2011年10月7日 第56回「トピックス」
●(1)表題の通り、陸山会裁判が驚愕の判決を下しました。
裁判に詳しい多くの(在野の)専門家はほぼ「無罪」を予想していました。それがなんという理不尽な判決がくだされたことか。まったく素人の私(藤森)でも、裁判官が絶対に間違っていると言える事があります。 以前、私が「トピックス」「陸山会事件に思う(2)」で紹介した内容を下記に再録しますが、超ワンマン・オーナー経営者である水谷建設の水谷元会長が、たとえば「私には考えられない行動」だというやり方で、当時の川村社長が裏金5千万円もの大金を初対面の石川議員(当時の事務担当者)に渡すわけがありません。これは私(藤森)の種々の体験や人生経験、さらには専門とする「深層心理」の観点から考えても絶対にあり得ないことです。 逆の観点から考えてみると、それでは一体何故、川村元社長は、超ワンマン・オーナー経営者である水谷元会長が、「私には考えられない行動」・・・・・という行動を取ったのか?しかも運転手は、その日に川村社長を現場のホテルに「社長を送った記憶ない」と発言しています。 ■最大のキーパーソンである「超ワンマン・オーナー経営者・・・・・つまり絶対権力者である水谷元会長」と「絶対に必要な車の運転手」の2人が川村元社長と反対の発言をしています。 ■しかし・・・・・ここが肝心です・・・・・しかし、5千万円は会社から消えている。領収書も無い!!!立会人もいない!!!会ったこともない初対面の石川議員(当時は事務担当者)に渡したと主張する人間の発言を信じて「有罪」にする裁判官は「異常人格者」と断言して間違いない。 しかし、多くの元検事の弁護士連中は、いかにも不正があったと「推認!?!?」し、それをクラブ記者連中が喜んで報道する。敢えて名前を挙げないが、彼らには「正義感」というものが無いのか。 以上がどれほど間違っていることか、少々長いですが、(2)(3)(4)(5)を下記に再録しますので、じっくりとご覧ください。ワンマン・オーナー経営者が絶対に許すわけがないことです。 ◆◆◆◆◆
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●(2)どうでしょうか。どこから考えてもおかしいでしょう。私(藤森)からみると、これはもうメチャクチャという以外に表現のしようがありません。こんなバカバカしいことが正しいことだとされるとは「正気の沙汰」ではありません。
こんなメチャクチャなことを、法律の第一級の専門家が集まって、長時間も割いて、裁判所で真面目に論じ合うなんてことは、まともな人間だとは思えません。つまり「狂っている」と言わざるを得ません。日本という社会もどこか狂ってきています。 紹介すればキリがないほどおかしいことが沢山ありますが、厳選していくつか紹介したいと思います。キチンと整理して考えれば、いかにメチャクチャな裁判であるかがわかります。 ●(3)平成23年10月6日、日刊ゲンダイ「小沢元秘書裁判」 <東北ゼネコン幹部は「天の声」判決に大笑い> トンデモ裁判長が認定した小沢事務所の「天の声」と「裏金授受」。東北のゼネコン談合に小沢事務所が決定的な影響力を持っていて、だから、水谷建設は計1億円の裏金を渡した・・・というストーリーなのだが、東北のゼネコン業者も「100%あり得ない」とクビをひねる。 「判決では小沢事務所の大久保元秘書が『天の声を発した』なんて決めてかかっていましたが、大笑いです」と話すのは、東北の大手ゼネコン幹部のA氏だ。90年代から談合にも関与し、小沢事務所の実情にも詳しい。A氏はこう証言する。 「業者にパーティー券の大量購入や選挙協力などムチャなことを言ってきたのは、00年まで小沢事務所で秘書を務めた高橋嘉信氏です。東北談合のドンといわれた鹿島の幹部と太いパイプを築き、われわれも仕事欲しさにムチャな注文に渋々従った。大久保秘書は鹿島とのパイプを高橋氏になかなか譲ってもらえず、鹿島のドンからはほとんど相手にしてもらえなかった。大久保氏は迫力もないし、紳士。パーティー券の購入枚数を減らして欲しいと頼んでも、文句さえ言いませんでしたよ」 A氏は水谷建設からの裏金についても「あり得ない」と呆れていた。 妄想判決は建設業界の元談合担当者からみても、笑い話にしかならない。 (取材協力=ジャーナリスト・横田一) <藤森注・・・・・水谷建設の水谷元会長の発言と一致しませんか?> |
●(4)平成23年9月29日、日刊ゲンダイ
