2010年7月20日 第28回「トピックス」
検察審査会についての一考察(10) 最終回

●(1)平成22年1月30日、日刊ゲンダイ「小沢捜査を斬る!」

 <元大阪高検公安部長 三井環氏>

 高知、高松地検の次席検事や名古屋高検総務部長、大阪高検公安部長などを歴任した三井環氏(65)。約30年にわたって検事生活を送ってきた三井氏は、組織内部の「裏金」作りを告発。直後に公務員職権乱用罪などで逮捕・起訴され、刑務所に1年余り収監された。今月18日に静岡刑務所を出所した三井氏に検察の暴走について聞いた。

 <これは検察の戦争だ。戦争だから何でもやる>

 昨春の小沢秘書逮捕で、検察は「選挙に影響を及ぼす時期に強制捜査はしない」という不文律を破りました。理由は明白で、民主党政権の誕生を何としても阻止したかったのでしょう。もちろん、バックには自民党がいる。裏金問題という“弱み”を握られている検察は、自民党に逆らえないのでしょう。

 「年間6億円に上る調査活動費を裏帳簿で管理し、ゴルフや飲食、マージャンなどの遊興費や、法務省幹部の接待費に充てている」
 三井氏が01年に告発した裏金問題は検察組織を大きく揺さぶった。捜査機関が自ら違法行為に手を染めていたことが明るみになれば、検察の威信は失墜するからだ。

 しかし、三井氏は02年4月に突然、大阪地検特捜部に逮捕される。容疑は、電磁的公正証書原本不実記載、公務員職権乱用など“微罪”だった。三井氏は1、2審で「口封じの立件で公訴権の乱用」と無罪を主張したが認められず、上告も却下された。2審の大阪高裁判決では検察の裏金作りが一部認定された。

 <民主党潰しの動機は裏金問題>

 告発した当時、裏金作りの実態を京都市内のホテルで自民党幹部に細かく説明しました。しかし、事実解明も改善もされず、森山真弓法相や原田明夫検事総長はともに会見で「事実無根」とシラを切った。私はこの時、検察と自民党が手を握ったと思いました。案の定、日歯連と自民党をめぐる1億円ヤミ献金事件はウヤムヤに終わりました。
 検察はここ数年、自民党の大物政治家に手を出していない。自民党と一緒に“けもの道”に踏み込んだのです。

 しかし、民主党政権誕生で慌てることになる。民主党は取り調べの可視化法案や、検事総長人事を国会承認案件にすることに積極的です。仮に検事総長が民間人になれば、隠してきた裏金問題が明らかになってしまう。

 だから何としても民主党政権を潰したい。そんな思惑が見えます。だとすれば、検察と小沢幹事長の捜査は「戦争」です。戦争だからあらゆる策略を使う。検察は積極的にマスコミに情報をリークし、捜査を有利に進めようとするでしょう。リークは検察内の隠語で「風を吹かす」という。国民世論を味方に付け、容疑者を逮捕・起訴する頃に「大悪人」に仕立て上げるのは彼らの常套手段です。

 小沢氏は国会に対して説明責任があっても、検察に対しては全くない。黙秘を貫くべきです。いろいろ話すから検察がそれを利用し、リークを流す。そんな検察の思惑に乗って「説明責任」を騒ぐマスコミもどうかしています。
 検察の不祥事を見逃し、傲慢なやり方を批判しないマスコミが検察の暴走を助長していると思います。

●(2)平成22年2月5日、週刊ポスト「裏金問題」

 <「調査活動費」実名告発当日に・微罪で逮捕された元大阪高検公安部長が出獄激白!>

 「検察は自分の組織に害を与える人間を潰しにかかる」・・・・・8年前、検察の裏金の実態を実名告発しようとした当日に逮捕された、三井環・元大阪高検公安部長(65)が1年8ヶ月の刑期を満了し、1月18日に出獄。直後に、その心中を激白した。

