2011年3月20日 第41回「トピックス」
菅総理大臣・即刻退陣せよ!!

●(1)菅直人さん、あなたの「幼児性」は決定的になりました。

 どういう間違いからあなたが総理大臣になったのかはわかりませんが、あなたは総理大臣をやれる人間ではありません。私(藤森)は個人攻撃をする気は毛頭ありませんが、あなたは一国の総理大臣、国民の生命と財産を守る最高責任者です。ですから敢えて申し上げます。
 あなたは一国の総理大臣を担う能力が決定的に欠如しています。

 いかに総理大臣にふさわしくない人間であるか、これから「精神分析」の理論を応用して証明します。特に「危急存亡」「未曾有の大災害」に対応するには、あなたは最もふさわしくない人間です。あなたが国民に誠意を示せる唯一のことは、即刻退陣することです。

 さて、今から4つのケースを紹介します。最初の2つ<下記の(2)と(3)>は何度も再録していることですが、今回は、本格的に証明するために、少々、わずらわしいようですが、敢えて再録します。また、(4)で<「今月の言葉」第104回「早急に『挙国一致の救国内閣』を!!」>の中の一部を再録します。

 そして、(5)以降が、今回、新たに紹介するものです。再録の分もできればジックリお読みください。

●(2)「菅総理大臣についての一考察②」の次の部分を再録します。

<<<さらには、下記(3)の「諫早湾開門 尻拭いは丸投げ」ですが、これは「精神分析」でいうところの、トイレットの「しつけ」の時期に大きなトラウマがあることがわかります。精神分析では次のように言います。

 <フロイトの発達段階理論>

①口唇期(生後1年半くらいまで)

②肛門期(生後8ヶ月~3、4歳)・・・・・「口唇期の後半と重複」「肛門や尿道の括約筋が完成し、排泄のしつけがなされる」「身体の内部から外部へ出すことに伴う快感を味わう」「排泄訓練により自分自身をコントロールすることを学ぶ」

③肛門期性格・・・・・・・几帳面、しまりや(出し惜しみ)、頑固、けちんぼ、極端な潔癖、依怙地、気がすまない、内気、恥ずかしがりや、被害的な性格。

④肛門期の防衛・・・・・反動形成(しつけをする親に対する反発や攻撃→従順、服従)

 <「交流分析専門講座」の中の「性格障害と交流分析」p74~75、講師:杉田峰康先生、主催:自己回復総研>

 この年齢のころは、「オムツの中にできる自由な排泄」から、徐々に、「トイレで排泄する訓練」が行なわれます。しかし、トイレへの移行は、親の側のいろいろな事情(多忙やストレスなど)により、なかなかうまくいかないものです。そのため、結構多くの人がここでトラウマを抱えてしまいます。
 ここで大きなトラウマを抱えると、どんな特徴が見られるか・・・・・私(藤森)の若いときがそうでしたが、周囲に「尻拭い」させます。日本語は本当に面白く、トイレのしつけの中心は「お尻」を拭くことです。つまり、「尻を拭う」ことです。ですから、自ら「尻」を拭うか、「他者に拭わせる」(尻拭いさせる)かが大きなポイントです。

 「諫早湾開門」は、菅総理大臣のライフワークみたいな感じがあります。だから、小泉元総理大臣のように、華麗な政治判断をしたのだと思います。しかし、政治判断をしながら、困難な後始末に乗り出さず、鹿野農水大臣などに丸投げはいただけません。まさに「尻拭い」をさせているわけで、1~2歳時に大きなトラウマ(「影」)があると言わざるを得ません。
 そのように考えると、菅総理大臣のいろいろが見えてくるような気がします。>>>

 第35回の「トピックス」でこのように書きましたが、本当に「菅総理大臣のいろいろ」が見えてきました。

●(3)「菅総理大臣についての一考察④」の次の部分を再録します。

<<<「菅首相は当時、社民連副代表で、衆院議運委員長の解任決議案への賛成討論を行なった。制限時間をオーバーしても注意を無視して演説を続けたため、議長命令で衛視に抱えられて降壇したが、菅氏は最後まで演壇にしがみついて抵抗した。とても、自ら退陣するようなタマじゃない」

 さらに、菅首相には心強い援軍もいる。伸子夫人だ。昨年、9月の代表選で、一時弱気になって小沢氏と手を組もうとした菅首相に対し、伸子夫人は「小沢さんに付いてはいけない」「ここは格好よく討ち死にしなさい!」とハッパをかけ、「反小沢」を貫かせた。>>>

<<<菅氏は最後まで演壇にしがみついて抵抗した。>>>

 このみっともなさはいかがでしょうか。
 当時、小さいとはいえ「社民連」の副代表です。徹底抗戦とはいえ、衛視まで出てきたのに降壇しようとせず、さらには演壇にしがみつくとは、単なるみっともなさ以外の何物でもありません。何故ならば、実質的な意味はゼロだからです。この時間稼ぎが何になるか?
 ということは、意味もなく、自分の意地を通したいということで、乳幼児が「母親にしがみつく姿」が連想されます。代表は田氏だったでしょうか、恐らく代表は「よく頑張った」などとは思わなかったでしょう。むしろ、社民連としての恥ずかしさに身の縮まる思いだったのではないかと思われます。

