2010年5月16日、第20回「トピックス」
●(1)小沢幹事長の問題は、大マスコミの報道を読む限りでは、確かに胡散臭さは感じられます。しかし、もしそうであるならば、「法」の下での平等性が確保されるべきです。小沢問題はあまりにも不平等な捜査です。そのことは、これから多くの情報をご紹介することで証明したいと思いますが、その前に、多分、多くの方は、小沢問題に偏見を持っているように思えますので、謎を解くように、できるだけ分かりやすく、順を追って、いろいろな情報をご紹介したいと思います。
その前に、今の日本は「戦時状態」です。日本が破綻するか否かという話題は、ほとんどタブー扱いされていましたが、いまや、ワイドショーなどでも、「破綻懸念」の情報がどんどん放映されています。 ●(2) 何を言いたいのかといいますと、こういう「破局」が迫っています。また、「事業仕分け」で、前政権の腐敗があぶりだされていますし、何千億円、何兆円という問題が山積しています。さらには、自民党が下野直前に、官房機密費を不正(?)に引き出しています。 そうやって、強引すぎるほどの捜査・・・・・多数の専門家集団が1年にもわたって専門に捜査したが、結果、犯罪者として立件できなかったことは非常に重いものです。ところが、「検察審査会」という、順番にくじで当たった人が担当するという「ド素人集団」が、わずか8回(!!!)の審査で、膨大な資料に目を通して、検察の判断は「不当」であると、どういう神経があればできるのでしょうか??? 本来、「検察審査会」は、検察の暴走や怠慢(つまり、捜査すべき権力者に手抜きをするなど)をチェックするために設けられたそうです。それが逆に、小沢を追い込もうとして、専門家集団が1年かけて必死に捜査したにもかかわらず、立件できなかったことを「不当」だ、つまり、検察よもっと頑張れというのですから、何かが狂ってきています。こういう社会は怖いですよ。 さて、今回は、下記の4つの記事をご紹介したいと思います。ジックリお読みください。いかにメチャクチャかがご理解いただけることと思います。 |
●(3)平成22年4月27日、日刊ゲンダイ「検察審査会は西部劇映画のリンチか」 検察の不起訴処分の当否を判断する「検察審査会」(検審)が連日、話題を集めている。昨春に改正検察審査会法が施行され、検察官が独占してきた「起訴権限」に市民感情を反映させるようになったが、そもそも事件について「法と証拠」にのっとって起訴、不起訴を判断するのは検察の仕事だ。法律に素人の一般人が起訴と判断して有罪にできるのなら、司法官庁は必要ないんじゃないのか。 <検察庁が不起訴にした犯罪を法律のシロウトの一般人が強制起訴して有罪にするなら司法官庁は初めから不要> 検審は、くじで選ばれた任期半年の市民11人が、検察官が不起訴処分とした事件を審査。不起訴が妥当なら「不起訴相当」、不適当なら「不起訴不当」か「起訴相当」と議決する。昨年5月の改正法で、「起訴相当」を受けた検察官が再び不起訴にした場合、検審が8人以上の賛成で「起訴すべき」と議決すれば、裁判所指定の弁護士が検察官に代わって起訴することができるようになった。 「日本の検察官の起訴独占主義は独特の制度です。戦後、GHQ(連合国総司令部)は、米国のように起訴権限を持つ大陪審や検事公選制の導入を求めたのですが、日本側が猛反発した経緯がある。代わりに検審が導入されたものの、改正法施行前までは議決に法的拘束力がありませんでした。近年、司法制度改革が叫ばれるようになり、裁判員制度と同様、『司法に市民の目を向けさせる』狙いもあって今の制度に変わったのです」(法務省担当記者) 「特高警察」と化した一部のカン違い検察官と、身内に甘い法務官僚の“非常識”に市民常識を反映させることは画期的だし、重要だ。しかし、ここで疑問が生じる。