 <「あれはまさに口封じだった」(三井環氏)>

 02年当時、私が告発しようとしていたのは検察による裏金づくりです。

 法務省には「調査活動費」という予算があります。内部では「調活」と呼ばれていました。検察庁の調活予算は98年度のピーク時で約6億円。それを、東京地検は年間3000万円、大阪地検で年間2000万円、という具合に割り振ります。

 名目上は情報提供者への謝礼として使われるものですが、実際には架空の提供者を作り、1件につき3万円~5万円を支払った形にして領収書を偽造し、調活予算を裏金化していたのです。
 そうして作られた裏金は、各地検では事務局長が自分の部屋の金庫に保管します。その金を使えるのは、検事総長をはじめ、各高検検事長、各地地検検事正など上層部のみでした。

 使い道で最も多いのは、法務省や最高検の幹部が巡視名目で地方に来た時の接待です。例えば、私がいた高松地検では、地検の検事正と次席検事の私、高検の検事登用し、長と次席検事の4人で幹部を接待しました。一晩で30万円ほどです。
 服役中の手記でも明かしましたが、ゴルフ代や家族旅行代など遊興費として使っている者がいました。ある検事正は毎月10万円受け取って麻雀代にしていた。年間120万円。繰り返しますが、国民の血税です。

 事務局長はそうした使い道を裏帳簿に記し、店からの請求書や領収書を添付して、毎月1回、検事正と次席検事の決済を受けます。私も高知と高松の次席検事時代の通算6年間、決裁していました。
 だから、私自身、裏金作りの“共犯者”といえ、だからこそ、その全てを知っているわけです。

 告発を決意した私は当初、匿名で雑誌の取材に応じていましたが、ついにテレビ朝日系の『ザ・スクープ』という番組で、現職のまま実名告発をすることにしたのです。
 ところがそのインタビュー当日の02年4月22日朝、私は大阪地検特捜部によって突然逮捕された。
 実は5月の連休明けに朝日新聞が一面トップで裏金問題を扱い、社会面で私のインタビューを載せる予定でした。テレビ録画は新聞記事の後に放映される予定でしたが、検察はすぐに放映されると勘違いして焦ったようです。

 逮捕後は神戸市内のマンションを購入した際、実際にはまだ住んでいないのに住民票を異動し、登録免許税軽減措置申請の書類を取得した、などというもの。銀行でローンを組む人はみんなやっていますよ。急いで逮捕するには微罪しかなかったのでしょう。再逮捕容疑となった収賄罪だって、約22万円相当の接待です。これも作り話と私は主張しますが、仮に事実でも、とても特捜部が動く案件ではないと思いませんか?

 あれはまさに口封じだった。なぜ、検察はそこまでしたのか。それは捜査機関だからでしょう。表で犯罪を取り締まり、裏で国民の税金を掠め取る犯罪をしていたとなれば、組織の存在意義させ失いかねません。だから、どんな手段を使っても潰そうとしたのではないか。
 同様のことは今回の小沢さんへの捜査でも見てとれます。民主党は検察に対して、取り調べを可視化させ、検事総長を民間から登用しようとしていますからね。
 いずれにせよ、検察はまず「自身の裏金問題」を認めて国民に謝罪し、血税を返すべき。それをしなければ、「小沢さんの裏金問題」で法の正義を振りかざす資格はないでしょう。

●(3)平成22年2月5日、週刊ポスト「日本国の正義・・・総力検証リポート」

<「石川の涙」をなぜ書ける?><かくして司法記者たちは踊る>「関係者によると・・・・・」「・・・・・だと関係者への取材でわかった」・・・・・《小沢問題》を巡り、大新聞・テレビの報道にはそんな文言が溢れ、特捜部しか知らないはずの情報が多数含まれる。これは一体何なのか。
 15日に逮捕された民主党衆院議員の石川友裕・容疑者について、次のような報道がある。
 <「これ以上は小沢先生に相談しないと話せない」(中略)聴取には涙ながらに、「親分」の承認なしに真実を口にできないかのような供述をしていたという>(1月16日付産経新聞)

