカから中国へ。あまりにも符丁が合いすぎています。そういう激動期は必ず、経済が大混乱するそうです。

 前回の「世界大恐慌」は、イギリスからアメリカに「覇権国家」が移動する前兆であったとする考えがあるようです。オランダではチューリップ・バブルがありました。今の世界経済の混乱も、そう思ってみると、そんな気がしてきます。

 そういう大激動期にオバマ氏が再選されました。白人と黒人の対立の激化や「財政の崖」問題、人格攻撃をやり合った激しい選挙戦の後遺症などもどす黒く潜伏しているように思えてなりません。
 政治や経済は全くの素人ですので、メディアの情報を紹介する以外に手段がありませんが、深層心理的には、オバマ大統領の巡り合わせに非常に不可思議なものを感じずにはいられません。

●(2)オバマ大統領については、いろいろ沢山紹介したいものがありますが、当選が決まってしまってからでは気が抜けてしまいました。そこで、次の日高氏の「世界を斬る」の一部を代表して紹介したいと思います。

「 <略>

 選挙期間中、オバマ大統領とその陣営は、歴史上まれにみると言っていいほどの巧妙な戦術を駆使して共和党のロムニー候補をアメリカ国民から嫌われるようにしむけ、再選を勝ち取った。その結果、経済政策の破綻や国際戦略の失敗をすべてうやむやにしてしまった。

 <略>

 だが、注意するべきは、現状維持といっても、これまでとはやり方が違ってくると予想されること。我々は、オバマ大統領が、安全保障や経済についての基本的な政策論争をそっちのけにして、黒人やヒスパニック系、女性という世界戦略には関心のない内向きの自分主義の人々を結集して、再選を勝ちとった事実を忘れてはならない。

 米国は核戦略で日本を守るが、尖閣諸島をめぐって、米国の若者の血を流してまで中国と戦争することはしないし、できない。仕事を増やすため、輸出の拡大とドル安政策をさらに進め、ドルを印刷し続ける。

 つまり現状維持という大枠のなかで、オバマ大統領の政策の犠牲になるのは日本なのだ。オバマ大統領は巧みな選挙戦術で、米社会の弱者をからめとって再選を勝ち取った。その結果、米体制におけるもう一つの弱者・日本の安全と経済に大きなしわ寄せが来る。」(夕刊フジ、11月15日)

●(3)11月14日、夕刊フジ「もぎたて海外仰天ニュース」

 <「暗殺されるぜえ!」オバマ大統領への予告>

 今に始まったことではない。オバマ大統領が2008年に初当選を果たした時、白人至上主義団体KKK(クー・クラックス・クラン)のトーマス・ロブ代表は「オバマは必ず暗殺される」と明言していた。

 過去4年間は無事だったが、、6日の再選後、全米でいくつかの暗殺予告がシークレットサービスに捕捉された。ツイッターでの予告が数本。そして南部アラバマ州では道端に「暗殺されるぜえ!」というサインを持った「オバマ人形」が登場。

 それだけではない。選挙活動中、「いくつもの大統領暗殺計画がシークレットサービスによって阻止されています。数人の米兵が計画を練っていましたが、逮捕されました。またホワイトハウスに銃口を向けていた男もいました」と、ジャーナリストのマーク・アンバインダー氏が男性誌CQに書いている。

 シークレットサービスは今のところ暗殺計画をすべて未遂で食い止めているが、いつ何時、不測のニュースが飛び込んできてもおかしくない。

●(4)初当選のときはともかくとして、今回は、選挙戦そのものがあまりにも酷かったことと、あまりにも弱者に偏った政策を取りすぎてきたことで、上記の新聞記事は非常に憂うべき内容だと思わざるを得ません。

 黒人やヒスパニック系の弱者に大いに肩入れした政策は取るべきです。
 しかし、我々の生活も同様、収入に見合った中での救済策であるべきですが、オバマ大統領の政策は、どうやら、投票券を税金で購入するがごときやり方だったように思えます。

 そういう意味で、黒人であり、行き過ぎた政策、アメリカの根本を壊しそうな(予感をさせる)政策を取るオバマ大統領は、かなり上記の怖さを感じさせます。
 しかも、オバマ大統領は、リンカーン大統領を尊敬しているそうですが、リンカーンはフォード劇場で南部人俳優に撃たれました。

●(5)今回は、以上のような専門外のことを論じる予定ではありません。

 私が専門とする「深層心理」に関する予想とピッタリする、まったく無関係のある新聞記事が、オバマ大統領が再選された日に、偶然、掲載されていました。私は、<10月15日、第80回「トピックス」>で次のように述べました。

<<<そうやって、世界最高のアメリカ大統領とノーベル賞を達成したならば、後は「ドボン」するだけだと、私(藤森)は僭越にも予想しました。人生の前半、大変失礼ながら、バカヅキしすぎました。運を使い果たしてしまったように思わずにはいられません。>>>

 このように書きましたが、オバマ大統領は見事に激戦を制しました。バカヅキの余力がまだ残っていたようです。

 しかし、私の専門の立場から考えると、今回、落選して、余生を穏やかに過ごしたほうが良かったように思えてなりません。
 あるティッシュペーパーの御曹司が多額の借金を、カジノで作りました。何度も止めようと思ったようです。が、一晩に数億円を勝つこともあったようで、結局は、100億円もの巨大な借金になってしまいました。

 オバマ大統領の一生がどうなるか、この再選が「吉」と出るか、「凶」と出るか、私の専門家としての立場から、興味が尽きません。

●(6)平成24年11月6日、夕刊フジ「今週の深イイ 格言」

 <亢竜、悔いあり>

 亢竜(こうりょう)とは昇りつめた竜のことで「高みを極めた竜は、あとは落ちるしかない」という意味をもつ。伝説上の帝王であり、『易経』の著者とされる伏羲(ふっき、紀元前3350-3040ごろ)の言葉だ。

 社長はいずれ引退し、アスリートの新記録も日々塗り替えられ過去のものとなる。自分がトップに立ったり、部下ができたときには、後継者に何を伝えるかをしっかり考え、適切な引き継ぎを行ないたい。

 すべてを自分で抱え込めば、この言葉通り、上りきったら落ちるだけ。築き上げたものを次に託さなければ発展は無い。責任や肩書、メンツを両手いっぱいに持って、落ちかけてはいないだろうか。もっと肩の荷を軽くして、ゆるやかに昇っていきたいものだ。

 <藤森注・・・・・オバマ大統領の、無理に無理を重ねた政権運営や選挙戦が、両手いっぱいで、この「格言」がピッタリくるように思えてなりません。しかも、この格言が、オバマ大統領が再選された当日に掲載されるとは、私には偶然の一致とは思えません。
果たして、オバマ大統領、そして、野田佳彦総理大臣は「亢竜」なのであろうか!!??>

<文責:藤森弘司>

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