はたして、素人がどうやって黒白をつけるのかだ。 「検察審査会の午後」の著者で、検審に詳しい作家の佐野洋氏もこう言った。 <この国の検察はそれほど腐敗しているのか> 審査手順もマチマチだ。 事故発生からきのう(25日)で5年を迎えた兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故では、神戸第1検審が「起訴相当」の議決を下し、JR西日本の井出正敬元相談役(75)ら歴代社長3人が業務上過失致死罪で在宅起訴になった。 そもそも検察がキチンとした捜査をすればいい話である。そんなに検察は政治に弱いのか。配慮するのか。素人が検察の判断を繰り返し否定するようでは、検察への不信感は消えないのだ。 |
●(4)平成22年2月20日、日刊ゲンダイ「本紙独占、石川知裕衆院議員が初激白」
<私を貶めた水谷建設は許さない> 政治資金収支報告書虚偽記載で起訴された石川知裕衆院議員(36)が保釈後、初めて本紙の単独取材に応じた。検察の取調べはどうだったのか。形式犯なのに起訴された悔しさは?石川議員の口からは意外なセリフが飛び出した。 <このままでは死んでも死に切れない> 石川議員の話を聞いたのは議員会館の事務所だ。部屋にはベビーベッドが置いてある。子どもが生まれたばかりの女性秘書のためである。検察は乳飲み子がいる女性秘書も呼んで、長時間の聴取をした。本人は逮捕、起訴され、今後、長い裁判が待っている。まず、検察が憎くないのか。 「いえ、私が許せないのは水谷建設の方です。なぜ、私に5000万円を渡したというウソをついたのか。彼らは東京地検特捜部もだましたのです。なぜ、そんなことをする必要があったのか。水谷功氏の脱税を隠すためなのか。それとも誰かが絵図を描き、私や小沢幹事長を貶めようとしているのか。背後にどんな力が動いているのか。真相が判明しなければ、死んでも死に切れません」 石川は2月15日に逮捕された。直前にガサ入れがあり、その後もきちんと聴取に応じていた。それなのに、国会開会直前の逮捕。国会関係者も驚いた。 「自殺の恐れは」は、うかがえない。水谷の裏献金で口を割らないものだから、吐かせるために逮捕した。検察権力の横暴、不当な取り調べと言うしかないが、石川は実に人がいい。 <連日9時間に及んだ聴取の怖さ> 検事が声を荒げたことは?「小沢はもう守らんぞ」と脅されたことは? 一番、つらかったことは? 洪水のようなリーク報道に怒りはないのか。中には金の受け渡し現場を見たという第三者の証言を報じたテレビもあった。 「虚偽記載については公判で明らかにしていきますが、反省すべきところもあります。離党については北海道11支部の人々が『離党すべきではない。強制的に離党させられるのであれば、我々も集団離党する』と言ってくれた。でも、私は離党せざるを得ないと思っていました。小沢幹事長とは会っていません。接触が禁止されているわけではありませんが、会えば何かと誤解されますから・・・・・」 サバサバと吹っ切れたような表情で語る石川だったが、その胸中は察するに余りある。決して検察批判を口にしなかったのは、それだけ、検察の怖さを思い知らされたからなのだろうか。 |
●(5)平成22年1月27日、日刊ゲンダイ「“地獄”から生還できた佐藤栄佐久氏が語った福島県知事“汚職事件”(上)」