 それが、夫人に尻を叩かれて頑張る姿は、ますます、過干渉の口うるさいママに尻を叩かれて頑張る幼稚園生のようです。これほど醜く、そしてこれほど嫌われていたら、夫人が引導を渡してもおかしくはありませんが、夫婦揃って、みっともない真似をしています。>>>

●(4)「今月の言葉」第104回「早急に『挙国一致の救国内閣』を!!」の中の次の部分を再録します。

<<<平成23年3月13日、読売新聞「原発爆発 政府の避難指示 後手

 <範囲拡大「官邸は危機感薄い」>

 東日本巨大地震で被災した福島第一原子力発電所での事故をめぐり、政府・与党は12日、対応に追われた。1号機で起きた爆発についての詳しい説明が、発生から約5時間後になるなど対応の遅れが目立ち、与野党から危機感の薄さを指摘する声が続出している。

 「福島の原子力発電所に出かけて来る。現地の責任者と話をして状況を把握したい」
 菅首相は地震発生から一夜空けた12日早朝、首相官邸で記者団にこう述べた後、ヘリコプターで福島第一原発を訪れ、約50分間視察。自ら陣頭に立ち、安全性をアピールする狙いがあったと見られるが、東京電力幹部らが随行して逐一説明して回ったため、「肝心の放射能漏れなどの安全対策に集中すべき力がそがれた」との指摘も出ている。

 同日午後に首相官邸で行なわれた与野党党首会談の冒頭、首相は自らの現地視察について報告し、「最悪でも放射能が漏れることはない」と述べたという。
 第一原発1号機での爆発は、党首会談の最中だった。
 共産党の志位委員長は記者団に「党首会談をやっている時に重大な爆発が起こっても、政府は知らせない。責任のない姿勢だ」と批判した。与党である国民新党の下地幹事長さえ、会談後、民主党幹部の国会内の部屋に駆け込み、「首相が会談で言っていたことと違うじゃないか」と不信感を示した。

 広報のあり方でも問題を残した。
 1号機での爆発を受け、枝野氏はまず午後5時45分から記者会見したが、爆発原因や、原子炉の破損の有無については「専門家を交えて分析中だ」との説明を繰り返すだけ。首相と枝野氏が事故について詳しく説明したのは、午後8時半過ぎになってからだった。

 枝野氏は「間違った情報を早く出すことによる過ちは許されない」と述べたが、パニック防止に配慮するあまり、何が起きているのか、住民はどうすべきかなどについての専門的な情報をほとんど発信できず、対応が後手に回った印象は否めない。
 実際、避難勧告範囲は、11日は原発の周辺3キロ・メートル圏内だったが、12日は10キロ、爆発を受けて20キロと次々拡大した。政府高官は「官邸は最悪のケースを想定して動いておらず、危機感が薄い。耳当たりのいい情報ばかり発信し、住民はかえって混乱している」と酷評した。

 また、政府が、新興国など海外市場へのインフラ(社会基盤)輸出を成長戦略の柱に据え、世界有数の技術力を誇る原発建設を重視していることが影響し、「廃炉覚悟の対応にためらいがあったのではないか」との見方も一部にある。>>>

●(5)さて、これから、今回の分を書き込みます。■平成23年3月21日、日刊ゲンダイ「民主党 自民・谷垣総裁、大島副総裁に入閣要請」

 <責任うやむやになると拒否される>

 民主党の岡田幹事長は18日、大震災と原発の事故への内閣の対応能力を強化するため、閣僚数の上限を17人と定める内閣法を改正し、当面閣僚を3人増員する提案を野党側に行なった。3ポストは原発問題担当相と復興担当、被災者支援担当とみられ、野党側も増員には賛成する方向だ。

 これに関連して、菅首相が、自民党の谷垣総裁に原発問題担当相としての入閣を要請していたことが同日、明らかになった。けさ(19日)の読売新聞が報じた。谷垣氏側は「責任の所在が不明確になるだけ」としてこれを拒否した。

 また民主党幹部は、自民党の大島理森副総裁の震災対策担当相への起用を打診。こちらも菅首相の失策の責任がうやむやにされる可能性があるとして拒否した。
 国民新党の亀井静香代表の副総理格での起用や仙谷由人官房副長官の入閣が検討されている。

●(6)さて、何故、上記の(5)が「幼児性」を証明しているのでしょうか?その前に、簡単に大災害を遡ってみます。

 3月11日に今回の大地震が発生し、19時3分に「原子力緊急事態宣言」が発令されました。政府・与党の対応の遅れが批判されている中、「福島の原子力発電所に出かけて来る。現地の責任者と話をして状況を把握したい」
 菅首相はこのように述べて、12日の早朝、ヘリコプターで現地を訪れ、約50分間視察をしました。

 これが大問題になっています。何故ならば、現地では東京電力の幹部らが随行して逐一説明して回ったため、対応すべき本来の問題が疎かになってしまいました。しかも、12日の午後、与野党の党首会談の真っ最中に「最悪でも放射能が漏れることはない」と言いながら、その党首会談中に1号機が爆発しています。
 恐らく、この初動の対応の遅れは致命的だったように、私(藤森)は推測しています。

