2010年5月12日 第19回「トピックス」
検察審査会についての一考察

 ●(1)今の日本は「平時」ではありません。「戦時状態」です。
 タイタニック号が沈むか否かという緊急事態に、「ダイヤの指輪が無い!盗まれたかどうか」と詮索しているようなどうしようもない日本の政治状況に、ただ唖然とするばかりです。いくら野党慣れしているからといって、民主党のだらしなさ、政治能力の低さ加減はどうしようもない!救いがたいレベルです。

 私は、政治的には「ノンポリ」です。どの党であってもいいですから、もっと安心できる日本にしてほしいと願っています。その私からみて、この「戦時状態」で、民主党で本当の政治力があるのは、多分、小沢幹事長、ただ一人ではないかと思っています。民主党も自民党も「平時」での政治力しかない政治屋ばかりです。今の日本の置かれた状況で何よりも重要なことはスピード感です。前原国土交通大臣が総理大臣にしたい人気度で2番とは驚きです。そういうレベルで「検察審査会」が行われているのでしょう!「検察審査会」については後述しますが、前原大臣は、民主党が野党の時代に一度、代表になりました。その頃、かなり民主党に期待が集まっていた時期でしたが、それをぶち壊したのは彼です。

 当時、「ニセメール事件」がありましたが、あの救いがたい幼稚な詐欺的事件に巻き込まれた時の代表が、前原現大臣です。ただのコピー1枚だけのもので、時の政権の幹事長だったか、国対の委員長だったかを国会で追及しました。
 直接追及したのは、自殺した別の国会議員ですが、代表が指示を出せば簡単に調べられるし、周囲からもかなり不安視されていたのに、しっかりした調査をしなかったのには、ただ驚くばかりです。これで民主党が停滞してしまいました。あの幼稚さは、前原大臣の「自我の未成熟さ」を如実に示しています。

 国土交通大臣に就任して、すぐにヤンバダムの中止を力説したが、現在はウヤムヤ状況です。さらには、日本航空の再建問題<トピックス、第5回「前原大臣と日本航空」>です。ブレまくった上に、「JALタスクフォース」なるものを立ち上げたが失敗。金融支援が当初は2500億円だったのが、結果的に7300億円に。私が尊敬する曽野綾子先生は、多分、日本航空の再建は失敗するだろうとエッセイで書いていました。
 さらには、ダム建設問題でも、元ブレーンが激怒<トピックス、第2回「前原大臣の元ブレーンが“裏切り”に激怒」>しています。

 こんな程度の政治家が「総理大臣にしたいナンバー2」になるような低次元の中で「検察審査会」が行われたはずです。確かに、マスクはいいし、若いし、頭は良さそうですが、学者の世界ではなく、政治の世界です。かけひきや行動力、潔さや政治生命を掛けたりする世界であり、半分の人間に恨まれかねない世界です。

 曽野綾子先生が<今月の言葉、第93回「脚本分析・・・オバマ大統領は大丈夫か?③」の(9)>・・・・・

 <その意味で私はこのごろ、政治家の世襲に次第に賛成と言いたい気持ちに傾いて来た。こんな恐ろしい仕事を自ら望んでやりたいと言ってくれるような人たちはなかなかいるものではないだろうから、そういう種族は大切に保存すべきだという思いである>

 とおっしゃっているように、恐ろしい世界が「政治の世界」です。
 見てくれや、スマートさ、頭が良さそうだという程度の認識、逆に言えば、この程度のレベルの政治家とは「外見や手法」が違うというだけで、小沢幹事長が引き摺り下ろされそうになることは、本来、あってはならないことですし、「戦時状態」の日本の不幸ではないかとさえ、私(藤森)は思っています。

 小沢事件で、かなりの評論家が、捜査のあり方において検察批判をしていましたが、「民意」なる「検察審査会」の結論が出てからは、検察批判が一切出なくなりました。これもまたおかしなことだと思います。何故ならば、彼らが批判していた検察の捜査を基準にしているわけですから、おかしなことはおかしなことだと批判し続けるべきだと私(藤森)は思います。

 話を元に戻します。前原大臣が民主党の代表をしていたときの国対委員長(だったと思います)だったのが、野田佳彦氏です。彼は、ボコボコになっても代表選に出たいと言っていましたが、代表選に出ませんでした。ボコボコになっても・・・・・ならば、中止にする理由が全く無いのに出ないという、その言葉に恥じない無神経さには驚きます。

