2012年1月15日 第60回「トピックス」
野田佳彦総理大臣についての一考察

●(1)野田総理大臣については、生育暦がわかりませんので、「脚本分析」はできませんが、政権が長続きしそうもないので、断片的ではありますが、かなりシンボリックなものを紹介したいと思います。

 どうやら野田総理大臣は「人格」にかなり偏りがあるように見受けられます。消費税については「不退転の決意」で臨むとあります。「不退転の決意」とはなんでしょうか。実は「根性」が無い人間の特徴で、こういう仰々しい言葉(ネバー・ネバー・ネバー・ギブアップも同様)を並べる人間に限って、根性がフニャフニャです。

 1月13日の内閣改造でも、仰々しい言葉を吐いています。
 「行政改革や政治改革、社会保障と税の一体改革など先送りできない課題を推進する最善、最強の布陣を作った」と言っています。どうしようもない政権だという批判が渦巻いている中、どういう神経があれば、このような仰々しい言葉を吐けるのか、ただ空虚なだけです。

 野田総理大臣の根性が「フニャフニャ」を疑うことができる「根拠」が2つあります。

 一つは、それほどの覚悟があるのならば、「不退転の決意」を具体的に言えばいいのです。私(藤森)ならば・・・・・と、能力が無いのに偉そうに言うのが悪いクセですが・・・・・私ならば、次のように具体的に言います。

 消費税アップを反対する議員の最大の根拠は、デフレ時に消費税を上げるのは「逆効果」だから、「今、上げるべきではない」というものです。ですから私ならば、「万一、消費税を上げることが『逆効果』になった場合は、総理大臣を、国会議員を辞職します」。
 このように言えば、恐らく、反対論はかなり小さくなるはずです。総理大臣が具体的な目標を掲げて、それに「政治生命」を懸けるというのに反対できる議員は少ないと思います。

 この困難な時代に増税するわけですから、増税が「逆効果」、つまり、増税して庶民を苦しめても「税収」が増えない、極端な場合は、庶民を苦しめるだけで、逆に「税収」が減るようなことがあったならば、「首=政治生命」を差し出すべきです。そのくらいの覚悟を持って、非常時、かつ、国論を二分するような「大政策」に取り組むべきです。

 それを「不退転」や「政治生命をかける」などと「空疎」「抽象的」な言葉を振り回し、自分の言葉に酔っているような人間は、非常に頭のよい「実行力の無い」人間の可能性が高いです。

 もう一つは、「不退転の決意」があるならば、ドンドン、国民に訴えたらいいのです。国民は総理大臣の「覚悟」「本音」を知りたいのです。しかし、彼は「ぶら下がり会見」を拒否しています。今、いかに、消費税を上げる必要があるのかを積極的に訴えるべきです。

 10年、20年前ならばいざ知らず、我々国民の生活は、今やかなり疲弊しています。それでも真に必要ならば、日本国民は納得し、協力するはずです。
 しかし、この不景気の最中、野田氏が財務大臣のときに、朝霞の公務員宿舎の建設をオーケーしています。改革派官僚だった古賀茂明氏を呼び戻す気配がありません。「記者クラブ」を開放しません。その他のいろいろな問題に真剣に取り組んでいません。

 この非常時に、国論を二分するほどの大問題を、何故、積極的に国民に語り掛けないのか、何故、積極的に、増税の必要性を訴えないのか。ただ単純に、ギリシャのようにならないためとか、借金が1千兆円もある・・・・・というだけで、民主党が掲げた「ムダの削減」にはほとんど斬り込んでいません。
 そこに切り込めないのは①彼に知識がないから・・・・・嘉悦大学教授の高橋洋一氏は、多くの具体的な問題提起をしています。②官僚の世界に斬り込む「勇気」も「覚悟」もない「フニャフニャ」だからであると断じざるを得ません。

