2009年1月31日 第78回「今月の映画」
監督:瀬々敬久 主演:妻夫木聡 壇れい 藤竜也 佐藤浩市
医療監修:森毅彦(慶応義塾大学医学部血液内科)
交流分析(TA)を学んだことがある方ならば、「A(アダルト)」を働かせて、この映画や、「新型インフルエンザ」に対して、「知性」を働かせてみませんか?
今、何が起ころうとしているのか???脅しでも不安を煽るのでもなく正に「人類未曾有の危機!!」を迎えています。
全体をお読みいただきたいですが、お忙しい方は、下記の中から、興味・関心がありそうなところからご覧ください。
< 目次 > (3)~(7)・・・・・・・・・・・今年に入って、中国、インドネシアで発生した「鳥インフルエンザ」での死亡の新聞記事 (8)・・・・・・・・・・・・・・・・2009年1月24日、「報道特集NEXT」 <パンデミックを防げ>のテレビ報道 (9)・・・・・・・・・・・・・・・・2009年2月6日号(1月26日発売)、週刊ポスト<「検証リポート」やっぱり効かない予防接種> (11)~(18)・・・・・・・・・「鶴川サナトリウム病院」でインフルエンザ発生。その後、わずか数日間、関連の記事を「朝日新聞」から拾い出しての紹介 (19)~(20)・・・・・・・・・インターネットからの転載・インフルエンザ、万能ワクチン開発…厚労省研究班 (21)・・・・・・・・・・・・・・・とうとう東京都も大々的に広報を打ち出しました!!!「新型インフルエンザに予防の一手」のチラシの内容をリンクしてあります。 (22)・・・・・・・・・・・・・・・夕刊フジ「新型インフルエンザ疑いで成田空港騒然」 (23)・・・・・・・・・・・・・・・朝日新聞「鳥インフル厳戒の中国」・・・<今月5人死亡・春節明け控え対策><火消しに躍起><防ぎきれぬ感染><初期対応が課題><インドネシアは死者減少の傾向><主なアジア各国の鳥インフルエンザ(H5N1)感染者数と死者数(累計)(27日現在、WHOによる)> (24)・・・・・・・・・・・・・・・私(藤森)は、決して恐怖をあおったり、関連商品を販売したいがために情報を提供しているのではありません。 (25)・・・・・・・・・・・・・・・(映画のパンフレットより)<有効なワクチンがない新型ウイルス感染症・数千万人を超えた感染患者・交通機関、凍結。都市機能、停止。日本経済、破綻> (26)・・・・・・・・・・・・・・・(パンフレットより)“感染爆発”までのカウントダウンが始まった。人類滅亡のシナリオを阻止することができるのか!? (27)・・・・・・・・・・・・・・・(パンフレットより)Interviewインタビュー・森毅彦(医療監修・慶應大学病院“血液感染リウマチ内科”勤務) (28)・・・・・・・・・・・・・・・(パンフレットより)Report レポート<新型インフルエンザとは><パンデミックとは><防護服とは> |
●(1)私(藤森)が新型インフルエンザの知識を十分に持っていなかったならば、この映画を見て、かなりショックを受けたことと思われます。それほど新型ウイルスの「感染爆発」は恐ろしいものです。 この映画を、事前の情報を十分に知らずにご覧になった方は、多分、「日本沈没」みたいに、ありえないこととか、あるいは「新型ウイルス」の問題を、極端に大げさに映画にしたのではないかと錯覚されるかもしれません。 しかし、誠に残念ながら、私が集めた情報の限りでは、この映画に描かれていることは、ほとんどそのまま事実であろうと思われます。ですから、私のホームページをご覧になっていらっしゃる方は、この映画をご覧になるか、または今月の言葉、第78回「強毒性鳥インフルエンザ(H5N1)について」を参考にして、是非、対策を立てられることをお勧めします。●(2)<今月の言葉、第78回「強毒性鳥インフルエンザ(H5N1)について」>でかなり詳しくご紹介しましたが、今や地球は、大袈裟ではなく、まさにタイタニック状況です。 私(藤森)自身がそうでしたので、敢えて言わせていただければ、まさに「平和ボケ日本人」ですが、しかし、一旦「感染爆発」が起これば、今度は「大パニック」になるでしょう。