2011年2月15日、第36回「トピックス」
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●(1)平成18年5月25日、読売新聞「編集手帳」
19世紀に米国とスペインが戦火を交えた米西戦争の間、米国海軍の死亡率は1000人につき9人の割合だった。同じ期間、ニューヨーク市における死亡率は1000人につき16人であったという。 海軍の徴募官は二つの数字をもとに、「海軍に入隊するほうが安全だ」と宣伝した・・・・・。統計学者ダレル・ハフが「統計でウソをつく法」(講談社)に引いた事例である。 <略> ●(2)平成23年2月3日、読売新聞「内閣支持率下落27%」 <小沢元代表「辞職を」56%>(本社緊急世論調査) 読売新聞社は、小沢一郎民主党元代表が政治資金規正法違反で強制起訴されたことを受けて、1~2日に緊急世論調査(電話方式)を実施した。小沢元代表はどのように対応すべきだと思うかを聞いたところ、「衆院議員を辞職する」56%が最も多く、「議員は辞職しないで離党する」20%が続き、「辞職も離党もする必要はない」は17%だった。 <略> ●(3)世論調査というものは、質問の仕方でいくらでも欲しい結果のほうに誘導することが可能です。電話調査ですと、さらにその傾向が強くなります。また、電話調査ですと、昼間、家にいる人が対象になり、ワンパターンの傾向になるそうです。 例えば、サラリーマンやキャリアウーマンなど、政治意識の高い層が対象から外れ、ワイドショーを楽しむ専業主婦的な人が多く対象になります。そういう主婦層が多く対象になることがわかっていれば、そういう層が答えを出しやすい設問にして、世論調査を誘導(?)することも可能になります。 さらには、大マスコミが洪水のような批判、あるいは、検察のリークを垂れ流せば、世論はかなり誘導されるはずです。ですから、インターネットでの世論調査と、大マスコミの世論調査とはかなり違う傾向にあります。もし、大マスコミが誠実ならば、インターネットでの世論調査も参考に掲載するべきだと思いますが、彼らは決してそのようなことはしません。 <<<(13)平成22年9月3日、日刊ゲンダイ <国民世論は反小沢という捏造> 「全国の皆さんに、どちらの候補が首相にふさわしいのか、大いに声を上げてもらいたい」・・・・・。共同会見でも、菅は“国民の声”を強調してみせた。自分の強みは世論の後押し。その世論は「反小沢」に染まっている。国民は必ずオレに味方する。そんな考えでの発言だろう。 報道各社の「どちらが首相にふさわしいか」という世論調査でも軒並み、菅が小沢に50ポイント以上の大差をつけている。ま、あれだけメディアが連日、小沢叩きを繰り返せば、こんな数字になるだろうが、ちょっと待って欲しい。インターネットの世論調査だと、情勢は一変するのである。小沢が菅を上回る数字を獲得しているのだ。 ロイター通信のネット調査では1日午後10時30分現在、「小沢6309票、菅6195票」で小沢がリード。ライブドアの調査では66.1%が小沢を支持。スポニチの公式サイトは小沢支持が8割と菅を圧倒した。読売新聞もネット調査だとガラリと結果が変わり、76%が小沢の出馬を支持している。 「ネットのユーザー層を考えれば、高齢者の意見は反映されず、私の経験上、若い男性が調査に参加する傾向が高いようです。そのため、偏った調査結果になりがちですが、それは報道各社の世論調査も同じ。対象は固定電話を持つ家庭に絞られ、調査の時間帯も夜9時が限度。ケータイしか持たない若者や残業に追われる人の声は反映されにくい。マスコミ調査が逃がした声をネットが拾っているともいえます。なのに、なぜかマスコミ調査だけが“民意”として絶対視され、政治の行方を左右するのはおかしなことです」(明大教授・井田正道=計量政治学) |
●(4)平成23年2月3日、読売新聞「衝撃 強制起訴(下)」