 枝野大臣は、今、評判の「事業仕分け」の陣頭指揮を取っていますが、ここへきてかなり「評判」が悪いようです。評判が悪いというレベルを超え、事行仕分けに詳しい専門家たちからは酷評されています。沈没しそうな日本の再建のために、最大級の期待があったのに、この体たらく・・・・・これが反小沢幹事長の七奉行とか言われるうちの3人です。マスコミに作られた「偶像(虚像)」みたいです。

 <平成22年5月21日号、週刊ポストに下記の本の紹介があります。
 「裏切りの民主党」・・・・・現実無視のマニフェストが日本を滅ぼす・・・事業仕分けのパフォーマンスは国民の目をくらますための三文芝居だった。財源無視で見せかけだけの民主党の改革に国民よ怒れ!・・・・・若林亜紀著、文芸春秋(若林氏は、確か独立行政法人のような、今、仕分けされている会社に勤めていて、独立され、告発している方です。事業仕分けされるような組織の内部に非常に詳しい方です。その方が、このような本を書くのですから、いかに枝野大臣の仕分けがどうしようもないレベルかです)>

 こんなレベルの政治家が民主党には沢山います。政治家として驚くべきレベルです。いくら野党ボケしているからとはいえ、長年、自民党を攻めてきた政治家ではないですか。重要政策について、大臣が勝手に発言したらどうなることか分からないとは、開いた口が塞がらない!!ほとんど中学や高校の学級委員会レベルです。与党になって、今まで手に入らなかった情報が入ってくるために、戸惑うことはあるでしょうが、テンデンバラバラ、勝手に外部に向かって発言したならば、決まるものもダメになることくらいは、いくら野党ボケしていてもわかるべき最低限の教養です。

 政治をやっているというよりも、オレがオレがの単なる目立ちがり屋なだけの政治屋です。生方某も舛添某も、内部でしっかり発言せずに、マスコミに向かって、単なる人気取りかのように発言しているだけです。マスコミが喜ぶような発言を!!
 小沢幹事長が凄いと思うのは、いくら自分が批判されても、その人を批判しないのだそうです。過日、前原大臣が外遊先で余りにも鳩山総理大臣や小沢幹事長の退陣まで口にした行き過ぎた態度に批判したくらいだそうです。そういういろいろな情報も後日、まとめて紹介していきたいと思います。

 そういう小沢幹事長が、逆の意味で目立ちすぎるのだと思います。田中康夫氏の言葉を借りるならば、お子ちゃま大臣やお子ちゃま政治家の集まりが民主党で、剛腕幹事長の存在は煙たすぎるのでしょう。覚悟も根性も無い連中にゴチャゴチャ言われる小沢氏は、内心忸怩たる思いがしていることと思います。

 さて、直接「検察審査会」に言及する前に、予備知識として、非常に重要な課題であり、一番、私の気持ちに近い下記の記事を先にご紹介します。まず、大新聞では絶対に分からないものです。是非、心に十分に留め置いてください。今は、なにより「戦時状態」であり、大河ドラマの「龍馬伝」ではないですが、幕末、明治維新に匹敵する時代です。その観点から、私は小沢幹事長を擁護したい気持ちでいっぱいです。

 ●(2)平成22年5月10日、日刊ゲンダイ「政権交代が失望に変わった理由」

 <それは小沢一郎を動けなくした旧体制勢力の汚れた陰謀が原因>

 <反小沢大臣を更迭する必要>

 <政権を立て直し一から出直せ鳩山首相どの、小沢剛腕で政権交代を実現した原点を忘れてはダメだ>

 いつが転機だったのだろうか・・・・・。昨年9月にスタートした鳩山政権に対する大きな期待が、不満と失望に変わってしまった節目のことだ。
 政権交代から3ヶ月間は、ご祝儀はともかく、メディアも新政権を盛り上げた。
鳩山献金問題がチラホラ出始めていたが、11月の事業仕分け第1弾は評判が良かったし、支持率も50%前後をキープしていた。一部を除いて、大マスコミに鳩山政権倒閣の動きは見られなかった。

