2010年6月30日 第27回「トピックス」
検察審査会についての一考察(9)

●(1)2010年5月31日、第24回「トピックス」「検察審査会についての一考察(6)」の中の下記の部分を採録します。

<<■先進国では日本だけ・・・・・世界各国で記者クラブ制度が残っているのは、日本以外ではガボンとジンバブエだけといわれる。韓国にも日本に似た記者クラブ制度があったが、2003年の盧武鉉政権誕生以降、記者室使用などの既得権益を奪われた。>>

 この部分、ご記憶がありますか?
 なんと「記者クラブ制度」が残っているのは、日本以外ではガボンとジンバブエだけだとのことです。
 この「ジンバブエ」とは、日本は妙な縁があるようです。妙な縁とは・・・・・・???????

 米国大統領直轄の組織である「CIA(米中央情報局)」が出している「The World Fact book」に載っている、各国公的債務のGDP(国内総生産)比率のワーストランキングによると・・・・・

 2009年予測でワースト1位は、国家破産した「ジンバブエ」で304・3%、そして何と2位に「日本」で192・1%だそうです。

 <「2014年 日本国破産」浅井隆著、第二海援隊刊より>

●(2)<「狙われた日華の金塊・・・ドル崩壊という罠」原田武夫著、小学館>

 ・・・・・・・・・・・<略>

 ・・・・・第二次世界大戦終了後より、アメリカ勢が熱心に繰り広げたのが日本国内における貴金属の捜索・接収であったことはれっきとした史実だ。
 戦時中、日本政府は国民より物資を徴用し、「本土決戦8ヵ年」を持ちこたえるだけの準備を整えつつあった。戦後、この備蓄の行方が問題となり、世耕弘一内務政務次官(当時)の発案により、経済安定本部内に「隠退蔵物資等処理委員会」が設置され、活動を開始した(1947年2月14日閣議決定)。

 こうした行政府の動きはあたかも日本勢による独自の展開のように見えるが、実際にはGHQの指示を受けてのものであったことは間違いない。事実、これでは不十分とばかりに1947年10月、GHQは東京地方検察庁に対し、「敗戦のどさくさ紛れに隠された物資の摘発を本格化させ、地下組織の黒幕と闘え」と命じ、そのための手段として「隠退蔵事件捜査部」を続く11月10日に新設したのであった。

 これが後の「東京地検特別捜査部」となる(魚住昭『GHQ資料が明かす 東京地検特捜部の秘密』・「現代」講談社1997年5月号所収参照)。そして実際、莫大な量の金(ゴールド)とダイヤモンドが日本銀行地下室に眠っていることが明らかとなったのである(『回想 世耕弘一』同刊行会第261頁)

 日本の教科書にはおよそ書かれていない事実であるが、ここまで徹底して「宝探し」に奔走したアメリカ勢なのである。在外資産についても同じく目を皿のようにして捜索したことは想像に難くはないのだ。

 ・・・・・・・・・・・<略>

 <藤森注・・・・・まさに、東京地検特捜部の存在意義は、「地下組織の黒幕と闘え」と命じられたままに、今日に至っているのかもしれません???>

(3)平成22年5月29日、日刊ゲンダイ「郵便不正事件」

 <大阪地検、前代未聞の「求刑」放棄も浮上>

 検察史上に残る冤罪事件に発展しそうだ。厚労省元局長の村木厚子被告(54)をめぐる郵便不正事件・・・・・。大阪地裁は、検察の“唯一”の証拠だった供述調書の証拠採用を却下した。これで村木被告の無罪は決定的だ。検察は「求刑」すら断念せざるを得ない最悪の状況に追い詰められた。逮捕、起訴しながら求刑できないとなれば、捜部長のクビだけでは済まない。

 <暴走検察!>

 <ついに「特捜部解体論」まで>

 「取調官の誘導があったとみられる」・・・・・。26日の大阪地裁の法廷には、捜査手法を批判する裁判長の声が響いた。
 「検事が、自分の意に沿う供述が得られるまで調書を取らなかったことや、捜査を指揮した主任検事がOKする内容でなければ調書が作られなかったことを裁判所は問題視しました。要するに最初に筋書きありきの『作られた事件』だったと認定したのです。結審前に『無罪確実』という前代未聞の展開に大阪地検には激震が走っています」(大阪地検担当記者)