 佐々淳行氏(元内閣安全保障室長)は、夕刊フジで「野田内閣は『冷凍庫内閣』」と書いています(1月12日)。

 また、同じ日の夕刊フジで、連合会長を長く務めた山岸章氏は「もう民主党には愛想が尽きた。出直しが必要です。・・・・・自民党より悪くなった・・・・・なんですか、あの野田の収束宣言は。本当に野田は収束したと思っているのか。野田はもう1度小学校から行き直して収束の意味を勉強すべきだ・・・・・」と述べています。

●(2)さて、野田総理大臣に関して、極めて特徴的な出来事がいくつかあります。野田総理大臣がいかに中身の無いハリボテ人間かがわかるものを、これから幾つか紹介します。

 数年前、民主党が野党の時代のことです。野田氏が代表選に立候補する予定でしたが、周囲の反対やいろいろな事情、状況などの判断の結果、立候補を断念したことがあります。

 この時の代表選について、野田氏は「ボコボコになっても立候補したい」と述べました。私たちはいろいろな問題に対処するとき、ボコボコになることが怖いから避けます。ですから、ボコボコになってもいいのならば、もう恐れるものはなにもありません。
 しかし、彼は立候補を断念しました。これは野田総理大臣の人間性を考える上で、極めて重大な意味を含んでいます。「ネバー・ネバー・ネバー・ギブアップ」や「不退転の決意」などと同様に、ただ「虚しい言葉」だけが踊っています。

 次の記事も同様のものです。

●(3)平成23年8月11日、日刊ゲンダイ「出馬宣言を“延期”
<卑怯者の野田はあり得ない>

 <略>

 きのう(9日)出馬宣言すると報じられた野田財務省も、自身のグループ「花斉会」の緊急会合まで召集しておきながら、立候補を表明できなかった。円高に歯止めがかからず株価も大暴落という最悪のタイミングだったこともあるが、財務省を辞任して、菅降ろしを主導する覚悟がないのである。

●(4)野田総理大臣は、ぶら下がり会見を長期に回避したりする姿勢などを総合すると、かなり根性が小さいのでしょう。だから、「言葉」だけで「説得」しようとする「根性」が見え隠れします。そういう「根性」が小さい人間は、今度は逆に、一つのことにこだわると、徹底的に「執着」する可能性があります。

 特に、大きな後ろ盾を得ると、それを「盾」にして尊大・ゴーマンなほど・・・・・「虎の威を借る狐」よろしく、強気に出る「タイプ」・・・・・それが野田総理大臣の「本性」かもしれません。

 強大な過干渉ママ・・・・・口うるさい母親的な「財務省」と、典型的な強権的父権性を振り撒く「アメリカ」の「盾」を得られたものだから、「ボクちゃんスゴイんだぞー!!!」とばかりに、この2つに関するテーマに、「不退転の決意」で臨んでいるのかも知れません。

「財務省のママ」に頬をスリスリ喜んでもらうために・・・・・消費税のアップ(ヨッちゃん、よくガンバッテいるわね~。ママ、驚いちゃうわ)

「アメリカのパパ」に頭をなでてもらうために・・・・・TPP(環太平洋戦略的経済連携協定」)の参加(おー!ヨシヒコ!よーガンバッテいるな!お前は、やればできるんだ!!!)

 下記の(5)は、驚くべき「嘘」です。
 「父親は(精鋭部隊として知られる)習志野空挺団員だった」と自慢してきたが、それも嘘らしい。こういう「嘘」をつく人間は「信用」できません。若いうちや、私(藤森)のようなハッタリだけで生きている庶民ならばともかく、閣僚になったり、総理大臣を目指すならば、最低限、どこかで「嘘」を清算するべきです。このような「嘘」をつき通す薄汚い根性が信じられません。

 下記の(6)は、野田総理大臣の奥様の学歴ミステリーです。
 私(藤森)は、こんな程度のことをとやかく言う気は全くありません。こんな程度のことを問題にしているのではなく、こんな程度のことを明確にしていない野田総理大臣の人間性に薄汚なさを感じるからです。
 上記の(5)と同様に、どこかで明らかにすれば良いのに、閣僚や総理大臣になろうとする人間が、こういう不明瞭な形を残しておくことが不思議です。我々庶民と違って、どこかで「暴露」されるのですから、その前にハッキリさせれば何も問題が無いことを胡散臭くしておく気持ちが理解できません。