 その前に、何故、12日の早朝に「空き菅総理」が視察に出かけたのか?私(藤森)が推測する根拠を先に紹介します。

●(7)平成23年3月18日、夕刊フジ「鈴木棟一の風雲永田町」

 <「けしからん」政府の対応>

 大震災への政府の対応について「けしからん」という不満、批判が政府部内からも多く出ている。高官の1人が言った。
 「指揮官の右往左往ぶりが目に余る」

 具体的には。
 「菅首相は東工大の応用物理で『政治家でこの問題に一番詳しい』と自負があり、それで過激に動いた」
 何を指しているか。
 「まず福島原発へ行った。スリーマイル島のとき、カーター大統領が現地に行って、その世話が大変だったので、指揮官は行ってはいけない、との教訓を得た。それが生かされなかった。東電に乗り込んで『何やっている』と陣頭指揮をとった。興奮してどなり散らした。困ったことだ」

 どうあるべきか。
 「首相は、まず本人自身が冷静でなければならない。それぞれの部署の責任者がやりやすいようにすべきだ。細かいことまで口を出している。最高指導者にふさわしくない」
 枝野官房長官の記者会見は。
 「官房長官は政府の代弁者になっている。紙に書いたものを読んでいるだけで、国民の聞きたいことを一言も言っていない」

 別の大臣が「隠蔽体質」を指摘した。
 「東電は爆発が起きたことがテレビに出ているのに公表しない。政府に報告しない。報告があっても政府もすぐに公表しない」
 放射能のデータも隠蔽気味だ。
 「放射能について日本人は特別に神経質だ、という前提がある。だから必要以上に防御的になる。避難民がかえって不安になる」

 大臣経験のある民主党議員が言った。
 「計画停電の根拠が怪しい。災害のときはその復旧のため電気を止めないのが鉄則。柏崎原発の事故のとき、原発を止めたが停電はしなかった。停電の区域に被災地まで入れたり、急の決定で、医療器具を使っている人が困ったりしている。原油は160日の備蓄があり、海外からも『おかしい』との声がある」

 さきの副大臣が鋭く言った。
 「停電する必要がないのに停電した疑いが濃い。大企業の操業自粛で十分なのに、鉄道と家庭を巻き込んでいる。停電で国民をびっくりさせる。これで原発をやめさせられては困る、と大げさに警告している。こういう、きたないやり方は許せない」
 (政治評論家)

●(8)さて、上記(7)の記事は、菅総理大臣を推測する上で、いろいろ、示唆に富んでいます。

 さて、何故、12日の早朝に現地の視察をしたのか?一般に言われていることと全然違うと、私(藤森)は推測しています。私が違うと推測させるのが、上記の中の下記の部分です。

<<<「菅首相は東工大の応用物理で『政治家でこの問題に一番詳しい』と自負があり、それで過激に動いた」>>>

 私(藤森)は次のように推測します。
 多分、前の日の夜、二人だけになったときに、伸子夫人が次のようにハッパをかけたはずです。

 「あなたは天下の東工大で『応用物理』を学び、政治家でこの問題に一番詳しいのじゃあないの!!!」
 「そうだ!!ボクちゃんは一番詳しいのだー!!」
 「そうでしょう、ボクちゃん。後手後手だと言われているでしょう!!政治とカネのことでも責められているでしょう。明日の朝早くヘリコプターで視察すれば、果敢な行動に国民は拍手喝采よ!!颯爽と行ってらっしゃい!!」
 「そうだ、ボクちゃんはやるのだー!!!」

 というようなやり取りがあり、私利私欲のためのパフォーマンスだったはずです。それが追々証明されます。
 上記(3)の次の部分を再録します。

<<<さらに、菅首相には心強い援軍もいる。伸子夫人だ。昨年、9月の代表選で、一時弱気になって小沢氏と手を組もうとした菅首相に対し、伸子夫人は「小沢さんに付いてはいけない」「ここは格好よく討ち死にしなさい!」とハッパをかけ、「反小沢」を貫かせた。>>>

 いかがでしょうか。この妻にこの夫あり。大災害をテレビで見て、「幼児性」の高い菅総理大臣は大打撃を受けて、意気消沈、うろたえていたはずです。伸子夫人が、その夫に強烈な一撃を与えても不思議ではありません。
 ママに励まされれば、ボクちゃん、勇気百倍です。心の中では胸を張って、「どうだ、行動力があるだろう!!しかも、政治家で一番詳しいのだ。夕刊は一面でこのことが載るだろう!!」

 しかし、これは余りにも思慮が無さ過ぎます。巷間言われていることも含めて、これがいかにおかしいかを検証してみます。

1)最高の指揮官は、全軍の後ろに陣取って、全軍をコントロールする必要があります。自分が先頭に立ってしまったら、全軍の動きがわからず、適切な指示が出せません。何故、官房長官辺りが抱きつき、羽交い絞めにしてもストップさせなかったのか。菅直人氏も周囲も非常に情けない。