 <4億円の不記載について、違法だったことを含めて、涙ながらに容疑を認める供述をしたことが関係者の話で分かりました>(1月16日TBSニュースサイト)
 はて、取り調べを受けている石川氏の「涙」をどう確認したのだろうか?
 これらの記事の情報ソースである「関係者」とは、検察幹部や現場検事そのものだろう、と語るのは元共同通信司法記者でジャーナリストの魚住昭氏だ。

 「司法記者たちは毎日、検察幹部や検事らに夜討ち朝駆けをかける。記者たちは手持ちの材料をもとにあの手この手で捜査の内容を聞き出そうとする。検事の口は重くてなかなか喋らないけれど、たまにポロリと漏らすことがある。これがいわゆる検察リークです。でも『特捜部によると』と情報源を明示すると、その後の取材に応じてもらえなくなるので、関係者によると、とボカすわけです」

 <唐突に“夜回り禁止令”が発せられる理由>

 ただし、通常は口座間の資金の移動や被疑者の供述内容など捜査の核心部分が漏らされることは滅多にないというが、今回の事件ではかなり様子が違う。
 「検事しか知りえないはずの情報が大量に、しかも詳細にリークされている。検察が世論誘導するためにマスコミを利用しているんでしょう」(魚住氏)

 石川氏の「涙」についても同じことがいえよう。
 記者たちがいいように踊らされているのは、法務省・検察の記者クラブが最も“統制”が厳しいクラブであるからだとされる。
 「表に出すべきでないと検察側が考えていることを記事にすると、その社は“出禁”を食らう」(大手紙記者)

 この出禁には3段階があるといい、「特捜部出禁、地検出禁、法務省出禁の順に“処分”が重く、出入り禁止にされる範囲が広がる。幹部の自宅を夜回りしても、『オタクは出禁だろ』と、喋ってもらえない」(同前)といい、特オチ(他社が一斉に報じているのに一社だけ遅れを取ること)が続くのだ。
 そして一定期間を経ると事務官から「出禁解除」通告がある。他にも、
 「検察側がその社に情報を流したことを隠すために、報道機関と合意の上で出禁処分を装う“ニセ出禁”まである」(別の大手紙記者)というから徹底している。

 今回、こうした“リーク報道”を問題視し、民主党は「捜査情報漏洩問題対策チーム」を立ち上げた。すると、「検察側から唐突に“夜回り禁止”の申し入れがあった。『民主党に夜回りの時の写真を撮られて追及されたら困る』と脅えている」(同前)のだという。
 こちらは“ニセ夜回り禁止”といったところか。
 もちろん、検察関係者への取材は「国民の知る権利」に応えるための取材活動であり、制約されるべきでない。「取材源の秘匿」も報道機関の重要な責務だ。

 ただしそれは、読者に有益な情報をわかりやすく伝えるため、ということが大前提にある。記者クラブという閉鎖社会に閉じこもり、ウラ取りできない検察の言い分を、無批判にタレ流すだけだとしたら、それが読者に益をもたらすとは到底思えない。

●(4)平成22年7月16日、読売新聞「陸山会事件 小沢氏 不起訴不当」

 <検察審、07年分 再聴取求める>

 小沢一郎・前民主党幹事長(68)の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件で、東京第1検察審査会は15日、同会の2007年分の政治資金収支報告書の虚偽記入を巡り、東京地検特捜部が不起訴(嫌疑不十分)とした小沢氏について「不起訴不当」とする8日付の議決を公表した。議決は、小沢氏と元秘書らの上下関係を踏まえ、虚偽記入は「秘書が独断でなしうるとは考えられない」と指摘。特捜部に対し、小沢氏の再聴取を行なうよう強く求めた。特捜部は再調査をしたうえで、改めて小沢氏の刑事処分を判断することになる。

