2010年2月15日 第6回「トピックス」
●(1)昨年の今頃、自民党の中川財務大臣が酩酊会見をしました。2009年2月14日、ローマG7でのことです。その後、私は、中川氏が自殺をする予感がしたので、勉強会の仲間や周囲にその旨を知らせていました。
何故、「予感」がしたのか?それは、第一に、中川氏のお父さんが青嵐会で活躍をしていたが、自民党総裁選に立候補して、思ったほどの票が集まらず、失意のうちに自殺しているからです。 これらのことを総合し、深層心理的、脚本分析的に判断して、中川氏の「自殺」を予感しました。その当時、まだ騒がれていたし、総選挙の準備があったりして、バタバタしている間は良いのですが、落ち着いたころが危険だと思っていましたが、その通りになってしまいました。 自殺をしたことは大変悲しいことですが、あの「酩酊会見」は非常に評判が悪く、日本の評価をかなり下げた「国辱者」という評判でした。正直に申し上げて、テレビで繰り返し、繰り返し放映され、それを見るほどに、私自身もそれに近い印象を持ちました。 しかし、それを覆す驚くべき事実(?)、真実(?)を伝える本に出会いましたので、中川氏の名誉のために、また、些かなりとも「自殺」を予想した私(藤森)の気持ちの整理のためにも、そして、日本人であれば誰にでも重要な問題でもありますので、その本の内容をお伝えします。 |
●(2)<「ドル亡き後の世界」副島隆彦著、祥伝社>
<中川昭一氏の死は日本国民の“見殺し”である>(P201) この10月4日に、中川昭一氏(財務・金融大臣だった)が不慮の死を遂げた(享年56歳)。中川氏はその8ヶ月前の今年の2月17日に大臣を辞任させられている。これは「ローマG7」(2009年2月14日)での例の“酩酊(もうろう)会見”の責任を取らされてのことだ、と今も世間(日本社会)ではなっている。しかし真実は違う。彼はアメリカの手によって無理やり失脚させられたのである。 私はこの経緯をすでに前著で詳しく書いてきた。にもかかわらず、私の言論は完全に無視され封殺されている。私に向かって「お前の考えは間違っている」と言う人さえいない。中川昭一は実質的に殺されたのだ。彼を葬り去ったのはアメリカの財務省やロックフェラー財閥の手先たちである。しかし間接的には、われわれ日本国民が中川昭一を見殺しにしたのだ。 中川氏は昨年9月に財務・金融大臣に就任してから、アメリカに対して正論を吐き続けた。「日本はもうこれ以上、米国債を買い増ししたくない。アメリカは身勝手だ。アメリカはニューヨークで起きた金融危機の責任を自覚すべきだ」と言った。この1年間に数回、緊急で開かれたG7(7カ国財務・中央銀行総裁会議)の席でも、日本を代表して堂々とアメリカを批判した。中川昭一は立派な愛国者であった。 この中川大臣の態度に徐々に怒り出したアメリカは、中川氏の弱点というべき“アルコール依存症”で彼を日本財務大臣の席から引きずり降ろすことを謀った。 これにアメリカは怒ったのである。すでに自分たちアメリカの金だと思っている、日本の外貨準備高1兆ドル(100兆円)のうちの1割(1000億ドル=9兆円)を、チェコやハンガリーを緊急で助ける資金として日本が分け与えてしまったからである。IMFのストロスカーンは「今どき、こんな寛大は国は日本しかいない」と泣くようにして喜んだ。世銀総裁であるロバート・ゼーリックも、表面上は日本のこの決断に「歓迎の意」を表した。しかし腹の底は怒りで煮えくり返っていた。“ボブ”ゼーリックは、“皇帝”デイヴィッド・ロックフェラーの直臣の一人である。 2月14日のローマG7会議の後、午後の記者会見が始まる前の昼食で、中川昭一氏のワイングラスに薬物(おそらくハルシオンという睡眠薬)が入れられた。ここに、日本財務省国際局長の玉木林太郎(56歳)という官僚と、この玉木林太郎と「特別に親しい関係にある」越前谷知子記者(現職の読売新聞経済部記者・35歳)が同席していた。他に2人、日本テレビとブルームバーグの女性記者がいた。 そして「この時、中川大臣にクスリを盛ったのは、玉木と越前谷だ」というニュース記事がインターネットなどでさかんに流れた。越前谷記者はこの情報がネット上に出ると姿を隠して、顔写真とともに読売新聞の紙面から一旦、消えた。これだけの公的職業にありながら、その後、今に至るまで彼女からの弁明は一切ない。そして読売新聞社からの反論も一切ない。お前たちは犯罪者だ。犯罪者の集団だ。