 血気に逸って総大将が前面に出るのは小さな部隊を率いる小隊長クラスの場合です。
 千年に一度の大災害を抱え、しかも、原発の被災で未曾有の大惨事になりそうなときに、女の浅はかな進言(?)を鵜呑みにする「幼児性」は救いがたいものがあります。

 だから、打つ手は後手後手になるし、全体の調和を図りながらの大胆な手も打てない。ただ怒鳴り喚くだけの最高指揮官は最低です。あなたがやる事は、「すべてはオレが責任を取るから、部署部署で全力で対応してくれ。判断できないことがあったら、オレのところに持って来い。判断できることは自分たちで判断し、結果報告だけするように。後の責任は、すべてオレが取る

 このように言えば、退陣の花道ができたでしょうに。
 こんな総理大臣は、退陣と言いたいが、引き摺り下ろすことが一番ふさわしいです。これほどの大惨事さえもパフォーマンス第一に考える国辱・国賊的な総理大臣は「市中引き回しの刑」にふさわしい人間です。

2)原発の事故は、危険性が高い現場です。もし、最高指揮官が突然の爆発で被曝した場合、その後はどうなるのですか。もちろん、あなたの身を心配しているのではありません。最高指揮官が、初動の段階で、一番危険なところに行く理由がありません。
 自分が一番詳しい???バカを言ってはいけません。何十年も前に、大学で勉強したものなど何の役にも立ちません。例えば、大学で専門に心理学を学んだだけの人間は、実際の現場では何にも役に立ちません。実際の現場、つまり実践の場では、ほとんど幼稚園レベルです。
 つまり、空き菅総理大臣は、何十年も前に大学で理論を学んだという幼稚園レベルの経験で、原発がトラブッテいるという地球上もっとも危険な現場に行くというのは・・・・・この夫婦は正気の沙汰ではありません。

●(9)さて、やっと、下記の件が「幼児性」にどのようにつながるのか、それを証明するところにきました。

<<<「民主党 自民・谷垣総裁、大島副総裁に入閣要請」>>>

<<<原発問題担当相>>>

<<<震災対策担当相への起用を打診。こちらも菅首相の失策の責任がうやむやにされる可能性があるとして拒否した。>>>

 谷垣総裁に打診したのは、副総理・原発問題担当相と書いた新聞もありました。
 さて、11日の14時26分に大地震が発生し、その翌日の早朝に菅総理大臣は視察にでかけました。現場で指揮を取る東電の幹部を随行させて、颯爽と説明させました。
 「政治家で一番原発に詳しい」と自負をしていた結果の行動でした。ところが、形勢が悪くなると、丸投げをして「副総理」とか「大臣」で釣り上げて「尻拭い」をさせようとする軽薄な態度は「度し難い」ものがあります。常に「政権延命」や「パフォーマンス」で行動する。

 これだけ悲惨な大災害が発生しても、被災者を何とかしようとするよりも、「政権延命」や「パフォーマンス」が優先している現状に、岡田幹事長や参院議長まで務めた江田五月大臣などは心が痛まないのでしょうか。お友だちの大臣たち、執行部の幹部諸氏に心がないのでしょうか。

 さて、結論です。
 「精神分析」では、「危機的状況」に直面したり、「パニック」になると、人間は一番大きなトラウマのところに「退行」するといいます。
 菅総理大臣がしばしば、「尻拭い」させたり、官僚などに「丸投げ」するのは、1歳くらいのときに大きなトラウマがあるからであることは、ほぼ百%間違いない(と私“藤森”は妄想しています)でしょう。ということは、政権を運営する上で「人格失格」です。ましてや、この未曾有の大災害に対応できる人物では全くありません。
 即刻退陣することこそ、菅総理大臣の最後の人間としての取るべき道です。大災害に遭遇して、生きるのに大変な苦労をしている被災者の方々や犠牲になった方々に対して、せめてもの償い、それが潔く退陣することです。遅くなればなるほど、被災者はさらなる地獄を味わわなければなりません。復興に苦労している首長の皆さんに大迷惑をかけることになります。

 あなたが取れる道は、一分、一秒でも早く退陣することです。延命を図れば図るほど、結末は悲惨ですよ!!あなたほど「幼児性」の高い人間が「政権を運営する資格」はゼロです。206人の菅支持派は総懺悔せよ。おっとその前に、党員資格停止を解除してからですよ。

 私が考える総理大臣は、現状では「国民新党代表・亀井静香氏」で、東日本災害復興の担当相は「小沢一郎氏」が適任だと思っています。原発問題担当相には、内閣府・原子力委員会専門委員でシンクタンク独立総合研究所「青山繁晴代表」が適任だと思います。

 その青山繁晴氏が次のように発言しています。

 (略)

 「現場の最前線で戦う東京電力や下請け会社員・労働者、そして自衛官や警察官、消防官らには深刻な被害もあり得る。菅直人首相は自らの思い込みで『撤収するな』と怒鳴ったそうだが、私心で眼が曇ったような軽挙妄動は、辞任に値する」(夕刊フジ、3月19日)