 下記の(7)は、2006年、前原誠司代表時代の「偽メール事件」です。
 野田氏は当時、国対委員長として、永田寿康衆院議員(当時)の国会追及にゴーサインを出しました。天下の幹事長を国会で追及するのに、たった1枚のメールだけで、周囲が心配するにも関わらず、その裏づけを一切取らなかった野田氏は、かなり「粗忽」というか、アホというか、能天気野郎というか・・・・・。

 咄嗟のことであれば、誰でも、いい加減なことをする可能性があります。しかし、この問題は、数日の時間があった上に、調査させる部下も十分に存在しました。しかも、国会という大舞台で、当時の自民党ナンバー2の幹事長を、わずか1枚のメールだけで追及しようとするのは、「軽率」というよりも、あまりにも「幼稚」でした。
 しかも、永田寿康衆院議員は議員を辞職し、その後、自殺しました。永田議員を救えなかった自責の念はないのでしょうか。もしかしたら、「自分は被害者だ」くらいの認識や感覚しかないのかも知れません。恐ろしく無能で薄情な人間・・・・・のように思えてなりません。

 その恐ろしく無能で薄情・・・・・かも知れない人間が、今、非常時の日本の運転手をしています。

●(5)平成23年9月30日、週刊ポスト

 <「父は精鋭部隊」の自慢も嘘だった・見栄っ張り総理の頭ン中>

 そういえば、どじょう総理は何をしているのだろうか?マスコミにボロを出すのが怖いのか、ぶら下がり取材さえ拒否している。政権末期の菅サンと同じだ。「気が小さいことは間違いない。政策は空っぽでも口だけはうまいから、自分を利口に見せるために官僚の振り付けにはよく従う。子分の蓮舫氏もそうだが、見栄と嘘で政界を泳いできた連中だから攻めれば簡単に崩れる」(自民党国対筋)

 見栄といえば、野田氏はずっと、「父親は(精鋭部隊として知られる)習志野空挺団員だった」と自慢してきたが、それも嘘らしい。
 「総理のお父様が空挺団に所属していたことはない」(習志野駐屯地広報班)

 実際には、駐屯地で管理業務を行なう「業務隊」の所属だったようだが、つかなくてもよい嘘をついて見栄を張るのは、どんな心理によるものなのか。

 「一見、慇懃で低姿勢に見える野田氏は、本当は、物事を割り切って考えるマシンのような戦略家です。状況が違うのに同じトーンで話す、父親の職業を偽り、バレても訂正しない、なども自分なりには合理的なイメージ戦略なのでしょう」(臨床心理士・八幡洋氏)

 八幡氏によれば、こにタイプは非常さを持つ反面、問題意識を他者に植えつけられる危険もあるそうだ。官僚が「使い勝手よし彦くん」と呼んで増税をやらせようとしているのは、「さすがの観察眼」なのか。

 最近の野田氏は何をしているかというと、「国連演説の猛特訓中。原発問題で演説する予定だが、なにしろ原発の原理、放射能とは何かも知らないから大変だ」(官邸関係者)。前首相も「原発に詳しい」と豪語して実は何も知らなかった。

 小心、空っぽ、見栄っ張り、口がうまい、非情、官僚のいいなり・・・なんだ。前の人と同じじゃないか。不人気、短命も踏襲するかな。

●(6)平成23年10月3日、日刊ゲンダイ「ファーストレディー 仁実夫人」

 <今度は学歴ミステリー>

 野田ドジョウ首相の国連総会出席に同行し、初めて公の場に姿を現したファーストレディー。だが、仁実夫人の素顔は今なお謎に包まれている。
 実家は江戸川区のガラス工場で、中高は私立の三輪田学園ということは公表されているが、最終学歴は「音楽系の大学」などと報じられているだけで、どこの大学かは明らかにされていないのだ。