<「小沢切り」の目算狂う> <略> 民主党への逆風は、今春の統一地方選の前哨戦とされる6日投開票の愛知県知事選・名古屋市長選に悪影響を及ぼしかねない。選挙結果が不振なら党執行部の求心力低下は免れず、小沢元代表の処分に踏み切るには一層の労力と時間が必要になる。政権浮揚を狙って掲げた「小沢切り」が、菅政権の足かせとなる悪夢のシナリオがささやかれる。 「党のカネを握り、子分の数を増やして権力を握りたいだけだ」とは小沢元代表に関する首相の評だ。市民運動家出身の首相にとって、「最後の自民党派閥領袖型政治家」と称される小沢元代表は相いれない存在だ。首相は昨年末、「政治とカネの問題のせいで本来の政治がちっとも前に進まない」と知人に語り、年頭の記者会見では小沢元代表に「けじめ」を迫った。 ところが、小沢元代表は強制起訴後も党にとどまると表明し、首相の目算は狂った。民主党は3日に臨時役員会を開き、小沢元代表の処分の検討に入るが、党内には「親小沢、非小沢の戦いはたくさんだ」と厭戦気分が漂う。 <略> ●(5)菅首相のこの発言・・・・・「党のカネを握り、子分の数を増やして権力を握りたいだけだ」とは小沢元代表に関する首相の評だ・・・・・ この発言には驚きます。党のカネを握り、民主党の議員を大量に当選させたからこそ、民主党は「与党」のウマミを甘受しているし、菅直人氏自身が総理大臣になることができました。その基を築いたのは、まさに小沢一郎氏です(「甘受」という言葉がこの場合ふさわしいのかどうか、辞書を調べてみましたが、オーケーのようにも思えるし、ふさわしくないようにも思えます。「堪能」もふさわしいような、ふさわしくないような?作家のように思う通りに表現できると楽なのですが)。 名古屋市長選・河村たかし氏・662251票(トリプルスコア) 選挙で惨敗につぐ惨敗。彼らのやり方では絶対に政権交代はなかった。 永田洋子死刑囚の病死に関して、読売新聞の編集手帳は、下記のように書いています(平成23年2月8日)。 問い・・・以下の行動に共通する言葉を一語で述べよ。 答えは「死」である。連合赤軍が群馬・榛名山の山岳アジトで犯した大量のリンチ殺人ほど、いまもって訳のわからないものはない。もう39年前の冬になる。 愚にもつかない理由で“総括”と称してつるし上げ、寄ってたかって凄惨な暴行を加え、12人の仲間を殺す。ただでさえ少ない同志の半数を殺して何の革命か、正気の沙汰ではない。 |
●(6)平成23年1月10日、10チャンネル「ビートたけしのTVタックル」
<番組中、コラムニスト、勝谷誠彦氏の発言> 菅さんがやっていることは、ある所までは論が通るが、そこから先は左翼のセクトの粛清、総括、リンチ・・・・・ <番組中、白鴎大学・福岡政行教授の発言> 年末から菅さんがチョット元気になったのは、、財務省のある最高幹部が「菅さんは、こんなに言いなりで、無能な総理で楽だ。その代わり『消費税だけは年頭の挨拶でしっかり言ってくれ』」それから彼は元気になったのでしょう。 <公務員制度改革・天下り根絶のテーマの中で・・・(ナレーション)大きく後退した> <番組中、政治評論家・屋山太郎氏の発言> 菅さんは財務大臣時代に完全に洗脳された。自分で問題意識がないから、あとはもうお役人の言いなりになっている。言っていることが財務省の代弁者だ。 <<<前回の(3)の次の部分を再録します。 |
●(7)平成23年2月3日、夕刊フジ「突破する政治」(安倍晋三) <民主に破壊されていく日本><略>菅直人首相は昨年の正月、小沢邸での新年会に出席している。当時、一連の事件は報じられていた。今になって「『政治とカネ』でケジメをつける」と話しているが、相手に力のある時にはすり寄り、無くなるとたたくのか。その振る舞いは、政治家としてより、人間として卑しい。 <略> 与謝野馨経済財政担当相の答弁には、一種の哀れさを感じた。その変節ぶりには、民主党からも「ヨソの大臣!」とヤジが浴びせかけられた。 <略> こうした中、北沢俊美防衛相直轄の「自衛隊情報保全隊」が、陸自OBらの講演を監視していたことが発覚した。防諜・情報収集の根幹を揺るがすだけでなく、「思想および信条の自由」を侵す疑いがある。 <略> |