<「史上最低!」と言われた・陸山会裁判・登石裁判長の過去> 小沢元秘書3人に有罪を言い渡した東京地裁の登石郁朗裁判長には、司法関係者からも「この裁判長は何を考えているんだ」「検察が描いたシナリオの丸のみじゃないか」と疑問の声が噴出している。 だが、そもそも登石裁判長の判断が「おかしいんじゃないの?」と言われたのは今回が初めてではない。実は西松事件裁判で手詰まりとなった検察が強行した「訴因変更」の一件にも、登石裁判長は関わっていた。 「大久保被告の裁判で、検察側証人に証言を翻されて慌てた検察は、西松事件に陸山会の政治資金収支報告書虚偽記載をくっつけて、2本立てにする訴因変更を行いました。公判前整理手続きを終えた裁判の訴因変更は、判例では認められていない禁じ手です。そんな検察の“後出しジャンケン”を認める決定を下したのが登石裁判長でした。当然、弁護側は最高裁に特別抗告したが、これを棄却した古田佑紀裁判長は、かつて最高検次長検事だった元検察の大幹部。今回の裁判は、ハナから検察と裁判所が持ちつ持たれつ、ナアナアの関係で進められたようなものです」(司法関係者) <法廷が混乱、どよめくことも> 登石裁判長は、東京都出身。1985年に判事補となり、札幌地裁判事や司法研修所教官などを経て、06年から東京地裁判事を務めている。が、過去に手がけた裁判にも批判の声は出ていた。 「東京地検で07年、異動前の検事が強制わいせつ被害に遭った女性の告訴取り下げ書を偽造し、不起訴にした事件があった。この捏造検事の裁判で、登石裁判長は『精神的に不安定だった』などの事情を酌量し、執行猶予を付けたのです。今から思えば、一連の検察不祥事の走りで、司法の根幹を揺るがす大事件でしたが、このときも『検察に甘すぎるのでは』との指摘が出たものです」(司法ジャーナリスト) 一方、08年にお台場でフィリピン人女性が殺害された事件の裁判では、過去にも女性を殺害したことのある被告に対し、無期懲役(求刑は死刑)を言い渡した。「矯正の可能性がないとは言い切れない」という理由だが、遺体をバラバラにして洗濯機で洗い、トイレに流した殺人鬼だっただけに、法廷がどよめいた。 |
●(5)平成23年9月29日、日刊ゲンダイ「小沢秘書判決・また分かった検察と裁判、グル・一体の仕組み」 この国では裁判で1審無罪となることはメッタになく、死刑囚が何十年も経ってから冤罪だったという事例が文明の今でも続いている極めて異常な仮面先進国の野蛮な正体。「疑わしきは罰せず」という原則は放棄され「天の声」とかいう奇妙な状況証拠で有罪にされたら知恵を絞って生きている一般庶民は浮かばれない。 <検察に狙われたらお終いなのか> 「非常に危険な裁判だと思いました。たとえば“天の声”の問題です。東京地裁の裁判長は、小沢事務所が“天の声”を利用して献金を集めていたとか、岩手県や秋田県では公共工事の談合において小沢事務所が決定的な影響力を持っていたと判断しましたが、そんなことはありません。私もこの問題は徹底的に取材しました。東北の談合は小沢事務所が仕切っていたといえば構図が分かりやすいし、そういう固定観念があるのは事実ですが、真相は違い、結論は小沢事務所に出る幕はなかったというものです。それをなぜ裁判官は簡単に決めつけたのか。1億円の裏献金問題も同じです。 明確な金銭授受の証拠は最後まで出ていない。だから地検特捜部も詰め切れなかった。それなのに裁判官は、渡した側が渡したと証言しているから間違いないんだ、被告たちの供述は信用できないと一蹴です。ハッキリしないこと、明白でないことが多いのなら、“疑わしきは罰せず”が裁判の基本なのに、疑わしきことを有罪と決めつけてしまう。こんな判決が恒常的になったら、人権が守られず、裁判制度そのものがおかしくなってしまいますよ」 政治評論家の森田実氏はこう語った。その通りだろう。「疑わしきは全部有罪」という東京地裁(登石郁朗裁判長)の今回の判決は、どう考えても暗黒裁判だ。判決を聞いて検察は「満点」の評価らしいが、東京地検特捜部が決め手を得られずに立件を断念した「1億円裏献金」を、裁判所が勝手に踏み込んでデシャバってクロと断定してしまう。これじゃあ、検察そのものが不要。ムチャクチャすぎるというものだ。 <藤森注・・・・・私が何度も強調したいことですが、「1億円裏献金」は絶対にあり得ないことです。私の「体験や人生経験」から考えても絶対にあり得ないことですが、水谷元会長や東北の大手ゼネコン幹部も、政治評論家の森田実氏も、公平に見ることができる人や実情を知ることができる人は皆、おかしいと言っています。 <「憲法違反」の声も出るデシャバリ判決> 元外交官で評論家の天木直人氏はこう言った。 