●(10)平成23年4月1日、週刊ポスト「官邸パニック症候群 全内幕」

 <新聞・テレビが報じない「原子炉の真実」>

 <「原発職員は被曝して死ね」と恫喝した菅直人「亡国の7日間」>

 福島がチェルノブイリになる――そんなデマが日本中を駆け巡った。皮肉なことに、原因は原発の仕組みも構造も国民に知らせず、根拠のない「安心論」ばかりを喧伝した政府の姿勢にある。未曽有の国難の中、なぜ菅政権は真実を隠し続けたのか。大地震発生からの1週間に「福島で起きていること」を冷静かつ丹念に調べていくと、浮かび上がってきたのは「世界的大惨事の懸念」ではなく、国「官邸のメルトダウン」だった。

 <第1幕 初動・半日で崩壊した官邸の「カイワレ作戦」

 原子力発電を巡る言論、報道は、平時でも異常さを伴う。「被爆国である日本に原子力は要らない」という政治的イデオロギーによるヒステリックな批判がある半面、その反動として、日本が原子力技術を持つことは、いずれ核兵器開発につながるから、安全保障上、好ましいという軍拡派の論壇も盛んだ。
 その結果、原発推進派の電力会社、行政、そして専門の学者までもが、過剰なまでに「原子力は安全です。軍事転用はあり得ません」と言い続け、極端な無謬(むびゅう)論、潔白主義が、逆に胡散(うさん)臭さを生んでしまうという悪循環を続けてきた。
 今回の福島第一原発の重大事故で、そうした悪しき「原子力パニック」が一気に噴出した。
 順を追って問題点を整理していくことが重要だ。

 まず、政府、原子力安全・保安院、そして電力会社の秘密主義とミスリードだ。
 菅直人・首相は地震発生翌日(3月12日)の早朝、緊急災害対策会議を欠席して陸自ヘリで福島第一原発に飛んだ。
 「総理は厚生大臣時代、O-157問題で風評被害を受けたカイワレ大根を自ら食べて安全をアピールした。その経験から、自ら原発に降り立つことで国民に安全であることを示すつもりだった」(官邸スタッフ)
 政府は地震発生の4時間後に「原子力緊急事態宣言」を出し、「念のための避難」と同原発から3キロ以内の住民に避難を指示していた。そこに首相が行くのを止めなかったのは、官邸も原子力安全・保安院も事態を楽観視していたことを物語る。管首相自身、同日15時の与野党党首会談の席上、“俺がこの目で見てきた”とばかりに胸を張って「原発は大丈夫」と説明した。

 だが、まさにその時に1号機内で水素爆発が発生し、建屋が崩壊。官邸発案の「カイワレ作戦」は、わずか半日で破綻した。
 すると、その夜の会見では菅首相はいつもの連呼型演説に転じ、「昨日、今日、そして明日、とにかくまず、人命救出」と震災対応に自衛隊5万人投入を表明した。自衛隊の派遣は当然としても、この慌てぶりを見ると、国防が手薄になるリスクなど、管首相の頭の中に微塵もなかったに違いない。この時点で管首相は判断力も情報収集力も失っていた。

 本誌は、事故が明らかになった直後から、同原発関係者、および原発設計に関わる専門家、原子力の専門家に取材し、断片的に発表される乏しい情報をもとに、この未曽有の事故の実態を探っていた。
 地震が襲った時、福島第一原発の6基の原子炉のうち、点検中だった4~6号機はそのまま停止状態を保ち、稼働中だった1~3号機は、計画通りに自動的に制御棒が炉心に挿入され、運転が停止された。
 「想定を超える揺れだったが、他の原発も含め、全て確実に運転停止ができている点は評価されてよい」(原発技術者)
 本来はその後、、1~3号機の各炉心に、それぞれ独立した経路で冷却水がポンプで送り込まれ、その循環によって少しずつ炉心が冷やされて、最終的に安定した状態に至るはずだった。

 ところが、そのポンプが1つも動かなかったのである。原因は炉心停止直後に襲った津波だった。
 「津波が想定されていないわけではない。ただし、まさかすべての電力が止まるとは考えていなかった。さらに、システムが外国製で、日本では得にくい高電圧でなければ動かなかったことが致命的となった。電源車を送ってもダメだった理由はそれだ。結果論になるが、バックアップ用の給電システムにも原子炉並みの防護をしていれば、津波が来てもポンプは動かせた」(福島原発関係者)
現に、原子炉は地震にも津波にもビクともしなかったのだから、その技術はあった。悔やまれる点だ。
 「その後、一時的に給水が再開したのはバッテリーを使ったからだ。これは最後の“救命装置”で、この時点で制御不能になることは見えていた。なぜなら、バッテリーは7時間しかもたないからだ」(前出の技術者)
 この時点で、本誌が取材した複数の専門家が、「もう通常の手順に戻すことは無理だ。どんな方法を使ってもいいから、水と冷却剤(ホウ酸)を入れて炉心溶融を防ぐことに集中すべきだ」と指摘した。