 この5年間の総理夫人の学歴は別表(割愛)の通りだが、野田夫人に関しては、政治記者の間でも「仁実夫人の経歴はハッキリしない。公表すると何か不都合でもあるんじゃないの」とミステリーなのだ。
 仕方ない。事務所に確認すると・・・・・。
 「奥さまの学歴?詳しく聞いたことがないのでわかりません。声楽科なんですか?それすら知りません」(野田佳彦事務所)

 <音大?声楽科?だれも分からないナゾを追ったら・・・>

 秘書さえ知らないなんて、どうなってるの?さすがに親族なら知っているだろうと、ドジョウの実弟で船橋市議の野田剛彦氏を直撃したら、意外な答えが返ってきた。
 「声楽科?違いますよ。東京音楽大学の音楽教育専攻です」

 東京音大といえば、東京芸大、国立音大、武蔵野音大と並ぶ音楽の名門校。淡谷のり子や春日八郎、黒柳徹子らの出身校で、「ベルばら」の池田理代子や、「ゲゲゲ」の松下奈緒も卒業生だ。偏差値は41~46程度と高くないが、入試は実技重視のため、有名な先生に師事しないと入れないといわれる。学費も年間230万円前後とケタ違いに高い。よほど才能があるか、お嬢さまでないと縁がなさそうだ。

 こんな名門校の出身なのだから、堂々とアピールすればいいのに、なぜ隠しているのか。
 「諸事情により、卒業はしていないと聞いています。だからというワケでもないでしょうが、万事控えめな人なので、あえてアピールする必要もないと考えているのだと思います。決して隠しているわけではありません」(野田剛彦氏=前出)

 野田氏といえば、父親の経歴も「陸自第1空挺団」とゴマカしていた。この秘密主義。イヤ~な感じだ。

●(7)平成23年6月14日、夕刊フジ「ポスト菅 カネと女」

 <野田佳彦財務相>

 <略>

 2009年の収支報告書に、地元選挙区である千葉県船橋市のキャバクラや中国人パブでの飲食費として計上され、騒動となった。調査の結果、「秘書の公私混同」として返金され、これは“お愛嬌事件”として終わった。

 しかし、今年に入って国会で複数回追及された、脱税で有罪判決を受けた男性が関係する企業によるパーティー券購入問題は根が深そう。自民党関係者はいう。

 「野田氏は『(脱税を)確認できなかった』『返金した』と答弁しているが、非常に苦しい。野田氏ほどのキャリアがあれば、購入もとの企業や個人が安全か否かは徹底的に精査するもの。男性について『暴力団関係者』と報じたメディアもある。捜査当局も一連の資料は入手しているし、報道機関も取材している。この問題は尾を引く可能性が高い」と語る。

 政治家としての判断力でいえば、06年、前原誠司代表時代の「偽メール事件」にも触れなければならない。野田氏は当時、国対委員長として、永田寿康衆院議員(当時)の国会追及にゴーサインを出した。

 「その後、メールは真っ赤な偽物だと判明した。大失態の責任を取り、野田氏は国対委員長を辞任し、前原氏も代表を退いた。この後遺症は大きく、野田氏は2年後の代表選挙出馬を目指したが、自らのグループさえまとめきれずに出馬を断念した。民主党7奉行の中で、最も厳しい立場に追い込まれていた」(民主党関係者)

 野田氏が復活したのは、一昨年の政権交代に伴い、藤井裕久財務相(当時)の強い意向で、財務副大臣に抜擢されてから。藤井氏は野田氏を高く評価していた。昨年6月発足の菅直人内閣では、財務省に昇格した。
遅れてきた次世代リーダーは、数々のハードルを乗り越え、官邸へと駒を進めることができるのか。
 <ジャーナリスト・田村建雄>

●(8)平成24年1月9日、日刊ゲンダイ「野田首相の深刻な症状」

 <体系だった妄想にとりつかれたパラノイアという精神病の疑い濃厚>

 <こんな時になぜ増税なのか>

 <略>

 <ほかにやるべきことが山とあるのによりによって大増税>

 それにも増して問題なのは野田ドジョウ首相だ。政治家たるもの、バランス感覚や複眼的な思考が不可欠。この世界的経済危機の中で大増税を進めれば日本の景気にどんな悪影響があるか。それを考えれば、財務省や財界に振り回されることはないはずなのに、ナント先頭に立って大増税に入れ込んでいる。そこが理解できない。