 名城大教授で弁護士の郷原信郎氏はこう言う。
 「『核』となる証拠を失った検察は犯罪を立証できず、普通に考えれば論告も求刑もできなくなる。最悪の場合、求刑を放棄する可能性もあり得ます」
 大阪地裁の判断は、特捜部の捜査手法そのものを否定したのも同然だ。

 「特捜部の捜査手法は、あらかじめストーリーを作り、それに沿った“証拠”を当てはめ、容疑者をがんじがらめにする。裁判所も検察の調書を信用する傾向が強かった。その裁判所が今回、証拠採用を却下した。大阪地検の捜査手法がいかにズサンだったかということ。検察の捜査能力が著しく低下している表れです」(元大阪高検公安部長の三井環氏)

 筋書きありきで捜査を進め、関係者をギュウギュウに締め上げるやり方は、小沢事件を捜査した東京地検特捜部も同じだ。
 「大阪地裁の決定にブルっているのが、西松事件の大久保被告、小沢事件の石川知裕被告の公判を控えている東京地検特捜部です。両被告は全面否認だし、大久保被告の場合は、検察側証人の法廷証言が覆るなど、大阪のケースと展開が同じだからです。仮に西松事件、小沢事件の公判で、大阪地検と同じようにデタラメな捜査手法が明らかになれば、国民から『特捜部解体』論も噴出するでしょう」(司法ジャーナリスト)

 検察の暴走が次々に明らかになり始めている。

 <藤森注・・・・・平成22年6月23日の読売新聞によると、「共犯とされる二人の被告が、村木被告の関与を認めた捜査段階の供述調書について、横田裁判長が『取り調べに問題があった』として証拠採用せず、村木被告の無罪の公算が大きくなっている。」
このように裁判長に判断されているにも関わらず、検察側は1年6月を求刑するという非常識・・・こういうのに巻き込まれたら恐ろしい。正義も何もあったものではありません>

●(4)平成22年6月24日、日刊ゲンダイ「裁判員にダメ出しされた」

 <千葉地検捜査能力>

 <最低限の証拠もなし>

 裁判員が検察の捜査能力にダメ出しだ。覚醒剤取締法違反(営利目的輸入)などの罪に問われた会社役員の男性をめぐる裁判員裁判で、千葉地検がきのう(22日)、無罪(求刑・懲役12年、罰金600百万円)を言い渡した。裁判員裁判の無罪判決は全国初。
 千葉地検にとっては歴史に残る汚点だろう。足利事件や無罪濃厚な大阪郵便不正事件など、こんなに“冤罪”が多発する地検は本当に大丈夫なのか。

 無罪判決が出たのは、相模原市の安西喜久夫氏(59)。安西氏は昨年11月、チョコレート缶に入れた覚醒剤約1キロをバッグに隠して密輸した疑いで起訴された。裁判で争点となったのは、安西氏が缶の中身を認識していたのかという点だ。

 「検察は、安西氏が報酬を得る目的で『覚醒剤を運んだ』と主張。一方の弁護側は『渡されただけで、中身は知らなかった』と反論していました」(地元記者)
 この手の犯罪で「所持=認識」とハナから決め付けるやり方は、検察の常套手段だ。しかし今回、裁判員がそんな旧態依然の手法にノーを突き付けたのだ。

 「安西氏が間違いなく覚醒剤と認識していたという第三者の証言や、悪質な証拠隠しといった事実など客観的に判断できる最低限の証拠すら裁判で提示されなかった。大阪郵便不正事件でも明らかになったが、検察の今の手法は筋書きありきで捜査し、それに“妖しそうな状況証拠”をくっつける。今回も、安西氏の渡航歴が多いとか、バッグが二重底だったなどの点を指摘しながら“いかがわしさ”をあおったが、裁判員には全く通用しなかった」(司法ジャーナリスト)

 検察はいい加減、捜査のやり方を変える時だ。

<文責:藤森弘司>

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