 ところが今年1月、小沢幹事長の4億円の土地取引問題が出た頃から様子が一変した。テレビや新聞は「政治とカネ」追及一色となり、東京地検特捜部が動き出したことで、小沢幹事長が立件されるかどうかが最大の関心事になった。鳩山献金問題もヤリ玉に挙げられ、新政権を見る世間の目は一気に変わってしまった。

 だが、小沢事件は、政権の運命を変えるほど悪質だったのか。ジャーナリストの魚住昭氏がこう指摘した。
 「小沢幹事長の4億円問題は、陸山会の運転資金が足りなくなり、小沢氏が一時立て替えをしたという話。政治資金規正法では、立て替え払いまで記載しろとはなっていません。そういう本質の議論を飛ばして、検察はいきなり石川知裕衆院議員を逮捕し、メディアは小沢=悪のバッシング報道一色になった。まったく異常です」
 そういうことだ。

 <何倍にも膨らまされた小沢疑惑>

 そもそも小沢幹事長の不動産取引は10年以上も前からあったこと。とくに話題にもならず、昨年3月の西松建設事件で大久保隆規秘書が逮捕されたときも、問題にされなかった。それが一気に火を付けられた格好だ。しかも、信憑性のない水谷建設元会長の裏金献金の尾ひれまでつき、無理やり疑惑だけが何倍にも膨らまされた。

 今から考えれば、仕掛けられたのは歴然だ。それは素人でも気づくことである。最初から小沢幹事長は狙われていたのである。政治評論家の山口朝雄氏が言う。
 「政権交代の立役者であり、新政権の重しである小沢一郎さえいなくなれば、民主党はシロウト集団にすぎず、どうにでもコントロールできる。それで小沢潰しが起きたのです。小沢は中国に接近し、日米従属関係を見直そうとしていた。政治主導を進め、宮内庁長官まで批判した。そういうことを目の当たりにして、自民党政権下で甘い汁を吸い続けてきた日米安保関係者や霞ヶ関の官僚は怯え、このままでは排除されてしまうと組織防衛に動いた。その意を受けて、マスコミと結託した検察が小沢排除を仕掛けた。それが真相でしょう」

 あのまま高支持率をキープして予算審議やマニフェスト実現がスムーズに進み、参院選でも民主党に圧勝されたら、旧勢力の出番は二度と来なくなる。逆転は不可能だ。それで、予算審議が始まる1月に“小沢事件”を仕掛けたわけだ。これはもう、歴史に残る政治陰謀と言うしかないだろう。

 <旧勢力が仕掛けたワナにはまるアホ大臣たち>

 果たして、旧勢力の狙い通り、鳩山内閣の支持率はドカーンと暴落した。このあいだまで新政権を歓迎していた国民も、年が明けて大マスコミの反小沢キャンペーンが始まると、コロリと心変わり。いまや支持率は「危険水域」の20%割れが時間の問題となっている。

 慌てふためいた民主党は内輪モメでシッチャカメッチャカだ。前原国交相は外遊中に「参院選は歴史的敗北になる」と得意げに言い切り、だからその前に「小沢幹事長がどういう判断を下すか」と辞任をほのめかした。仙石国家戦略大臣も「参院選候補者の生の声が(小沢氏にも)届いているのではないか」、枝野行政刷新相も「(進退は)政治家としての責任に基づいて判断することだ」などと、マスコミの前で言いたい放題である。

 政治評論家の本澤二郎氏が憤慨して言う。
 「そもそも閣僚に課せられた使命は、総理大臣を中心に結束して、政府の仕事を粛々と遂行することです。自己保身と自己宣伝ばかりの人間が大臣をやる資格なんてありません。ここまで党内のタガが緩んでしまったのは、霞ヶ関や大マスコミなどの旧勢力が小沢幹事長の動きを徹底的に封じ込めたから。
 民主党政権はこうした旧勢力にメスを入れる革命的な大仕事を任されているのに、肝心の閣僚にまるでその自覚がない。それどころか、彼らの思惑通りに踊らされているのだから呆れてしまいますよ」

 本当だ。仕掛けられた陰謀のワナにはまり、自壊を始めている民主党政権。閣僚が小沢批判を口にすればするほど、大マスコミは喜んで騒ぎ立てる。党内はますます動揺し、世間の民主党離れが進む。この悪循環で、民主党の混乱は雪だるま式に膨らんでいるのだ。
 ついには1年生議員の横粂某までが「国家のために幹事長は辞すべきだ」なんてキャンキャン吠え出す始末。旧勢力は今ごろ、ほくそ笑んでいる。

