2016年5月31日 第166回「今月の映画」
<癌とは何か?対策編⑪>
監督:中村義洋 主演:阿部サダヲ 瑛太 妻夫木聡 竹内結子 草笛光子 松田龍平
●(1)この映画は、どこから見てもコメディっぽい映画です。しかし、しかし、しかし、しかし、です。
後半はガラッと変わり、とにもかくにも、抜群に素晴らしい映画です。松竹創業120周年、東日本放送開局40周年記念作品です。単なるコメディ映画であるわけがありません。 下記にあります<<<空気に流され、長いものに巻かれるのが日本人だとすれば、自分の欲を捨て、他人のために何かを成したいと思うのも日本人。そんな日本人の強く、美しい<無私の精神>に迫ります。>>> <<<町のため無私の想いを貫いた町人たちの前代未聞の感動実話。>>>・・・禅語に「無功徳」という言葉があります。まさに「無功徳」を実践した方々の実話です。映画の批評のどれを読んでも、後半の部分を説明していません。 やはり、これを説明してはもったいない映画です。詳しいことは省略して、とにもかくにも、是非、ぜひ、ゼヒ、この映画をご覧いただき、日本人が持っている素晴らしい精神を体感されることをおすすめします。 |
○(2)<Introduction>
<庶民 vs お上!> 一発逆転!身の程知らずな男たちが、お上相手に立ち向かう! 今から250年前の江戸時代。私財を投げ打ち宿場を救った、実在した人々の奇跡と感動の歴史秘話を、豪華キャストでユーモアたっぷりに映画化! 2010年に映画化されたベストセラー「武士の家計簿」などの著作で知られ〝平成の司馬遼太郎”との呼び声も高い磯田道史の近著「無私の日本人」(文春文庫刊)の一編「穀田屋十三郎」を、今最も注目を集める中村義洋監督が映画化。 空気に流され、長いものに巻かれるのが日本人だとすれば、自分の欲を捨て、他人のために何かを成したいと思うのも日本人。そんな日本人の強く、美しい<無私の精神>に迫ります。 町のため無私の想いを貫いた町人たちの前代未聞の感動実話。誇ることをせず、何の栄誉も受けとらず、子孫には先祖が偉いことをしたと言ってはならない戒めのため、これまで子孫は多くを語らず、広く語り継がれることもありませんでした。常識や因習を疑い、時にはそれと闘い、周囲に流されず、己の信ずる道を突き進む先人たちの姿は、現代の私たちに生きるヒントと勇気を与えてくれます。 |
○(3)<Story>
<破産寸前、絶体絶命の宿場を救え!必要なのは3億円!?> 計画が明るみに出れば打ち首確実。必要な資金は千両。現在の3億円という大金を水面下で集める、前代未聞の頭脳戦が始まった。 「この行いを末代まで決して人様に自慢してはならない」という〝つつしみの掟”を自らに課しながら、さらに強欲お奉行の嫌がらせを乗り越えて、十三郎とその弟の甚内、そして宿場町の仲間たちは、己を捨てて、ただ町のため、人のため、私財を投げ打ち悲願に挑む! ビンボー庶民の一世一代の大勝負!結果はいかに・・・・・!? |
○(4)<伝馬役(てんまやく)って何?どうしてビンボーなの?>
吉岡宿はお上の物資を隣の宿場から受け取り、次の宿場まで運ぶ伝馬役を負っていた。普通ならば藩から助成金がもらえるのだが、吉岡宿は1500石を持つ家臣・但木(ただき)氏の領地にあり、藩の直轄領地ではないので恩恵にあずかれず。 そのため馬の購入や人足を雇う経費はすべて庶民たちの自腹であった。 <町のエライ人> <大肝煎(おおきもいり)> <肝煎> <脱・貧乏!3億円で町を救え!> 「物入りのお上へ1000両(約3億円)貸し付け、利息をたっぷり100両(約3000万円)頂こう」というのだ。とはいえド貧乏な吉岡宿に1000両もの大金があるはずもなく・・・・・。血と汗と涙の貧乏脱出大作戦が幕を開ける! |
<文責:藤森弘司>
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