●(8)平成23年2月11日、夕刊フジ「菅・パニック症候群兆候」
<略> <普天間費用凍結を検討、思考停止状態・・・鬱手前> 「自分の生き方(=政策や政治姿勢)を否定されて、不安になり、パニックに陥ったのでは。1分間に100回となると、頭の中の思考は止まっている。論理的な思考ができなくなっており、同時に心拍数も上がる。顔が赤くなっていたのが、その証拠だ。想定していないことを聞かれると、思わぬことを口走る可能性がある。『助けて』と叫んで倒れてもおかしくない。放置すると、次の段階の『鬱』に進む。早く医者に診てもらい、薬を飲むべきだ」 こんな“診断”を受けるような人物がいま、国政の頂点にいるのだ。 |
●(9)平成23年1月22日、日刊ゲンダイ「機密外交文書で発見」
<アメリカ・菅/小沢・分断工作> 菅首相がきのう(20日)、就任後初の外交方針演説を行なった。中身は案の定、自民党顔負けの「対米追従」路線だったが、そりゃそうだろう。菅内閣はアメリカにつくられた“売国政権”なのだ。機密外交公電には、米政府が鳩山政権時代から菅を“ターゲット”にしていた事実が、克明に記されていた。 <鳩山政権時代から「菅」「岡田」に接触していた> 「米国のエージェント(代理人)」・・・・・。菅首相にはそんな言葉がピッタリだ。動かぬ証拠は、駐韓米国大使館が昨年2月22日、本国あてに送信した外交公電にあった。 <日本の民主党政権と自民党は『全く異なる』という認識で一致。民主党が米韓と連携を強めることの重要性を確認した。(中略)キャンベル氏は、菅直人財務相と岡田克也外相と直接の接触を持つことが重要だと指摘し、金氏も同意した> その後に起こったことは周知の通り。鳩山は普天間問題で「米国が怒っている」の大バッシング報道を浴び、退陣に追い込まれた。小沢も洪水のような検察リーク報道の末、検察審の起訴相当議決が下る。これが「脱小沢」の流れに拍車をかけた。 「菅首相はオバマ大統領の下僕どころか、あおむけにひっくり返って腹を丸出しにして喜んでいるポチですよ。国務次官補のキャンベル氏にまで、『チョロい相手だ』とナメられているのだから情けない。岡田氏もいつの間にか日米核密約の追及をトーンダウンさせました。ハッキリしたのは、小沢問題についてダンマリを決め込んていた菅首相らが、なぜ突然、『小沢排除』の動きを異常なまでに強めていったか。“アメリカを味方につけた”という自信が、強烈に背中をプッシュしたのは間違いありません」 結果として、民主党は真っ二つに分断され、力を大きくそがれてしまった。政権維持しか頭にないスッカラ菅は、ますます米国の威光を借りようとスリ寄る。まさに連中の思惑通りの展開で、普天間、TPP、思いやり予算と、何から何まで言いなりになっている。 |
●(10)平成23年1月26日、日刊ゲンダイ「金子勝(慶大教授)の天下の逆襲」
<なぜ大マスコミはTPPの問題点を報じないのか> いまや大手メディアは「TPP(環太平洋連携協定)推進」の大合唱だ。初めにTPP参加ありきで、肝心なことは報道しない。イラク戦争開戦当時にそっくりだ。 なのに、次々とFTA(自由貿易協定)を結んでいる韓国に日本は後れをとっている、日本企業は韓国企業に海外市場で負けている。だからTPPを推進しろという。しかし、韓国は米国とのFTAも、EUとのFTAも締結したばかりでまだ発効もしていないぞ。日本企業は失われた20年の間に技術開発が遅れ、リストラされた技術者が韓国企業に雇われたこともあってキャッチアップされたのだ。 しかもFTAとTPPの違いが無視されている。FTAは1割程度の例外が認められ、米韓FTAでもコメは例外扱いだが、TPPは例外なしの関税ゼロが原則である。 米国企業が日本市場に参入していないこと自体がおかしいという、とんでもない理屈に基づいて、郵政事業の資金運用に米国企業を参加させろとか、公共事業の入札条件を下げろ、自動車の安全基準を緩和しろといった交渉項目が並ぶ。TPPは日米経済の一体化なのだ。 もちろん、農業が大打撃を受けるのは間違いない。