 <だれのおかげで大臣になれたんだ>

 こうなったら鳩山首相は政権を立て直し、一から出直すしかない。真っ先にやるべきは前原大臣ら不満分子の更迭だ。
 そもそも今の民主党は旧体制派の謀略に対して一致団結して臨まなければならない局面であって内輪モメで四分五裂している場合じゃない。まして、反小沢勢力や大マスコミが煽り立てるように、小沢幹事長を切るなんてナンセンスだ。烏合の衆で万年野党の民主党が一つにまとまり、政権与党の座に就くことができたのは、小沢の剛腕があったからだ。その小沢がいなくなれば、民主党は一気に空中分解する。それこそ旧勢力の思うツボである。経済アナリストの菊池英博氏が言う。

 「自民党を倒して誕生した細川政権がすぐに崩壊した原因も、発足当初から閣内で“倒閣運動”があったからです。それと同じことが今まさに起きようとしている。鳩山首相は、こういうときこそリーダーシップを発揮するべきです。小沢氏がいなければ、前原や仙石といった大臣も今の立場にはなかった。文句を言う大臣に首相は『イヤなら出ていけ』とはっきり言うべきなのです」

 百歩譲って、小沢本人に面と向かって不満をぶつけるなら、その度胸は買える。しかしメディアにおだてられ、陰でペラペラしゃべっているのだから卑劣極まりない連中だ。こんなチンピラ大臣を放置していては、規律もモラルも崩壊する。サッサと叩き出してやればいいのだ。
 小沢の剛腕なしに政権交代は絶対に実現しなかった。新政権の継続も参院選もおぼつかない。民主党はその原点を忘れてはダメだ。

 ●(3)平成22年5月10日、日刊ゲンダイ「普天間移設問題」

 <大メディアがまったく伝えないオバマ米国のホンネ>

 「3町長は拒否」「5月決着は絶望的」・・・・・きのう(7日)の鳩山首相と徳之島の3町長との会談結果に、大新聞やテレビは相変わらず否定的に騒いでいる。「5月未決着」を強調し、鳩山首相の責任を追及しようと躍起だ。昨年の鳩山内閣発足以降、大メディアは「日米同盟の危機」をしきりに煽ってきたが、日米同盟がおかしくなれば、極東戦略が崩れてしまう。アメリカだって困る。大メディアはオバマ米国の“ホンネ”を正確に報じていない。

 <「日米同盟の危機」なんて大ウソ>

 3町長との会談で鳩山は、4月のワシントンでのオバマ米大統領との非公式会談の内容を明らかにした。それは、「日米同盟に資するためにも、沖縄の過重な負担を全国で分かち合うことが大事。大統領としても協力願いたい」と要請したというものだった。
 大メディアは、二言目には、「米国は現行案を望んでいる」と言い張ってきたが、最近の米国高官らの発言を丁寧に見ていくとそんなに強硬ではない。

 <沖縄の“民意”を知り困惑>

 5月末の決着について、国務省のクローリー次官補は4日、「複雑で難しい問題。良い結論にたどり着けるまで作業を続ける」と言っている。期限など区切っていない。国防総省のモレル報道官は6日、「基地を抱える地域への影響を最小限にするよう、日本と緊密に連携している」と言った。
 4日に開かれた日米の実務者協議でも米側は、航空部隊の訓練を徳之島や全国の自衛隊基地へ移転することを柔軟に検討する姿勢を示した。つまり、「沖縄の負担軽減」を強調する鳩山や日本の国民感情に、配慮を見せてきているのだ。軍事評論家の前田哲男氏はこう見る。

 「今、一番悩んでいるのは日本ではなく、むしろ米国でしょう。4月25日の沖縄の県民大会に9万人もが集まったことは、米国を相当驚かせた。米国は、『反植民地』『草の根民主主義』の伝統のある国です。“民意”に重きを置きます。沖縄の民意が痛いほど伝わり、普天間を日本国内のどこに持っていこうとしても困難であることがよくわかっているのです。うがった見方をすれば、鳩山首相はモタモタしているように見せかけて、実はワシントンに『日本には引き受けるところがない』というメッセージを出そうとしているんじゃないでしょうか」