それに裁判官は1億円裏献金を事実と認めた。これは大変なことです。それならばなぜ贈収賄事件に切り替えてやらないのか。巨悪事件を追及しないのか。なぜ被告たちに裁判官は執行猶予をつけたのか。おかしなことだらけなのです。反小沢、親小沢といったことを超えて、国民的に疑問視しなければならない大問題判決ですよ」 検察が有罪を立証できない事件を、裁判所が代わってアレコレ類推解釈して検察調査の欠陥まで補強して有罪にしてしまう。「憲法31条、39条違反」の指摘も出ているが、それが今回の小沢秘書裁判の本質だ。空恐ろしい話である。小沢問題に関係なく、これが当たり前になったら、知恵を絞ってどうにか生きている庶民はやってられない社会になってしまう。検察に狙われたが最後、オシマイということだ。 <検察官と裁判官は身内。改革者を抹殺してきた戦前と同じ体質を維持> なぜこんなデタラメが起きたのか。要は、検察と裁判所が一体のグルであることが改めて証明されたのだ。今回は、検察の権威失墜を仲間の裁判所が救ってやったということなのである。 厚生労働省の局長だった村木厚子さんのデッチ上げ冤罪事件で大阪地検特捜部は壊滅状態。おまけに東京の小沢捜査においても、石川知祐被告などに対する強引な特捜部捜査が明るみに出て、「政治謀略」の批判の中、検察は瀬戸際だった。そこで東京地裁は、いったん検察調書をことごとく却下するという作戦に出て、いかにも公正中立に審理する形をとりながら、小沢事務所を厳しく断罪した。そうやって検察捜査にお墨付きを与え、威信を回復してやったのである。これで東京地検特捜部は危機を脱し、安泰だ。 官僚機構をよく知る前出の天木直人氏は「ここで逆の判決を出したら、検察機構の信用は失墜した。裁判官も官僚。検察を守ることがプラスか、小沢につくことがプラスか、当然計算して保身の道を選んだ」と言ったが、そういうことなのだ。 これまでの刑事裁判を振り返れば、どんな無実の人であってもデタラメ捜査で逮捕・起訴されれば、裁判所は検察捜査を丸のみ追認し、有罪にしてきた。それで死刑を宣告されながら、何十年後に冤罪になった事件が免田事件、財田川事件など数多くあるし、最近も足利事件、布川事件の冤罪が証明された。検察と裁判官の持ちつ持たれつ、ズブズブの関係が優先され、とても文明国と思えない人権無視のファッショ司法が続いてきたのだが、その野蛮な正体は根幹の部分では今になっても変わらないのである。 <藤森注・・・・・恐らく、1997年に起きた「東電OL殺害事件」で無期懲役が確定しているネパール国籍のゴビンダ・プラサド・マイナリ受刑者(44)も冤罪だと、私は推測しています> <疑問点を封じ込む大新聞もグルだ> 「検察官と裁判官は交流が多いし、司法研修所などで同じ釜の飯を食った関係で、身内意識が強い。彼らが国家体制維持のためにファミリーで団結するのは自然のこと。検察に目をつけられた小沢一郎氏が不幸であり、甘かったのです。権力の組織体と、個人である政治家が戦っても、絶対に個人が負ける。戦前から政治色の強い事件が何度も起き、決まって政治家が排除されてきた。 いくら力のある政治家であっても、権力に狙われたら潰されてしまうのです。おまけに大権力である大新聞が体制側にいる。きのうの朝刊で大新聞は1面で“天の声”と“ゼネコン裏献金”認定をデカデカ報じていました。一番疑問があり、ジャーナリズムが検証しなければいけない問題なのに、1面で強調して、読者国民に疑いを持たせないように、疑問点をコンクリートで固めてしまった。これで読者国民は小沢氏のクロを信じて疑わなくなる。それだけに、ひっくり返すのは簡単なことじゃない。非常にきつい裁判闘争になるでしょう。私は、離党して、政治と離れて裁判に専念すべきだと思いますよ」(森田実氏=前出) この国の沈滞衰退の元凶である官僚支配を少しでも崩そうと政権交代を仕掛けた小沢一郎は潰され、暗黒デタラメ判決を称賛する大マスコミと息を吹き返した特捜検察。支配層の高笑いが聞こえてくる。それに丸め込まれ、利用される野田民主党政権。「これでいいのか日本は」と、ますます絶望的な気持ちになるしかないのだ。 |
●(6)平成23年9月29日、日刊ゲンダイ「世紀の魔女狩り・小沢元秘書裁判の不当<1>」