 <略>

 ・・・・・今回の議決の対象は、07年5月に同会が4億円を小沢氏に返済した事実を同年分の報告書に記載しなかった容疑。
 議決によると、元私設秘書で同会元事務担当者・池田光智被告(32)が特捜部の調べに対し、97年分について「先生に返済した4億円は収支報告書には載せまので」と小沢氏に報告し、「そうか、分かった」と了解を得たと供述していた。

 また、三重県の中堅ゼネコン「水谷建設」の元幹部が04年10月に陸山会側に5000万円を資金提供したとする供述について「具体的で信ぴょう性が高い」と判断。資金提供の事実は、同時期に小沢氏が、土地代金に充てるため用意した4億円の原資を隠蔽する動機を裏付けるものだと指摘した。

 議決はまた、この4億円などを04年分の報告書に記載しなかったことについて元私設秘書で事務担当者だった石川知裕衆院議員(37)が「小沢先生に報告して了承を得た」と供述していたことにも言及し、「その信用性は相当高い」と述べた。

 そのうえで、特捜部による小沢氏の事情聴取について「追及不足という印象を免れない」と批判。小沢氏や石川被告の再聴取を行なうよう求め、「これらの再調査を経ない限り、不起訴を支持することは到底不可能」と結論づけた。

 04、05年分の収支報告書の虚偽記入については、特捜部が小沢氏を再度不起訴としたため、東京第5検察審査会が、第2段階の審査に入っており、起訴議決がされた場合、小沢氏は強制起訴される。
再度の議決は、秋以降になる見通しだ。<略>

●(5)一般に、上記の新聞記事を読む方は、「なるほど、もっともだ!!!」と、検察審査会や新聞記事の内容が「妥当だ」と思われるのではないでしょうか。しかし、新聞や週刊誌程度の情報ではありますが、これらの情報を丹念に読み通してみると、実に不可思議なものであることがわかります。

 多分、一般に「小沢氏」は、古い自民党を引きずっている古いタイプの政治家のように思われて、一般国民には「人気」がない政治家なのかもしれません。ですから、小沢氏を応援するかのような姿勢をとる私(藤森)が誤解されるかもわかりませんが、勇気をもってホンネを述べます。

 上記の読売新聞の中から、おかしなもの、間違いをいくつか指摘したいと思います。

①上記新聞の最後をご覧ください。<<<東京第5検察審査会が、第2段階の審査に入っており、起訴議決がされた場合、小沢氏は強制起訴される>>>と書かれています。

 五大新聞(朝日、読売、毎日、産経、日経)とテレビの「いわゆる記者クラブ会員」の報道は、必ず、「起訴議決がされた場合、小沢氏は強制起訴される」と書きます。これは確かに事実ではありますが、非常に恣意的で卑劣な報道です。

 何故でしょうか?
 この報道を繰り返し、繰り返し読む「検察審査会のメンバー」は、いつの間にか正義感が溢れてきて、「自分たちが起訴議決」して、「強制起訴すべきである」という方向に誘導されてしまうのではないでしょうか?「起訴議決」されず、「無罪放免」される選択肢がないかのような、「明らかな偏向報道」です。

 評論家の副島隆彦氏は、しばしば、五大新聞やテレビなどのメディアを「マスコミ」ではなく、「マスゴミ」と呼んでいます(「小沢革命政権で日本を救え・国家の主人は官僚ではない」副島隆彦、佐藤優著、日本文芸社)。

 「取り調べの可視化法案や検事総長人事を国会承認案件」にしようとする民主党を代表する小沢氏を、官僚側は抹殺(?)したいでしょうし、「記者クラブ制度」で特権を得ている「マスゴミ」側は、無意識の応援団になっているのではないでしょうか。

②「検察審査会」のメンバーは・・・・・
<<<虚偽記入は「秘書が独断でなしうるとは考えられない」と指摘>>>しています。こんなバカな話はありません。以前にも書きましたが、明らかに東京地検特捜部は、「小沢氏を逮捕することが目的(?)」で、かなり恣意的な捜査をしています。「恣意的」というよりも、「酷い」捜査をしている部分があります。