 <普天間問題は日米関係見直しの第一歩>

 前田氏の見解を裏付ける話を、米国の外交政策に影響力のある超党派組織「米外交問題評議会」のシーラ・スミス上級研究員が書いている。スミス氏は、「日米共同で県外移設の協議を本格化すべき」とする論文の中で、県民大会に9万人が参加し、地元の民意が明確に示されたことの重要性を強調していた。
 スミス氏は、大統領選でオバマの対日外交政策顧問団のメンバーを務めた。そんな人物が、沖縄の“民意”を重要視しているのだ。日米同盟に亀裂を生じさせたくないのは、米国だって同じなのである。

 普天間問題は日米同盟を従来の隷属的なものから対等なものに変えていく第一歩。その大状況を見据えずに、「自民党政権時代の約束を反故にしたら米国が怒る」といった旧体制思考のもとで、読者や視聴者をミスリードし、問題を矮小化する大メディアの責任は重い。

 ●(4)平成22年5月10日、日刊ゲンダイ「普天間移設問題」

 <「鳩山VS沖縄県民」をひたすら煽るテレビの無責任報道>沖縄県民の怒りの火に油を注いだのはテレビだった・・・・・。朝から晩まで普天間基地移設問題を取り上げ、鳩山首相を叩き続けるテレビ。基地ありきで何でも進めてきた前政権からの脱却を図ろうとする姿勢を完全無視し、ひたすら「鳩山VS沖縄県民」を煽る報道は意図的としか思えない。そんなテレビの取材・報道に沖縄県民もブチ切れ寸前だ。<誘導尋問で“総理憎し”引き出す姑息>

 「名護市民会館で、日テレにインタビューされた。ひたすら鳩山への文句を言わせようとする誘導尋問の応酬。撮りたい絵しか撮らない」
 ツイッターでテレビの取材姿勢に疑問を呈した沖縄出身のミュージシャン、知花竜海氏が言う。

 「記者の質問が『鳩山首相に言いたいことは何か』だけなのです。県民が今、そう問われれば、県外を訴えるし、鳩山首相にも怒りの感情に似た言葉を言ってしまうでしょう。しかし、そういう声だけを切り取って(VTRに流し)『鳩山降ろし』に利用されるとすれば、おかしいことです」

 ほかにも「取材で『鳩山首相にエールを送る』と答えたら驚かれた。鳩山憎しの絵が欲しかったんだろう」「『沖縄県民対鳩山』の報道ばかりでウンザリ」・・・・・など、ネット上にはテレビの取材・報道姿勢に対する県民の怒りの声が渦巻いている。

 「テレビの“誤報”はこれだけじゃありません。鳩山首相が沖縄訪問した際に県民が着ていた黄色の服装の意味も間違えている。テレビでは鳩山首相に対する『抗議の色』と報道されているが、あくまで『基地はノー』という意思表示です。みのもんたが司会を務める7日のTBSの『朝ズバッ』では、故鳩山一郎元首相夫妻の墓石にかかっていた塗料の黄色と、沖縄を結び付けるような発言が出ていましたが、お門違いもいいところです」(沖縄在住ジャーナリスト)

 テレビ報道では分からない沖縄県民の本音はどこにあるのか。
 「沖縄の人は、鳩山首相を批判して追い詰めても、状況は良くならないことを分かっています。前政権で無視され続けた声が、今のように報じられることにも感謝しています。だからこそ、いい結果を出してほしい。5月末の締め切りを焦って変な結論を出してほしくないと願っているのです」(知花氏)

 テレビが沖縄県民の意思を本当に大事にするなら、大好きな世論調査で「普天間基地の移設先はどこがベストか」を聞いて報道するべきだろう。それもしないで、このまま「鳩山憎し」の無責任報道を続けていると、県民の怒りの矛先はいずれテレビに向かうに違いない。

●(5)平成22年5月12日、読売新聞

 <沖縄県民大会「参加数」疑問の声>

 沖縄県の米軍普天間飛行場の県内移設反対を求めて先月25日に行われた県民大会の参加人数について、主催者側が「9万人」と発表したことに対し、疑問の声が出ている。
 主催者の同大会実行委員会によると、会場となった同県読谷村運動場の最大収容人数が5万人で、「会場の周囲にいた人や、交通渋滞で到着できなかった人が大勢いた」(事務局)として「9万人」と算出したという。