 <信用できない会見がデマを誘発>

 枝野幸男・官房長官は、終始この問題でスポークスマンを務め、落ち着いた受け答えを評価する声もあった。ただし、不正確な情報で誤魔化しながら「とにかく安全です」と印象づけることに主眼を置いていたことは否定し得ない。
 例えば、最初に問題が起きた1号機では、「(燃料を冷却するための水の)水位は保たれている」と述べ、その建屋が水素爆発した際には、5時間も経ってなお「何が爆発したのかわからない」ととぼけた。さらにマニュアルにもない海水注入という非常事態に陥っても「コントロールできている」と安全宣言を繰り返した。
 3号機についても「水素が漏れている可能性があるが、ベント(排気)しているから(大丈夫)」と説明したが、その翌日に建屋が吹き飛んだ。

 過去に例のない重大事故なのだから、わからないならば「わからない」、危険があるならば「危険な事態だ」、想定外の展開になったのならば「初めての試みなので、どうなるか正確には予測できない」と、正直にいえばいいのだ。
 インターネット、特にフェイスブックやツイッターなどで、専門知識を持つ人たちが一般ユーザー向けにリアルタイムで情報提供、見解表明をしているなかで、政府だけが「安全」「大丈夫」「想定内」といっても、国民を安心させる効果すらないことを知るべきだった。反対に、「政府は嘘をついている」という印象が刻々と増大してしまった。こういう大災害のなかで、当局発表の信頼性が失われてしまうことは、間違ったデマにまで信憑性を与える。
 現に、西岡武夫・参院議長は「炉心融解すれば原爆が落ちたのと同じ状態になる」という、とんでもないデマを堂々と会見で述べた。一部の新聞も、核爆発が起きるおそれがあると煽り、「原子力に詳しいフランスの大使に国外退去命令が出た」などという話が、いわゆるアッパークラスに「極秘情報」として伝達された。
 枝野長官が、爆発を「爆発的事象」などと、役人根性丸出しのごまかし言葉で語るから、このようなことが起きた。会見で枝野氏は、「デマが多い。きちんとした情報だけ報道してくれ」と怒ってみせたが、自ら省みるべき事象 も多かった。

 危機管理の専門家である「リスクヘッジ」の田中辰巳・代表は、今回のような重大な危機に際しては、「感知」(危機を感じ取り、事態を掌握する)、「解析」(事態を認識し、展開を予測する)、「解毒」(誠実・正確な情報公開で不安を取り除く)、「再生」(修復と出口戦略)の4つが肝要だと分析したうえで、枝野氏の言動をこう評した。「一番はじめの感知でつまずいてしまった。正確な理解ができていないのに不用意な発言を繰り返したことで、国民の不安を煽ったと言うべきです」

 <第2幕 混乱・説明されなかった「最後の砦」

 本誌が枝野氏の発表が嘘で、必要な情報を隠していると断じることができるのは、専門家たちが、「こういうことが起きているのではないか」「これから数時間後にこうなるだろう」と予測したことの多くが的中し、しかもそれらは枝野氏や東電が会見で明らかにした事実を前提としないで 導いた結論だったからである。「電源が切れれば2号機、3号機も同じことになる。4~6号機も水を送れなければまずい。6つ一緒にコントロール不能になれば、重大事故につながる」
 1号機の問題発覚直後、前出の原発技術者は、そう懸念していた。政府が何も発表しない段階で、専門家には次なる危機が見えていたのである。
 その頃、1号機の建屋爆発が起きた。ある原子力専門家は、本誌取材に「水素爆発だ。被覆管のジルコニウムが溶けた証拠だ」と唸った。
 そして、専門家の予測した通り、2号機、3号機も全く同じ経過を辿った。

 3月15日朝に、事態はさらに暗転する。2号機の炉心が空焚き状態となり、「圧力抑制室」が異音とともに破損、一時的に大気圧(たいきあつ)と同じ「1気圧」になったのである。これは外気と遮断された空間に穴が開いたことを意味していた。
 30ページの図を見ていただきたい(割愛させていただきます)。
 圧力抑制室は、圧力容器(内径約5・6メートル、高さ約22メートル)を囲む頑丈な格納容器(内径11~20メートル、高さ約33メートル)の下部にある。格納容器内の圧力が高まった場合、この抑制室蒸気を逃がして冷却、水にすることで圧力を調整する役目を持つ。非常時には炉心冷却用水源にもなる。
 危険なのは、格納容器のプールの水が抜けてしまうことだった。そのプールこそ、炉心溶融という事態でも被害を最小限に抑える「最後の砦」だからだ。

 「日本の原子炉は、仮に圧力容器(炉心)が熔けるようなスリーマイル級の事故に至っても、高温の燃料ペレットなどの放射性物質は、核反応を止める“ポイズン(毒)”と呼ばれる冷却材(ホウ酸など)を溶かした3000トン級の水をたたえた頑強な格納容器に落ち、核分裂は止まって、水中で冷やされて収束する可能性が高い。高温の燃料が水に落ちるとき、水蒸気爆発を起こす可能性があるが、格納容器は十分耐える強度を持つ。その過程で仮に核燃料が臨界(連鎖的反応のこと=31ページ囲み記事参照・割愛させていただきます)に至っても、格納容器はもつと考えられる。それで済めば、周辺への影響はほとんどない」(前出の原発技術者)