<どんな筋書きもデッチ上げる検察の手口> 手段を選ばない検察捜査で、前福島県知事の佐藤栄佐久氏(70)は政治生命を絶たれた。担当副部長として事件を手がけたのは現在、特捜トップの佐久間達哉部長だ。佐藤氏の控訴判決で、検察の主張がことごとく崩された焦りが、強引な小沢捜査を生んだともいわれる。冤罪を訴える佐藤氏は今、“暴走検察”に何を思うのか。話を聞いた。 <特捜部、土地取引、水谷建設・・・・・小沢事件とソックリ> 「小沢事務所に入る特捜検事の姿を見て、私はナチス将校の行進を連想しました。ナチスにもナチスなりの正義があった。しかし、正義の暴走ほど恐ろしいものはない。私はそのことを身をもって体験したのです」 特捜部が佐藤氏を収賄の罪で逮捕・起訴したのは、06年10月のこと。捜査の端緒は小沢事件と同様に、土地取引をめぐる疑惑だった。02年夏、実弟の経営する縫製会社「郡山三東スーツ」が旧本社用地を売却した。約8億7000万円で購入したのは水谷建設。小沢事件でも「裏ガネの証言者」として登場してくる中堅ゼネコンだ。 「当時、弟が土地を売ったなんて寝耳に水。当然、売却代金は三東スーツに入ります。私の手元には、一銭もカネが入っていなかったのです」 佐藤氏が土地の“時価”をしらされたのは、逮捕後に収監された東京拘置所の独房の中だ。 「小沢事件でも大手マスコミは『検察からのリーク情報はない』と言い張っていますが、現場の検事はリークの実態を認めていますよ(笑い)」 「時価の鑑定結果がまちまちで『証拠上不明』として『賄賂額はゼロ』とする実質無罪の判決をいただきました。現在、三東スーツの土地はショッピングセンターとして賑わっています。不動産業界では、土地開発後の収益を見越して高値で取引するケースも珍しくありません。そんなことはマスコミもちょっと調べれば分かったはずです。事件後に水谷建設は購入価格を上回る9億6000万円で土地を手放し、さらにファンドに転売された時の価格は12億円を超えました。これで収賄の罪で有罪と言われても、中身のないヘビの抜け殻のようなもの。納得しかねます」 検察の有力証拠もひっくり返った。1審で「『(前田から)いい値で買ってやってくれ』と言われ、恩を売るつもりで、その通りにした」「ダム受注の礼に高く買うと思った」と証言した水谷建設元会長の水谷功も、態度を豹変させたのだ。 |
●(6)平成22年1月28日、日刊ゲンダイ「元福島県知事が語った、検察の暴走と恐怖(下)」
<知事は日本にとってよろしくない。抹殺する> 「私の事件では、特捜部の過酷な取り調べによって、弟の会社の総務部長と私の支援者、そして東急建設の支店長2人が自殺を図りました。総務部長は一命を取り留めましたが、今も意識は戻らないまま。ベッドの上で男性の声を聞くと、検事の声を思い出すのか、険しい表情を浮かべ、顔を背けるのです。よほど取り調べがツラかったのでしょう・・・・・」 東京地検に出頭した佐藤氏の後援会の幹部たちは「栄佐久の悪口を何でもいいから言ってくれ」「15分以内に言え」「想像でいいから言え」「もう図は完成していて、変えられないんだ」と執拗に迫られたという。 「いま、『取り調べ可視化』が取り沙汰されていますが、検察の恫喝には抜け道がある。弟は拘置所に向かう車中で『中学生の娘が卒業するまで出さない』と脅されました。相手は今から取り調べを受ける検事ですよ。あまりに卑劣です」 一方で検察は有利な証言をした人物を手厚くもてなすようだ。 東大法卒、参院議員を経て知事5期。「改革派知事」として霞ヶ関と戦ってきた佐藤氏には、今の検察の動きこそ、「霞が関官僚の行動原理の縮図」と映る。 <特捜部長の出世と引き換えに私は政治生命を絶たれ、4人が自殺を図った> 佐藤氏の事件については、「当時の大鶴基成特捜部長が、『これができるかどうかで自分の出世が決まる』と息巻き、乗り気でない現場を怒鳴りつけていた」と報じられたものだ。 佐藤氏の裁判は現在上告中だが、検察の強引な筋立てと捜査が、いかに多くの悲劇を招くか。小沢事件を指揮する大鶴最高検検事と佐久間特捜部長は、肝に銘じておいた方がいい。 |
<文責:藤森弘司>
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