 だが、大会直後から「実際の参加者はもっと少ないのではないか」(政府筋)との指摘が相次いだ。都内のある警備会社が大会当日の航空写真をもとに人数を数えたところ、「視認可能な人数は1万1569人」とはじき出した。木陰やテントの下などにいた人は除いたというが、この会社は「それでも9万人には到底届かない」とみている。沖縄県警は今回の参加人数を把握していないという。

 ●(6)こういうバカなことがよくあります。大マスコミは「基地移設反対」「鳩山首相の迷走」と煽るために、極端に違う数字を、敢えて鵜呑みにして誇大記事を作る。そして、煽るだけ煽った後から、こういう小さい訂正(?)記事を載せることで、自分たちには責任がないというアリバイ作りをする。

 しかし、大々的に報道された後では、まさに後の祭り、「鳩山の迷走」の印象は動かせません。一旦、煽られて、印象を焼き付けられると、いくら後で無罪が確定しても、政治生命や人生を破綻させられる例が、最近、多く見られます。お互いに、情報には十分に注意しましょう。本来、マスコミは情報を垂れ流すだけではなく、十分に検証すべきです。そうでなく、垂れ流すだけであるならば、例の事件も、やはり「検察のリーク」を垂れ流しただけだと疑うことのほうが妥当だということになってきます。

 彼らは、かなり真剣に(デスククラスが)、「検察がリークするわけがないし、我々がどれだけ苦労して取材しているか」分かってほしい旨の発言をしていましたが、白々しいにもほどがあります。何故ならば、取材では絶対に得られない情報が沢山ありましたから。つまり、かなりの「国策捜査」に、恣意的に加担しています。

 では何故、恣意的に加担するのかは、これから続々と「トピックス」で連載していきます。数日に1回くらいのペースで掲載していきます。おそらく、今回の参加人数は、多ければ多いほど喜ぶマスコミの誘導と、主催者側の思惑が一致して、ある種の興奮状態で出した数字かもしれません。常識的に考えて、「テントや木陰、そして、渋滞で到着できなかった人、会場の周囲にいた人」たちが、会場内の視認できる人たちよりも多いということは考えられません。とするならば、会場にいたとされる視認できる1万1569人プラスアルファでしょう。マスコミ、特に最近の大マスコミは恐ろしいことをやりますね。
 こういう情報に惑わされている私たちは、よほど賢くならないと、思わぬ方向に導かれかねません。

●(7)私(藤森)のホームページの中の「認知の歪み」でも上記のような面白い記事を沢山紹介しています。

<2007年5月15日、今月の言葉、第58回「認知の歪み(4)」>の中の(9)(10)(11)(12)

<2007年6月15日、今月の言葉、第59回「認知の歪み(5)」>の中の(10)(11)(12)

<2007年11月15日、今月の言葉、第64回「認知の歪み(8)」>の中の(7)(8)(9)(10)

 上記の(7)<日下公人さんが今の新聞があてにならない理由を4段階に分けてこう言っていますと、花田氏が紹介しています。
①取材不足のまま報道する。
②報道に迫力がないので解説に逃げる。
③解説も勉強不足だから道徳論に逃げる。
④道徳論も結論を言うのは勇気がいるから単に一般的な願望を言う。

 上記の(9)も今回と同じ過ちが行われています。「教科書検定撤回要求など」で沖縄で11万人が抗議とありますが、熊本大学の学生が写真を拡大して、10人で一人一人を数えたら、なんと1万3037人だったとのことです。

 私は、個人的には小沢幹事長は好きなタイプではありません。だからといって、個人的な感情で物事を判断するような「愚」は避けたいと思っています。「心理学」を勉強するということは、まさにそういう「愚」を避けるためにあるといっても過言ではありません。しっかりした「判断基準」を持つことです。
 ましてや、このような情報を集めてみると、小沢幹事長の問題は、検察や検察審査会の判定はかなり胡散臭くなってきます。今や「戦時状態」の日本には、小沢幹事長の存在は非常に大きいとさえ思っています。

 それらの裏づけについては、数日置きに情報を掲載し、本日はここまでにしておきます。

<文責:藤森弘司>

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