規制を緩和し、株式会社化すればいいという意見を聞くが、日本の平均耕作面積が1・9ヘクタールなのに対して、アメリカは180ヘクタール、オーストラリアは3400ヘクタールだ。TPPに参加したら、基地・エネルギーだけでなく食料まで米国頼みになる。日本は米国の51番目の州になりたいのだろうか? ●(11)平成23年2月8日、日刊ゲンダイ「オバマの都合に合わせる必要ナシ」 <『TPP6月に結論』は米国の身勝手カレンダー> 先週4日の予算委員会でTPPについて質問された前原外相は「向こう(米国)から(日本参加を)言ってきたことは一回もない」と米国の圧力を否定していたが、米国に尻尾を振る“ポチ”の言うことなんか、とてもじゃないが信用できない。ポスト菅になれるのなら、日本より米国の国益を優先しそうな売国政治家だからだ。 菅首相が「TPP参加の是非は6月に結論」と表明したが、この「6月」こそが米国のカレンダーだと民主党の福島伸亨衆院議員(40)が言う。福島議員は経産省出身で官僚時代は規制緩和政策に関わった。 実際、米国関係者はTPP推進派の民主党議員に水面下で接触、参加を働きかけているという。「米国にとってTPPはアジア戦略の一環だから、日本を何としても参加させたい。しかし、米国が主導するTPPは、公平な競争ではなく、全て米国の基準に合わせられる協定なのです」 ●(12)平成23年2月8日、日刊ゲンダイ「TPP反対の大義(農文協編)」(農山漁村文化協会 800円)という本の紹介 <TPP参加という愚作の構図を明らかにする!> 例えば、日本農業研究所客員研究員の服部信司氏によると、日本の関税率は全品目平均で3・3%であり、実は世界で最も低いのだ。さらに、農産物関税も平均12%で、EUの20%よりも低くなっている。この状態を“鎖国に近い状態”とし、開国をあおるのはおかしな話である。 また、評論家の関曠野氏は“TPPに参加しなければ貿易立国の日本は取り残される”という風潮に異議を唱えている。世界銀行の統計では、日本経済の輸出依存度は16%。貿易がGDPに占める比率は世界170国中164番目で、日本は企業が国内市場だけで商売ができる“ガラパゴス”が可能な国であることを、まず認識すべき、と説く。 |
●(13)上記の中の、下記の二点がとても気になっています。
■平成23年1月22日、日刊ゲンダイ「機密外交文書で発見」 ■平成23年1月26日、日刊ゲンダイ「金子勝(慶大教授)の天下の逆襲」 菅首相は、当時、副総理兼財務大臣という要職にありましたが、鳩山首相が「普天間」問題で悪戦苦闘しているとき、私(藤森)の記憶では、副総理でありながら、菅氏はほとんど沈黙を保っていました(しらんぷりを決めていました)。 もう一つ、私が、前から気になっていたことがこれです。 私は国民新党の亀井静香代表が好きです。亀井氏は、小沢一郎氏と同様、顔や態度が「古い自民党的」であり、少々やんちゃっぽいために、能天気な有権者から疎んじられ、単に見栄えがいいというだけで、胡散臭い前原大臣などが次の首相候補に最も近いと言われています。しかし、亀井氏は小沢氏と同様、非常に革新的な考えを持っている政治家であると思っています。 自民党全盛時代の政調会長をやっているとき、すでに亀井氏は不要なダムの建設を中止しています。小沢氏も、記者クラブ開放を日本で最初に実行した政治家ですし、検事総長を国会で同意が必要な制度に改正しようとか、かなり先進的な改革を実行しようとしています。 後述しますが、小沢氏は無駄な農政である「土地改良事業」を縮小させていますし、「予算の組み替え」も主張しています。官僚の積み上げた予算案では、絶対に減らすことはできないから、大幅な組み換えが必要だと強調しています。だから既得権益を死守しようとする組織から猛攻撃を受けているものと思っています。 特殊な例での「強制起訴」の問題や「10億円」がどうであるか否かを大問題にしていますが、前原大臣や仙石前官房長官、あるいは菅首相の政策判断ミスによる損害はどれほどになるでしょうか?私が知る限りでも数千億円単位です。