 これは、圧力抑制室の事故が起きる前に得ていたコメントだが、格納容器の水が抜ければそのシナリオが崩れる可能性がある。
 ただし、格納容器の堅牢性は並大抵ではない。福島第一原発の1号機から3号機までの圧力容器と、問題が起きた2号機の格納容器を製造したのは、IHI(旧・石川島播磨重工業)である。事故のさなかという難しいタイミングながら、本誌取材にこう説明した。「圧力容器は鋼鉄の鍛造材で厚さは約16センチ。2号機の格納容器は3層構造で、一番内側に鍛造材で厚さ3センチの内壁があり、その外側の外壁が鉄筋コンクリート製で厚さ200センチあります。その外に遮断外壁があり、これも鉄筋コンクリート製で厚さ100センチです。どれくらいの熱や圧に耐えられるかは、申し訳ありませんが、弊社が答えられる範囲を超えます」

 これだけの情報でも、2号機の危険度を判定する材料としては重要だ。原発技術者の中には、2号機で起きた圧力抑制室の損傷原因が、「炉心溶融による水蒸気爆発が原因ではないか」との見方もある。だとすれば、すでに2号機は「最後の砦」で反応が止まって最悪の事態(放射性物質の拡散)を避けられたことになり、格納容器の防御機能も証明されたといえる。
 しかし、そうした防御能力について、枝野氏も保安院も東電も、一向に説明しようとしなかった。メルトダウンを前提とした「最後の砦シナリオ」は国民に不安を与える「悪」だと見ていた可能性がある。

 <「初めてだから」と逃げた蓮舫>

 その間に菅政権は混乱の度合いを深めていく。12日の夜、原発より先に暴発したのは、菅首相だった。
 その日、経済産業省原子力安全・保安院の中村幸一郎・審議官が、「(1号機の)炉心の中の燃料が溶けているとみてよい」と記者会見で明らかにした。本誌取材と合致する見解だった。ところが、菅首相は審議官の“更迭”を命じた。
 「菅首相と枝野官房長官は、中村審議官が国民に不安を与えたと問題視し、もう会見させるなといってきた」(経産省幹部)

 さらに状況が悪化すると、菅政権は人事で目くらましを図った。13日になって蓮舫・行政刷新相に「節電啓発担当大臣」を兼務させ、辻元清美・代議士を災害ボランティア担当の首相補佐官に任命した。しかし、その前日に枝野長官は災害ボランティアについて、「二次災害や交通混雑で救援に遅れが生じる」として「今は不要」と表明している。おまけに仙谷由人・民主党代表代行を官房副長官として官邸に呼び戻すなど、行き当たりばったりは明らかだ。
 にわか節電大臣の蓮舫氏は、東電の計画停電で大混乱を招くと、「初めてのことなので」と、阪神・淡路大震災の時の村山首相と同じセリフを吐いた。自分自身がパニックに陥り、“啓発力”を指揮することは一度もなかった。

 こんなこともあった。東電に計画停電の説明を要求した仙谷氏は、「ご不明な点はカスタマー・センターまで」とFAXで回答が来ると、「俺を誰だと思っているんだ」と激怒。岡田克也・幹事長は、この危機を予算通過、当一地方選の延期、さらにはマニュフェスト撤回に利用しようとした。
 自民党も大差ない。ツイッターやブログで震災情報を発信し続けていた河野太郎・代議士は14日午前、議員会館地下のコンビニで、カゴ一杯のミネラルウォーターを買いこんでいた。当人は、「宿舎になかったから。小さなペットボトルで、たぶん 6本だけだ」と弁明したが、政府が国民に物品の買い占めをしないように呼びかけている中、「自分だけは」という考え方は、さもしい。

 <第3幕 官邸メルトダウン・決死隊指示は総理大臣の「責任逃れ」

 ついに炉心より先に官邸がメルとダウンした。
 圧力抑制室の事故が起きた15日の早朝、菅首相は東京電力本店に乗り込み、3時間以上にわたって幹部たちにまくし立てた。
 「テレビで爆発が放映されているのに、官邸には連絡がなかった。一体、どうなっているんだ」
 「撤退などありえない。覚悟を決めてください」
 「撤退した時には、東電は100%潰れます
 総理大臣として決してやってはならない恫喝だ。

 確かに、原発事故をめぐる東京電力の対応に反省すべき点は多い。しかし、彼らはあくまで民間人である。総理大臣が「危機はお前のせいだ。死んでもいいから何とかしろ。もし逃げたらお前の会社は消える」と目を血走らせて語る様は、原子炉の危機以上に、この国の「最終局面」を感じさせるに十分な光景ではないか。
 百歩譲って、自衛隊に「撤退などありえない」と命じたのであれば話は違う。軍人は国家の危機に命を投げ出して戦うことを責務とし、最高司令官である総理大臣の命令であれば、たとえそれが誤った判断でも従う義務を負うからだ。しかし、民間人は根本的に違う。

