2019年12月31日第145回「トピックス」「プラスチック製品・真っ赤な噓!パート④」

(1)今回に続いて、次回の第146回、1月15日には、下記の武田教授の驚くべきご意見の続きと、さらに「グレタ・トゥンベリさん」(スウェーデンの環境活動家16歳)の驚くべき実態をご紹介します。次回も引き続き、お楽しみください。

<<武田教授が暴露。昨今の「プラスチック汚染」は大嘘と断言する訳>>2019.12.16by 武田邦彦『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』

化石燃料と並び、環境破壊の「負のシンボル」のように扱われているプラスチック。今や「脱プラスチック」は世界的な潮流ともなっています。しかし、そんな流れに疑問を呈するのは、中部大学教授の武田邦彦さん。武田さんはメルマガ『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』で、そもそもプラスチックは天然由来であるため分解もされるという事実を明らかにした上で、「プラスチックを排斥しようとしている人間はすべて悪人」と言い切り、その理由を記しています。

<なぜプラスチックは「悪いモノ扱い」されるようになったのか>

「環境を守る政策や活動」の目的は「環境を改善する」ことですので、その活動でかえって「環境を破壊する」のではどうにもなりません。でも、人間社会は表面的には道徳的なことを言っていても、実際には欲得で生きている人が多いので、「環境」という美名のもとで、人の無知に付け入ってお金を儲け、その結果、善意の行動が環境を破壊する例が多いのです。

このシリーズでは私たちの努力が逆の結果にならないように、しっかりと知識をつけて騙されないようにするために執筆したものです。利権や宣伝に惑わされず、本当に意味のある環境問題に取り組みたいものです。

まず第一に最近、急に問題になった「プラスチック汚染」について取り上げてみたいと思います。

プラスチックのほとんどは石油から作られます。石油は生物の死骸ですから、もともと天然のもので、それを加工したのがプラスチックです。だから、たとえば木材を細かく砕いて集積するベニヤや加工木材と同じで、「自然のもの」です。プラスチックで一番多く使われるのは「ポリエチレン」という材料ですが、これは、動植物で言えば「脂肪、油脂」と同じで、科学的に言えば「炭素と炭素の簡単な結合でできているもの」です。

油脂でも液体の油もあれば、個体のラードもあるということで分かるように、結合の数が多いと液体から固体になり、固体でも結合の数がさらに大きくなると「硬い固体」に変わっていき、ビールのケースのようになりますが、化学構造としてはサラダ脂と同じです。

人間がラードを食べると少しお腹がもたれた感じがしますが、これはご飯などの炭化水素より少し消化に時間がかかることが原因です。でも、1日もすればよく消化されてエネルギーにすることができます。これと同じようにポリエチレンも微生物が食べますが(分解する)、少し時間がかかります。

そこで、1年ぐらいまで盛んに報道されたように、プラスチックストローとかレジ袋のようにポリエチレンで作られたものが「自然界に残っている」とテレビの映像に写されたものになるのです。でも、それもちょっと時間がかかるというだけです。

石油が生物の死骸であるということがよくわかる例が女性のストッキングです。石油も昔の動物の体が油になったものですから、それから人間が作った「ポリアミド」というものが女性のストッキングの材料として使われます。このポリアミドという構造は、女性の脚の筋肉と全く同じ構造をしています。つまり女性の脚は、「自分が生まれてから毎日、少しずつ作ってきた筋肉というポリアミドの上に、石油から合成したポリアミドの繊維をはいている」ということなのです。

このポリアミドは、ストローやレジ袋に使われる油(ポリエチレン)より分解しやすいので、ストッキングはすぐ敗れたり、穴が開いたりしますが、ポリエチレンよりも感触が良いという特徴があります。

<プラスチック排斥運動をする人々>

科学的に考えるとプラスチックは生物の体に似ているといえるのですが、それでもどうも表面的にはプラスチックは「人工物で、分解しにくいと思いがちです。確かに、今から40年ほど前、農家がビニールを畑にしくとそれが土の中に入ってしまって畑を汚すと考えられました。確かに一雨ぐらいでは溶けず、1か月たってもビニールの破片が残っています。そこで、「ビニールは環境を汚す」と大問題になり、「生分解性プラスチックを使わなければ」という環境問題が起こりました。最近、起こったことと同じ心配があったのです。

1980年代、筆者も生分解性プラスチックの研究を行ったこともあり、トヨタ自動車やパナソニックなどのプラスチックを多く使う企業も「社会的責任だ!」と言われて、研究をしていました。

ところが10年ほど経つと、目立っていたプラスチックが自然の中に消えていったのです。つまり、プラスチックは生物の死骸ですから、微生物の栄養源としては優れているので消化してしまったのです。そして研究も企業化も自然に消えてしまいました。

それから30年、多くの人がその当時の騒ぎを忘れたころ、誰か(悪意のある環境運動家)が騒いだのです。このような時には常に「映像操作」が行われます。その最も有名なものが、湾岸戦争の前に世界中に流布された原油にまみれた鳥の写真です。海岸で鳥が真っ黒な原油に全身を覆われてとても悲惨な写真だったのですが、これはカメラマンが構えているときに別の人が鳥に重油をかぶせ、それを素早く取った写真であることが後に明らかになりました。

でもこの映像操作のために戦争が起こり、多くの人が命を落としたのですから恐ろしいことです。今回も自然界にわずかにあるプラスチックが動物の目に刺さったり、お腹に入っていたりしたのを、わざとか偶然に写真にしたものと思われます。つまり、データ(数値)はまったく言われずに写真だけがでまわったというには何かの原因があるのです。

環境を良くしたいというのは多くの人の願いなので、それに反する映像は常に「お金になる」という特徴を持っています。だから、今回のプラスチック排斥というのは、2度目の騒ぎであり、科学的にも間違っているのに映像でごまかされたのです。(メルマガより一部抜粋)

<<武田邦彦・・・中部大学教授の武田邦彦です。主に環境問題や資源に関して研究を行っております。 私のメルマガでは、テレビや雑誌新聞、ブログでは語ることが出来なかった原発やエネルギー問題に鋭く切り込みます。>>