 他に仕事がないのならともかく、いま野田政権がやるべき緊急課題は他にいっぱいあるだろう。企業を苦しめ、産業空洞化と雇用悪化を進めている超円高の対策はどうするのか。日銀を動かして、大胆な金融緩和で円安にもっていく政策になぜ本腰を入れないのか。底ナシの株安も放置のままなのか。

 野田が首相就任直後にホザいていた「被災地の復興と原発収束が最優先課題」の公約はどうしたのか。業者と役人と自治体に任せっぱなしで終わりなのか。放射能封じ込め、脱原発エネルギー政策は進めないのか。被災民は半殺しのままか。

 外交だって、北朝鮮との関係修復のチャンスなのに、何もしないから、中国・ロシア・韓国に揺さぶられて領土をいいように占領させている。いま首相が陣頭指揮する政治課題は山とあるのだ。

 それなのに、よりによって経済危機と財政破綻を呼び込む大増税に目の色を変えているのだからアタマは大丈夫かと思えて仕方ないのだ。経済評論家の杉村富生氏が「増税と歳出カットで財政再建を成し遂げた国は古今東西ない」と断言したが、そういう常識も耳に入らないとなると重症だ。

 野田は最近、「ネバーネバーネバー ネバーギブアップ」の「不退転の決意」で「大義あることを伝えていけば局面は変わる」なんて大げさなことを言い始めている。これはもう完全に妄想に取り付かれている証拠。精神の病、パラノイアである。

 「強固で体系化した妄想が持続するもの」「ひとつのテーマの妄想をもとにして、周囲の出来事をどんどんそれに関係づけていき、妄想が広がっていく」「妄想以外では、話はまとまっており、普通に生活をしていることが多い」・・・・・辞書などにはパラノイアの解説がこう載っている。野田の言動とピタリ一致だ。国のトップがパラノイア。これはやばい。

 <パラノイア首相を野放しにしておいたら大戦の二の舞いだ>

 「野田首相はもう正常の思考力を失っている。そう考えるしかありませんね。思考回路が、増税だけに向かっている。財務省、財界、メディア、アメリカなど自分を支える強いものに気に入られようとして、さらに突っ込んでいく。だんだん選択肢がなくなり、国民生活のことも眼中にない。これは70年前の開戦前夜の官邸と変わりありませんよ」
 筑波大名誉教授の小林弥六氏(経済学)がこう言った。

 国力・軍事力で圧倒的に勝る米英を敵に回して戦争をしても、勝ち目はない。国が滅びるのは目に見えている。だが、東条英機は戦線拡大で動く陸軍にも、開戦を叫ぶ扇動メディアや大衆にも、いい顔をしているうちに引っ込みがつかなくなって開戦へ踏み切った。それで日本は200万人以上が戦死し、焦土と化したわけだが、状況はいまも同じだというのだ。

 「はたから冷静に見れば、世界同時恐慌の中で大増税に踏み切ったら国が滅びるのは明らかなのに、どんどん自分の考えだけに凝り固まっていく。ここで増税を決めないと日本の将来はないと、勝手に成功のストーリーをつくりあげて、硬直化していく。わが身かわいさで開戦を決めた東条と野田首相は同じ思考回路。非常に危険です。国民は本気で野田降ろしを急ぎ、食い止めなければいけません」(小林弥六氏=前出)

 野田のしゃべりや人柄だけ見ていると、一見まともで体系立って財政のことを考えているように見えるが、それがパラノイアの特徴だ。ヒトラーも口は達者だった。だが、大本がイカれて狂っている。そこが問題なのだ。このままだと東条やヒトラーの破滅政権と同じ道に引きずり込まれる。政官財・報道に、世論まで一体化してしまったら、また悲劇の繰り返しだ。

<文責:藤森弘司>

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