なぜこの者たちを、警察は検察庁は逮捕しないのか。警察や検察官までを含めてすべてグルであり、腐り果てた人間のくずたちだからか。 玉木林太郎は、あのローマでの事件のあと今年の7月14日に財務官(財務省の事務方の副大臣。英語ではバイス・ミニスター)に就任(出世)した。玉木財務官は中川昭一とは東京の麻布高校でも東大法学部でも同窓生である。自分が上司として仕えなければならない大臣を刺して失脚させておいての出世である。それからもう一人、あの“酩酊(もうろう)会見”の席で中川大臣の右隣に座っていた篠原尚之(この会見の時に財務官)は、この11月からIMFの副専務理事になることが決まった。 篠原尚之は中川大臣が呂律の回らない口で記者会見を続けている最中も、助け舟さえ出そうとせずに、ただじっと黙って知らん顔をしていた。“上司の失態”を間近で見ながらただ傍観していた。そしてその上司が無念の死を遂げた今、自分だけがぬけぬけと、IMF副専務理事という新たな職にありついた。 私がこうして、ここまで書いても、まだ新聞記者たちを含めて関係者全員で「知らぬ顔の半兵衛」を決め込むつもりだ。いいだろう。無念で非業の死を遂げた中川昭一の霊が、怨霊となってお前たちの前に現れるだろう。そのことを覚悟しろ。越前谷知子記者は恥知らずにもこの9月から、ふたたび一線記者として、“復活”して、署名記事を書くようになった。 以上の経緯を私は前著『日米「振り込め詐欺」大恐慌』と、植草一秀氏との共著である『売国者たちの末路』(2009年6月、祥伝社刊)に相当詳しく書いた。まだ読んでいない人は読んでください。ここまで書いてきた私のほうが嘘つきか。ここまで来ると中川昭一を見殺しにした日本国民すべてにも責任があると思う。真実を皆で明らかにしようとする気運さえ見られない。実に情けない国である。 |
●(3)<「ドル亡き後の世界」副島隆彦著、祥伝社>
<売国官僚たちを厳罰に処せ!>P208 この玉木林太郎財務官(昔の大蔵省国金局系。アメリカにお金を貢ぐ部署)や篠原尚之IMF副専務理事は、若い頃からアメリカに洗脳しつくされてアメリカの忠実な家来となった日本官僚たちだ。彼らが日本国をここまでひどい国にしてきた。 【外貨準備・政府が米金融2社救済法案 昨年8月、数兆円を検討ー財務省の慎重論で頓挫】(以下、毎日新聞、2009年10月5日) 米金融機関2社は、社債で調達した資金で金融機関から住宅ローンを買い取り、証券化商品に組み替えて投資家に販売しているフレディマックとファニーメイ。両社が発行した住宅ローン担保証券の残高は約6兆ドル(約540兆円)と米国の住宅ローン残高の半分を占め、世界の金融機関も広く保有している。両社が経営破綻すれば、世界の金融システムに深刻な影響を与えることは確実だった。 (そこで)日本政府では、限られた財務省幹部が米財務省と緊密な連携をとりながら、外貨準備から数兆円を拠出して両社の社債を購入する「レスキュー・オペレーション(救済作戦)」という名の計画を立案した。通常は非公表の外貨準備の運用内容をあえて公表し、日本の支援姿勢を打ち出して両社に対する不安をぬぐい去ることも検討した。 この記事から分かることは、「日本の限られた財務省幹部が、米財務省と連携をとりながら・・・・・(100兆円ある日本の)外貨準備(の中)から数兆円を拠出して」「フレディマックとファニーメイという米二大住宅公社の社債を購入する計画」を立てていたという事実である。日本国民の大切な資金が、このように、いい加減にアメリカ金融失敗の穴埋め・尻拭いに使われようとしていた。このことに誰も怒りの声を上げない。 私は昨年9月に出した『金融恐慌前夜』(祥伝社刊)の冒頭で、「この米二大住宅公社(GSE)が抱えた合計で5・2兆ドル(530兆円)という累積の損失はもう戻ってこないのだ」と書いた。あの時、日本の金融機関が買い込んでいた米住宅公社関連の債権の額も公表された。<略> このアメリカの下僕と成り果てている売国官僚たちは、政治家(大臣たち)に決済を仰いだ。この時、福田康夫首相と伊吹大臣は咄嗟の判断で売国官僚たちの策謀を見抜いて(これはクーデターにも等しいものだ)阻止に動いた。渡辺好美金融担当大臣(当時)もこれに加わった。そして福田康夫はさっさと辞任(内閣放り投げ)した。この福田総理の決断は立派であった。アメリカとケンカさえもせず、自らの首を切ったのである。 |
<文責:藤森弘司>
最近のコメント