今、どれほど専門家の間で凄いことになっているか、それは連日、なんらかの形で新聞にいくつもの記事が掲載されていることでも、それは容易に推測されます。 そういうことがわからず、「対岸の火事」のように思っていらっしゃる皆さんに、今年に入ってからのわずかの間に新聞などのメディアに掲載・放映された「感染死亡記事」などをご紹介したいと思います。●(3)2009年1月7日、朝日新聞、「地球24時」 <鳥インフルエンザ><北京で女性感染、死亡> 北京市衛生局は6日、北京市朝陽区在住の女性(19)が、鳥インフルエンザウイルス(H5N1)型に感染して死亡したと発表した。新華社通信によると、女性患者と接触した116人について調べた結果、1人の看護師が発熱していたが、すでに回復していたという。 市衛生局によると、女性は昨年12月19日、友人と一緒に隣接する河北省の市場に行き、生きたアヒル9羽を買って自宅に持ち帰り、内臓を取り出すなどの加工をした。5日後に発症、27日に症状が重くなり入院。1月5日朝に死亡した。(この項は、「今月の言葉、第78回」で紹介しました) ●(4)2009年1月19日、朝日新聞「地球24時」 <中国で女性また死亡> ●(5)2009年1月21日、朝日新聞「地球24時」 <中国で死者3人目> ●(6)2009年1月22日、朝日新聞「地球24時」 <鳥インフルで2人死亡> ●(7)2009年1月27日、朝日新聞「地球24時」 <中国で5人目の死者> ●(8)2009年1月24日、テレビ「報道特集NEX」 <パンデミックを防げ> ●(9)2009年2月6日号(1月26日発売)、週刊ポスト<「検証リポート」やっぱり効かない予防接種> <専門家が断言!「インフルエンザワクチンは打ってはいけない」> 118人が感染した町田市「鶴川サナトリウム病院」では9割が注射済み。 インフルエンザが猛威を振るうシーズンが到来した。新型インフルエンザ発生の話題と重なり不安が広がっている中、ワクチンの効果を疑問視し、その副作用による危険性を指摘する声が上がっている。 東京・町田市の「鶴川サナトリウム病院」で起きたインフルエンザ集団感染。1月22日までの発症者数は患者と職員を合わせて計118人で、うち3名が死亡した。 しかし、母里氏はこう指摘する。 実は厚労省も“効かない”ことを認めていた。 母里氏が語る。 <藤森注・・・・・上記の「インフルエンザウイルスは変異のスピードが速い。ひとりの患者が罹った時と治りかけの時でさえ、かなり変異している場合があります。」これが、実は怖いのです。「新型インフルエンザのウイルス」も変異が速いので、人から人への感染力を増したウイルスが発生するのは、時間の問題で、発生してからでは、準備は手遅れだとも言われています。事前の準備こそが肝心ですが、発生するまでは、「今そこにある危機」とはなかなか思えない「平和ボケ」が、私たち日本人全般にあります> |
●(10)上記7つの報道を「どう読むか」です。 失礼な言い方を敢えてしますと、世界中の情報の中で、わずか1人の市民が死亡した程度の事は、わざわざ掲載するほどのことでしょうか?常識的には不要なことだと思われます。 そのように思われる記事を敢えて掲載するところに、この情報が持つ大きな意味があると思います。それは世界中、特に「WHO)」が、特に中国やインドネシアの「鳥インフルエンザ」による死亡の情報を注目しているのだと思います。そしてメディアもどれほとピリピリしているか、それは、この種の情報の多さで、おおよその推測ができます。私(藤森)は、テレビや新聞、週刊誌などの多くをみて、この種の情報を探しているのではありません。たまたまテレビをみていて発見したり、新聞は朝日新聞だけに注目しているだけです。それでも余りにも情報が多いのは驚かされます。 しかし、一般の方々、少なくても、可能な限り情報を流している友人・知人たちの反応の鈍さには、ただただ驚くばかりです。