3人の元秘書らに有罪判決が下った陸山会裁判から一夜明け、きのう(27日)、石川知裕衆院議員ら3被告は揃って、判決を不服とし、東京高裁に控訴した。小沢一郎元代表は「あんな判決はあり得ない」と周囲に強い不快感を示したというが、当然だ。前代未聞のデタラメ判決には、多くの法曹関係者がのけぞっている。 <小沢サイドも「憤る」前に「驚き」「呆れた」デタラメ杜撰判決文> 判決では、大久保氏がゼネコン業界に天の声を発し、水谷建設からは大久保、石川両氏が5000万円ずつ1億円の裏金をもらったと断じた。ここで控訴しなければ、裏金を認めたことになってしまう。これだけは認めるわけにはいかないのです」 小沢が怒ったのもここで、「検察でも認定できないものなのに、あんな判決はあり得ない」と周囲に語った。検察でも認定できない……とは、もちろん、水谷建設からの裏金のことだ。物証がなく、あるのは水谷サイドの証言と、カネを渡した日のホテルのレシートだけ。もらった側が全面否定し、検察も立件を見送ったのに判決では「一切現金を受け取っていないという大久保、石川の供述は信用できない」と“疑わしきは罰する”のである。 さて、面白いのはこの判決文に小沢サイドは憤る一方で、一種の余裕を見せていることだ。 「本当に裏金が渡ったのであれば、なぜ、執行猶予付きの判決で済むのか、聞きたいものです。それに、判決文では、水谷からの裏金があったので4億円の記載をゴマカしたという論法が展開されているが、小沢氏が4億円を用立てしたのは2004年の10月初旬で、水谷が最初の裏金を石川氏に渡したとされる10月15日の前なのです。つまり、4億円の中に水谷マネーは入りようがない。これだけで検察の論法は崩れるのです」(同) <証拠もないのに天の声や裏金授受を事実認定> 衆院議員で弁護士の辻恵氏は「判決は捏造で魔女狩り裁判のようだ」とこう言う。 「裁判所は公判請求された公訴事実について真偽を判断するのが仕事です。裏金授受については判断する必要もないのに、虚偽記載の悪質性を強調するために証拠がないまま事実認定し、断罪した。大久保被告が天の声を発していたというのも同様です。さしたる証拠もないまま大久保被告が天の声を発していたと事実認定し、だから、水谷建設も大久保被告に裏金を渡し、虚偽記載では共謀していると断じた。 検察は村木冤罪事件で違法な聴取をし、それと同じことを西松・陸山会事件でもやっていた。裁判所はそれをたしなめる立場なのに、小沢はうさんくさい、金権だという世論やメディアに流され、証拠に基づかない事実認定をした。これぞ、魔女狩り裁判で司法の危機だと思います」 こんな判決を許していたら、誰でも簡単に社会的に葬り去ることができる。 |
●(7)平成23年10月14日、週刊ポスト「これでいいのか暗黒ニッポン」
<秘書3人の「とんでもない有罪判決」に誰もが口をつぐんだ> <小沢抹殺裁判」> <裁判長は「検事の身内」> という内容で、もちろん政界にも広く伝えられていた。日本の司法が、いかに政治権力、行政権力、報道権力と癒着し、最初から出来レースで進められているかを示す“証拠”だ。 「異例の法廷」だった。検察が提出した証拠のうち、石川被告らの調書11通を「不正な取り調べが行われた」と認定して不採用にしており、一時は「無罪判決確実」とみられた。なにしろ、もともと物証のほとんどない裁判で、検察の頼りは、脅しや不正によって作り上げた調書ばかりだったのだから当然である。 この奇怪な判決文を書いた裁判長の経歴に、ヒントがあるかもしれない。 そうした声も意識したのだろう。裁判官が法務省に出向する場合、ほとんどが民事局で、刑事局は少ない。法廷で顔を合わす検事と隣の席で仕事をするのは、いかにも癒着に見える。が、登石氏はその数少ない1人だった。その“貴重な人材”が検察の威信をかけた裁判を担当し、現場の検事からは「これで勝った」と喝采が出たのは偶然なのか。 結果を見て思えば、登石氏は最初から判決を決めていたのではないか。だからこそ証拠不採用で「検察に対しても厳しい姿勢」を演出し、癒着との批判をかわそうと考えたなら筋は通る。 新聞の論調も判決直後は威勢がよかったが、その後は「野党が証人喚問を要求」「求心力に陰り」などと、ずいぶん及び腰である。 民放司法クラブ記者は声を潜めて語る。そう思うなら、「慎重に小沢批判」ではなく、「堂々と裁判所批判」をすればいいが、そんな度胸はどこにもない。 <以下、10月20日の「トピックス」に続きます> <藤森注・・・・・あまりにもデタラメすぎて、却って「裁判所と法務・検察の人事交流(判検交流)」など、「裁判所や検察庁」の改革の大きなきっかけになるのではないかとさえ思えます。その程度の良心が日本に残っていることを祈りたい。> |
<文責:藤森弘司>
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