幼稚な国家運営により、数千億、数兆円単位の損害を国家に与えながら、たかだか10億円程度のことで大騒ぎをするのは、どちらかといえば「既得権益」を死守したい側だといえます。 もちろん、小沢氏がすべて「キレイ」で「善」などと言う気は毛頭ありません。言いたいことは、政治は「戦場」見たいなものです。昨日、「太平洋の奇跡」という戦争映画をみてきましたが、戦場では奇麗事は一切通じません。修羅場を生き残るために、あるいは「良い政治」を行なうためには資金がなくてどうやって戦うのですか?その恩恵を受けた連中が、まるで、親の金で大学に行きながら、親の金の稼ぎ方を批判するようなバカどもです。 もし、彼らが主張するように、自分たちがキレイで小沢氏が汚いならば、汚い金で政権を取ったのですから、キレイな連中はここで「下野」すべきではないでしょうか。旨いところだけもらって、残りを批判する汚い根性極まれりです。民主党の、特に「凌雲会」のどうしようもない連中と「検察審査会」の胡散臭さも追って掲載します。 さて、ここで私(藤森)が一番言いたいことは、<郵政事業の資金運用に米国企業を参加させろ・・・・・>です。亀井静香代表が郵政事業を守ろうとしている最も重要なことはこれではないかと推測しています。 日本財団のトップを務めた手腕と同時に、私利私欲がなく、国益を考えて行動し、顔の広い曽野先生を応援団に考えたのではないかと密かに妄想しています。 亀井氏は広島県の片田舎出身です<今月の言葉、第88回「知足観(1)」の(12)ご参照>。過疎地でも存在する郵便局網などを大切に思っていて、それらを守ろうとすると同時に、国益を考えずアメリカのポチになる政治家が多い中で、真に国益を考えて行動する国士(①一国中のすぐれた人物②一身をかえりみず、国家のことを心配して行動する人物。憂国の人物・・・電子辞書、広辞苑)で、<日本郵政の資金>を死守しようと孤軍奮闘しているように思えてなりません。 アメリカが「日本郵政」の資金を狙っていることは有名な話です。その資金で、傾き始めたアメリカの国債を買わせたいはずです。それを守るために強力な応援団として「曽野先生を味方」につけたように思えてなりませんが、皆さんはいかがお考えでしょうか? さて、「週刊ポスト」で井沢元彦氏が「逆説の日本史」を連載中ですが、今、ちょうど幕末を扱っています。その中で、「幕末にアメリカやロシアと結んだ不平等条約」のことが書かれています。その不平等条約を解消するために、明治政府がずいぶん苦労したようです。 井沢元彦氏は、昨年の7月2日号の「週刊ポスト」で緊急寄稿を出しました。「拝啓 岡田外務大臣 なぜあなたは<海外初・建設37億円の自衛隊基地>を<活動拠点>と言い換えるのですか」<トピックス、第30回「ゆうパックの遅配と民族病について」の中の(11)ご参照>と同様、平成の不平等条約を是非、指弾してほしいものです。「明治維新と戦後に続く第3の開国」という「言霊(ことだま)」にだまされないように。 |
●(14)平成23年2月11日号、週刊ポスト「天下の極論“日本リセット計画”第3弾」
<TPPだの「平成の開国」だの、たわ言をいうな!> <「インチキ農家」を潰してしまえば、日本農業は劇的に復活する> この国に「農家」はどれだけいるか。答えは、農家を「農業で生計を立てる者」と見るか、「農地を持っている者」と見るかで大きく違ってくる。 そのアイデアによほど自信があるのだろう。24日の施政方針演説では、 そう“バラ色の農村”の夢を振りまいたのです。 菅氏のデータの読み方は、むしろ逆だ。消費者米価が現在とほぼ同水準だった35年前、高度経済成長期が終わった75年には、日本の農業人口は790万人、産出額は約9・1兆円。それが10年には農業人口は261万人と3分の1に激減しているが、前述の通り産出額は8・1兆円と1兆円減にとどまっている。 神門(ごうど)善久・明治学院大学教授(農政学・経済学)がこの理由を解説する。 <TPP参加動機は「米国の圧力」> 日本のコメ生産量は、ピーク時の60年代後半には年間約1400万トンだったが、減反政策により830万トン(09年)まで減った。