 つまり、大量の専門家集団が、かなり恣意的な姿勢で、「膨大な資料」を押収し、1年もかけて捜査をしました。
それでも、立件するに至らなかった事件を、まったくの素人
(どしろうと)が、わずか8回の審議で、何故、「秘書が独断でなしうるとは考えられない」と指摘できるのでしょうか?
そのように考える自由はもちろんあるでしょう。しかし、一人の有力な国会議員が、これで
「政治生命が抹殺」されるかもしれないような重大な案件に対して、薄弱な根拠で、あるいは「情緒的な判断」で、そのように結論付けることが許されるのでしょうか???仮に、仮にです。仮に、事実は「秘書が独断でなしうるとは考えられない」ことであったとしても、立件するに十分な証拠がなければ、それは犯罪としては成り立ちません。それが「法律」というもので、それが「疑わしきは無罪」です。

 さらには・・・・・
<<<「水谷建設」の元幹部が04年10月に陸山会側に5000万円を資金提供したとする供述について「具体的で信ぴょう性が高い」と判断。資金提供の事実は、同時期に小沢氏が、土地代金に充てるため用意した4億円の原資を隠蔽する動機を裏付けるものだと指摘した。>>>とあります。

 「具体的で信ぴょう性が高い」とは、一体全体、何を根拠に判断できるのでしょうか!!!何度も、何度も書きますが、大量の専門家集団が1年もかけて追い詰めるたの捜査をしたにも関わらず、立件できなかったのです。
 「能力的」にも、「時間的」にも、彼らが「資料」を読み込めるわけがありません。それなのに、何故に、このような「講釈師」みたいな「見てきたようなウソ」をつけるのでしょうか?

③さらには・・・・・
 2010年5月16日、第20回「トピックス」の中の石川知裕氏が発言した部分を再録します。

<< <「いえ、私が許せないのは水谷建設の方です。なぜ、私に5000万円を渡したというウソをついたのか。彼らは東京地検特捜部もだましたのです。なぜ、そんなことをする必要があったのか。水谷功氏の脱税を隠すためなのか。それとも誰かが絵図を描き、私や小沢幹事長を貶めようとしているのか。背後にどんな力が動いているのか。真相が判明しなければ、死んでも死に切れません」>>>

 検察審査会のメンバーの皆さんは、これを読んで、どう思いますか?

④さらには・・・・・

同じく、2010年5月16日、第20回「トピックス」の中の元福島県知事・佐藤栄佐久氏の証言です。

<<<検察の有力証拠もひっくり返った。1審で「『(前田から)いい値で買ってやってくれ』と言われ、恩を売るつもりで、その通りにした」「ダム受注の礼に高く買うと思った」と証言した水谷建設元会長の水谷功も、態度を豹変させたのだ。
「2審開始の直前、水谷元会長は脱税事件で実刑判決を受け、服役することが決まった。すると、私の弁護士に『実刑を回避するため、検察の言われるままに証言した』『土地取引は自分が儲けようとしてやった』と連絡してきたのです。
正義の検察は一度立てた“正義のストーリー”のためならどんな証拠や証言もデッチ上げます。その結果、私の事件では多くの命が犠牲となりました」>>>

<<<佐藤氏の事件については、「当時の大鶴基成特捜部長が、『これができるかどうかで自分の出世が決まる』と息巻き、乗り気でない現場を怒鳴りつけていた」と報じられたものだ。

 「特捜部長の出世と引き換えに、私の政治生命は絶たれ、弟の会社は廃業し、100人以上の社員が路頭に迷うハメになったのか。今後、私の無実が証明できても自殺した人々は戻りません。検察と一体化したマスコミも共犯です。『知事は日本にとってよろしくない、抹殺する』。弟の取り調べ中に検事が吐き捨てた言葉です。事件の犠牲となった人を思うと、その発言のあまりの軽さに驚かされます。強大な捜査権力は実に気まぐれで、特捜検事にとっての“おもちゃ”に過ぎないのです」>>>

 検察審査会のメンバーの皆さんは、これを読んで、どう思いますか?