 さらに海江田万里・経産相は同じ日、東電に対して火災を起こした福島第一原発4号機に「注水を可及的速やかに行うよう」という原子炉等規制法にもとづいく大臣命令を出した。高い放射線に汚染された4号機に突入せよというものだ。
 細川律夫・厚労相は、官邸の指示で労働安全衛生法の電離放射線障害防止規則を改正(大臣決裁)し、作業員に許容される被曝線量の上限を「100ミリシーベルト」から「250ミリシーベルト」に引き上げた。つまり、現地の作業員を、従来基準の2.5倍の放射線を浴びるまで働かせるという決定である。「覚悟を決めろ」という菅首相の言葉が実践された。

 当初、東京電力は注水作業にかかわる50人ほどを放射線だらけの福島第一原発に残していたが、総理の恫喝の後、社員や協力会社の作業員が現地に戻り、合わせて約180人が「決死隊」となった。
その一方で、菅首相は東電と同時に自衛隊にも16日にヘリによる注水活動を命じながら、そちらは「放射線濃度が高すぎる」という理由で撤収させた。
 自衛隊の判断に誤りはない。自衛隊員だから死んでもいいとは到底いえない。しかし、前述のように自衛官は総理の命令に従う義務を負う。裏を返せば、この活動で犠牲者が出れば、最高司令官である首相が責任を負うことになる。その点、東電の原発職員が総理の恫喝でどれだけ被曝しようと、それは法的には民間企業の労働管理の問題になる。菅首相が自衛隊を撤収させ、民間人に死ねと命じたことには、そうした責任逃れの動機がなかったといい切れるだろうか。北沢俊美・防衛相は、自衛隊のヘリ出動さえ「現場の判断だった」と逃げたのである。

 <「オバマへの謝罪電話」情報>

 菅首相はなぜ、常軌を逸した行動に走ったのか。アメリカの民主党ブレーンの驚くべき証言を得た。
 「菅総理はオバマ大統領に追い詰められて焦っていた。今回の事故に一番、腹を立てたのが来年の大統領選で再選を目指すオバマだ。クリーン・エネルギー推進を掲げて原発を多数設置する計画を目玉政策にした矢先の事故で、原発への危機感が世界的に高まってしまった。最悪のタイミングだ。
オバマはすぐに腹心のデーリー首席補佐官を“菅の見張り役”に任命し、初期からオペレーションに口出しした。これは未確認情報だが、菅はオバマに電話をかけ、不手際を謝罪したそうだ。
 他国の事故対応で危険を冒して活躍している米軍には賛辞が送られるべきだが、そこには米政府の事情も複雑に絡んでいたわけである。

 菅首相は、15日中には「米軍機による冷却材散布」「そのための山形空港の供用」をすばやく決めた。もし、菅氏が怒れるオバマに恐れをなし、国民の安全より何より、まず「アメリカのいう通りに」と考えて東電職員を盾にしようとしたとすれば、「外国人献金」どころではない国家反逆行為だ。
 そのドタバタの中でまたも緊急事態が生じる。

 4号機は点検中で震災時には稼動していなかったため、原子炉から抜き取られた使用済み核燃料が専用プールで保管されている。使用済みといっても、一定の崩壊熱を出しているから冷やし続けなければならない。
 ところが、この“静かな原子炉”から、思わぬ危機が持ち上がった。電源が止まったことで水の補給がなくなり、保管プールが沸騰し始めたのである。
 問題は、保管プールが頑丈な格納容器の外にあることだ。
 「使用済み核燃料は広いプールに十分な間をあけて置かれているから、臨界を起こす可能性は低い。しかし、保管プールは特別な防御がないコンクリート製だから、高温になると建屋の床まで突き抜け、土壌や地下水を広範囲に汚染する危険が出てくる」(前出の原発技術者)

 ここにも公表されない重大危機がある。東電の原子力部門の関係者としかいえないが、恐るべき4号機の秘密を明かした。
 「4号機の出力は78.4万キロワットだが、そのざっと3倍、200万キロワット分の原発から出る使用済み核燃料が保管されている。他の原発の分や、中には新しい核燃料もある。一時保管庫のように利用されていたわけです。そのため、保管プールが溶解すれば、何が起きるか予測もできなくなる」
 そうした危険性は、官邸と原子力安全・保安院にも報告されているという。
ただし、国民が忘れてはならないのは、事故の制御不能、政府の失策と、国民が重大な核被曝をすることとは必ずしも結びつかない点である。

 ここまで述べてきたように、現在の状況は深刻な危機ではあるが、今後起きる事態は絶望的なものではない。「死の灰でみんな死ぬ」などとパニックになるような絶体絶命ではないのである。仮に原発がコントロールを完全に失って職員が退避し、メルトダウンが起きたとしても、それによる環境被害は極めて限定的、という結末も十分にあり得る。
 政府は、事ここに至れば無意味な安全神話をバラ撒くのではなく、何が起きていて、どんな可能性がどれくらいあり、その場合の被害はどう想定されるのかをある程度明らかにすべきなのだ。その方が国民は安心するし、効率的なオペレーションも可能になる。
 菅首相は東電に乗り込んだ暴挙のあと、「俺は原発には非常に強いんだ」と威張ってみせたが、それが嘘で、この人の判断、存在が事故対応の役に立っていないことは明らかだ。
 国民を危機に陥れた本当の脅威は、核物質ではないのかもしれない。

<文責:藤森弘司>

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