価格はカリフォルニア米の2~3倍、タイ米の約7倍だ。これでは国際市場で戦えない。 「兼業農家の大部分は米作主体です。週末しか農業をしない兼業農家にとって、手間のかかる野菜などの商品作物より、年1回収穫のコメの方が作りやすい。当然、米価は高い方がいい。政治家は数が多い兼業農家を優遇した方が票になるから、小規模な兼業農家の歓心を買うために、減反で生産量抑えて値段を高く維持する政策を続けてきた」 菅首相は「大規模化」というが、施政方針演説に盛り込んだ「農家の個別所得補償制度」の現実を見れば、「農業をしない農家」を生き残らせようとしていることがよくわかる。 その結果、農業の大規模化どころか、逆にこれまで主業農家に農地を貸していた兼業農家が「補償がもらえるなら自分たちの食べる分は自分たちでつくる」と農地の貸し剥がしをする。そうして農業基盤をさらに弱体化させたうえでTPPに参加しようという菅内閣の政策は、農業再生どころか、「農業絶滅策」にほかならない。 そもそも、菅氏は最初から農業のことなど何も考えていなかった節がある。 貿易関税の完全撤廃を掲げるTPPは、当初はシンガポール、ブルネイなど4カ国が参加するマイナーな協定であり、鳩山政権時代、日本政府は参加の検討さえしていなかった。しかし、昨年11月に横浜で開催されたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)でオバマ大統領がTPP推進を打ち出すと、菅首相は、唐突に「日本も参加を検討する」と口にした。経産省幹部が舞台裏を語る。 これに、自由貿易で潤う財界の勢力が加担し、菅政権はすっかり丸め込まれたというわけだ。 <「家庭菜園」への税制優遇に浴する“偽装農民”たち」> <略> <脱会者が明かした恐るべき内情> <略> <「小沢潰し」の真相はここにもあった> <いまなお農業ゼネコンを牛耳る「元大物代議士」> 日本の農業関連補助金は、政府予算(10年度)では約1兆5000億円だが、自治体や輸入農産物にかかる高い関税、コメのミニマムアクセスの費用などを含めると5兆5000億円と見られている。米国通商代表部は、「日本の補助金総額は農業算出額の59%に達し、農地1ヘクタール当たり9709ドル、EUは676ドル、米国は117ドル」(03年報告書)とレポートしている。 中でも農政の矛盾を象徴するのが土地改良事業だ。 自民党政権は、最盛期には毎年1兆円を超える予算を組んで全国で土地改良事業を推進し、農村には農業土木工事の受注をあてこんだ農業ゼネコンや零細土建業者が増加。地域ごとに「土地改良建設業協会」「土地改良測量設計技術協会」などの業界団体が組織された。そうして農業土木業界は農協と並ぶ自民党の有力な集票マシーンとなり、その頂点の「全国土地改良事業団体連合会」や都道府県団体の会長には、自民党の有力政治家が名を連ねて補助金を減らされないように睨みを利かせた。現在の全土連会長は野中広務・元自民党幹事長である。 コメ余りで減反政策が始まってからも、自民党は毎年5000億円規模の土地改良費をかけて新たな農地を整備しながら、一方で年間2000億円近い減反補助金を出して農地を減らすという税金を使ったマッチポンプを長年にわたって続けてきた。 農地を造成して放棄させ、さらに草むしりと土木工事で“再生”するというのだから、農業ゼネコンにとってこれほどうまみの大きい公共事業はない。土地改良事業は農家ではなく、農業ゼネコンにカネを落とすための仕組みなのだ。 昨年10月、野中氏が鹿野道彦・農水大臣と会談して土地改良事業費の増額を陳情すると、菅政権は小沢氏が削った分を補正予算で約700億円も積み増した。野中氏と当時の仙石由人・官房長官とは「反小沢路線」で一致しており、「予算復活は仙石ー野中ラインで決まった」(民主党幹部)と見られている。 <高い技術、広大な農地、やる気ある農民> <略> |
<文責:藤森弘司>
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