⑤ さらには・・・・・
 同じく、2010年5月16日、第20回「トピックス」の中の元福島県知事・佐藤栄佐久氏の証言です。

<< < 「小沢事件でも大手マスコミは『検察からのリーク情報はない』と言い張っていますが、現場の検事はリークの実態を認めていますよ(笑い)」
結局、検察側は土地の時価を8億円と設定。売却価格との差額と、水谷から三東スーツへの追加融資1億円を合わせた計1億7000万円を賄賂と主張し、佐藤氏を起訴した。このシナリオは、昨年10月の
2審判決で一蹴された。>>>

 検察審査会のメンバーの皆さんは、これを読んで、どう思いますか?

●(6)元大阪高検公安部長 三井環氏の言葉ではありませんが、小沢氏は・・・・・

<<<小沢氏は国会に対して説明責任があっても、検察に対しては全くない。黙秘を貫くべきです。いろいろ話すから検察がそれを利用し、リークを流す。そんな検察の思惑に乗って「説明責任」を騒ぐマスコミもどうかしています。
 検察の不祥事を見逃し、傲慢なやり方を批判しないマスコミが検察の暴走を助長していると思います。>>>

 私(藤森)は、独断と偏見で申し上げます。

 「検察審査会メンバー」の皆さん、少なくても小沢事件では、検察やマスコミに踊らされている(?)と判断せざるを得ません。あなたがたの本来の「職務」は、検察が権力(主として自民党)に対して怠慢であったり、捜査を避けたり、あるいは、共産党のビラ配りなどのような微罪で逮捕するような行き過ぎをチェックすることであって、検察の代わりに捜査資料を読みこなし、事件の判断を行なうほど実力があるわけがありません。
 実力が無い人間が、権力を付与されたとき、往々にして、その権力は暴走するものです。「正義」という名のもとで!!!「正義」ほど胡散臭いものはありません。

●(7)私(藤森)が尊敬する曽野綾子先生は、「三秒の感謝」という著書(海竜社刊)の中で、次のようにおっしゃっています。

<<<いや、それより、どこの国でも、どの社会でも、生きることは生易しくはない。という言葉の方が誰にとっても実感があるのであろう。そして私はむしろいつのまにか、「これ見よがしに振り回される正義は腐臭する」と感じるようになってしまっていたのである。>>>

 少なくても、小沢事件に関しては、「検察審査会メンバー」も「マスコミ」も、「これ見よがしに振り回される正義は腐臭」してきていると思います。もし、マスコミの皆さんが「正義」を振りかざしたいのであれば、週刊ポストで上杉隆氏と取材班が「官房機密費」の大調査をしていることにこそ、彼らの「正義感」を発揮すべきだと思います。

 曽野綾子先生は、「三秒の感謝」で次のようにも書いています。

<<< 「星の国の賄賂」

個人はどれほどに堕落しても、国家や公的なものは、一応の公正を失わないものだ、という甘い信念は、若い頃の私にもあったのだから、多くの日本人にあっても当然だと思う。それは日本の総理だった人を巻き込んだロッキード事件の時の反応にもよく現れている。

 ロッキード事件がよいことだというわけでは決してないけれど、たかだか数億円のお金が誰かの(それも恐らく複数の人の)懐に入ったかもしれないという事件である。しかも、その選択の結果のロッキードという飛行機は、決して機種の機能においてでたらめなものだったわけではない。そのことに、あれほど道徳的にいきりたった国民というのは、かなり異色ではあろう。>>>

 このように書かれています。私(藤森)もまったく同感で、「水清ければ魚棲まず」とも言います。政治家のドロドロした仕事の内容を考えれば、私たち庶民が考えるような「清廉潔白」さで、立派な政治が行なわれるだろうか?
例えば、「ヤンバダム」「高速料金の無料化」「子ども手当て」などなど・・・・・・何をとっても、必ず、厳しい反対があります。高速料金を安くしたり、ゼロにしたりすれば、「フェリー業者」や「鉄道会社」が困ります。

 ヤンバダムも同様です。半分できていれば、どちらにとっても、つまり「反対派」にとっても、「賛成派」にとっても、ダメージは大きいものです。また、自分の「絶対に正しい」と思う政策を実行するには、数の力が必要になります。正しいことを言っていれば良いと思うのは「学者の世界」であって、政治の世界は「実行」が伴ってこそです。

 「子ども手当て」も、それを喜ぶ人もいれば、「保育園」や「学童保育」あるいは、「老人の施設」を充実させろ!!!と主張するグループもあります。どれを優先しても、必ず、反対派がいます。

 さらには、「原爆の被爆者」や「労災」などの認定・・・・・いろいろな物事は、それの反対者を思いやる気持ちはあっても、結果的には、反対者を切り捨てる「非情さ」が必要にになり、そういう修羅場を潜り抜ける「根性」が要求されます。

 菅総理大臣は、元市民活動家で庶民出身ですが、消費税の10%を一つの目安として、選挙前に提案しました。もし、5%アップして10%になれば、一般大衆や中小零細企業は大打撃を被ります。特に、中小零細企業は5%をアップすることができず、壊滅的な打撃を受けるであろうと言われています。
 つまり、何百、何千もの中小零細企業が倒産するかもしれない「非情な政策」です。それでも必要ならば実行せざるを得ないのが政治です。そして、それを実行するためには、選挙に勝たなければなりませんし、勝った政党の中の多数を占めなければ実行できません。

 今回、「みんなの党」が躍進し、政党助成金が大幅にアップしました。本日(7月23日)の読売新聞によると、3億円以上のアップだそうで、それで先日の選挙の借金が返済できる(江田憲司幹事長)とのことです。事ほどさようにお金がかかるわけで、どうして「奇麗事」だけで政治ができるのでしょうか?

 それを、民主党の、特に「松下政経塾」出身者のような、学校秀才的・奇麗事大好き議員たちは、修羅場をくぐって、どれほどの政治力を発揮できるのでしょうか?小沢氏と鳩山氏の「政治と金」の問題をうるさく論じてきましたが、その後の「奇麗事議員」たちが、どれほど立派な政治をやってくれているでしょうか?

 もういい加減に、この程度の問題にいつまでも関わるべきではありません。それよりも「何千億円」「何兆円」「何百兆円」という大問題に、政治家が政治生命を懸けて取り組むべきときです。
 政治家の先生方、「国家の命運」があなた方の両肩に掛かっています。政治生命を懸ける命がけの大仕事をしてください。年収が何千万円、豪華な宿舎や会館も完成しました。サラリーマン的発想では困ります。

 それとも、「幕末」のように、あるいは、「太平洋戦争」で国家が焼け野原になったように、もう一度、この日本という国は破壊されなければ再生しないのでしょうか!!!

 戦争の実戦部隊は、「学者」や「エリート」は役に立ちません。暴力大好き、大暴れ大好きな乱暴者が大活躍をします。今こそ、剛腕・小沢氏に活躍してもらう時だと、誤解を恐れずに、私(藤森)は言いたいです。そして、もし小沢氏でダメならば、もうこの国は誰がやってもダメなのかもしれません。ダラダラと国が崩れていくのを、ただ「船頭」が多く、「小田原評定」するだけで「覚悟も根性」もない青白いエリートばかりの国会議員と、それを支持する国民。
 それが今の日本です。言い訳一つせず、必要なことは汚れ役も引き受ける根性ある政治家出でよ!!!

 今日(7月25日)のテレビ番組でも、評論家やコメンテーターが言っていました。「一国の総理が会いたいと言っているのに会えないのはおかしい」と。
 しかし、「当分の間、静かにしているのが、小沢さん個人にも、民主党にも、日本国にも良い!!」と発言したことは誰も言わず、小沢氏を非難する側面ばかりを強調する。

 わずか二ヶ月前に、日本中に向かって、「静かにしていることが日本国に良い」と言っておきながら、選挙に敗北したので「会いたい」という「ブレ菅総理」こそ、非難されるべきではないのでしょうか?

 ただ「会いたい、会ってお詫びしたい」というだけでは、余りにも小沢氏に失礼極まりなく、菅総理の政治センスの無さに、国家観の無さには愕然とします。少なくても、年齢も、キャリアも、菅総理よりもはるかに優れている上に、政権政党の前・幹事長に対して言うべき言葉でしょうか?これだけ、天下に向けて無礼極まりない発言(側近の平野元議員は、人間の尊厳を傷つけたという旨の発言をしていました)をしたのにも関わらず、舌の根も乾かないうちに、「会いたい」と天下に向かって公言する菅総理の神経こそ批判されるべきものだと思います(実際には、正式に会談の要請が来ていないという説もあります)。

 そういうことを無視して、一国の総理大臣が会いたいというのに会えないことは不自然だというのは、余りにも偏見発言ではないでしょうか?小沢氏のことは何でも批判しておけばいいという「コンセンサス」ができているかのようです。

 民主党が今回、当選者の数では負けましたが、得票数では自民党に300万票以上勝っているのは、小沢氏の「二人区に二人」の擁立のお陰だというのが専門家の一致した見かたです。現役の立候補者には薄く、新人やギリギリの競り合いをしている候補者には厚く「選挙資金」を出すのは、選挙のプロには常識だそうです。
 それを、お金が来ないと現役の候補者が騒いだので、選挙の素人の枝野幹事長は小沢氏のやり方を批判して、公平に配ったのが競り負けの原因の一つだと言われています。

 今後も小沢氏「批判」の偏見について掲載する予定ですが、ここのホームページで掲載を続けるわけは、「深層心理」や「自己成長」をテーマにするこのホームページの主題である「投影」がひどい形でなされていると思うからです。

 簡単にその理由を述べてみます。ご自分のお子さんを考えてみてください。あるいは、配偶者を考えてみてください。いかに私たちは「独断と偏見」に満ち溢れて、あるいは、ある一面だけをみて、我が子や、我が夫や妻を判断しているか・・・・・私(藤森)からみると、小沢氏の立場は、「あなたの夫」や「あなたの妻」、そして「あなたの息子や娘」に相当するように思えてなりません。その辺りに少しでも気づいていただければ幸いです。

 さて、日本国の皆さん!!! 「非常事態の世」「太平の世」と錯覚していませんか???

 来年度は「約1000兆円」の累積赤字になります。1000兆円であると、利払いがわずか「1%」でも、10兆円になります。今年度の国の税収が「約40兆円程度」と言われている中の10兆円ですよ。
だんだん信用がなくなってきて、利払いが「2%」になったら、20兆円!!!さらに信用が落ちてくると「3%」になります。3%になるのも、一説によると、時間の問題だといわれています。そうすると利払いが「30兆円」です。

 今、そういう「分水嶺」直前に来ていることは、いろいろな専門家が発言しています。今までは、こういう恐ろしい話はできませんでしたが、「ギリシャ危機」や菅総理大臣の発言で、やっと具体的に触れることができるようになりました。
 政治がゴタゴタしている暇はありません。菅総理大臣や民主党のクラス会程度の国家運営にウンザリ・がっかりですが、でも、彼らにしっかりしてもらわねばなりません。

 でもなんとなく、この日本は「崩壊」しなければ「再生」しない国のように思えてきました。なんとかならないのでしょうか???

<文責:藤森弘司>

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