私の個人的な感想として、もうそろそろ政府は、正確かつ厳しい情報を公表して、国民に「覚悟と対策」を促すべきだと思っています。恐らく、日本固有の民族性から、誰も責任を取りたくないために、政府はこの種の対策に逃げ回っている可能性があります。 少なくても、ひとたび、ことがあったとき、「感染列島」でも描かれていましたが、誰も真のリーダーシップを取ろうとしないと思われます。恐らく、手遅れ状態になって始めて、止むを得ず、リーダーシップらしきことを取るのではないかと思われます。仮にそうであるならば、政府を頼らずに、まず「自衛の精神」、可能な限り、自分ができることをすべきだと思います。多分、このホームページをご覧になっていらっしゃる方々は、「交流分析」という心理学に触れたことがある方々であろうと思われます。そうであるならば、まさに今、それを活用して「P、A、C」の何を使うべきかを考えてみませんか? 「対岸の火事」的であったり、怖くて直視しない、あるいは避けてしまうのは、果たして「P、A、C」の何でしょうか???さて、これから朝日新聞に掲載された関連記事をご紹介して、その多さに気付いていただきたいと思っています。連日のように報道されていることから、専門家の皆さんは、いかに脅威を感じているかがわかると思います。ウッカリ、ノンビリしていてよさそうでしょうか??? 町田市の「鶴川サナトリウム病院」でインフルエンザの死亡記事が出てから特に多いように思います。その前後、わずか数日間の「朝日新聞」から拾い出して、簡単にご紹介します。 |
●(11)平成21年1月17日、朝日新聞「タミフル効かぬインフルエンザ」
<拡大の傾向・確認> <藤森注・・・・・ここから何がわかるでしょうか?今季は全体がわずか35株で、少々、検査数が少ないですが、調べた11都道府県すべてで発見され、しかもほとんど全て(97%)で耐性ウイルスが発見されているわけですから、いかに「ウイルスの変異」が猛烈なスピードで行なわれているかを証明しています。ということは、「鳥から鳥」への感染が、かなり「鳥から人」に感染し始めていて、それがさらに「感染した人から人」への感染が見られ始めています。これがいつ、人から人への感染力が増大し、感染爆発・・・つまり「パンデミック」になるか、まさに「オバマ大統領の就任式」ほどに世界が注目しているわけです> ●(12)平成21年1月18日、朝日新聞「インフルエンザ3人死亡」 <町田、病院内101人感染> ●(13)平成21年1月19日、朝日新聞「5病棟・先に職員発症」 <集団感染・院外からウイルスか> <藤森注・・・・・上記の外岡立人先生は、何を言いたいのでしょうか?私の推測では、「強毒性鳥インフルエンザ(H5N)1」の脅威がこれだけいわれているのに、これだけの感染力がある集団感染が発生したにもかかわらず、「現時点でウイルス株の種類がわかっていないのは遅すぎる」と忠告している、つまり万一「H5N1」の新型インフルエンザであったならば、一体全体どうなるのかとおっしゃっている(怒っている)と推測します。新型インフルエンザの場合であれば、1日遅れる・・・少なくても3日遅れることは、莫大な被害をもたらす危険性があります。それを専門家であれば百も承知でありながら、この集団感染に対する病院の対応の稚拙さ、と同時に政府や関連機関の対応の鈍さは驚くべきことです。ですからこそ「自衛」をすることこそが重要になってきます> ●(14)平成21年1月20日、朝日新聞「インフルエンザ」 <流行本番へ備え急ごう> ●(15)平成21年1月20日、朝日新聞「職員ら介し、拡大か」 <町田インフルエンザ・発症者112人に> <院内感染「防止を」><厚労省、全国に通知> ●(16)平成21年1月20日、朝日新聞「新型インフルのワクチン」 <接種後に発熱や頭痛例> ●(17)平成21年1月20日、朝日新聞「独自技術でインフル自衛(シャープ)」 <清浄機1万台、事業所に> ●(18)平成21年1月20日、朝日新聞(夕刊) <町田のインフル「A香港型」検出> <A香港型は強力・専門家が指摘> |
●(19)インターネットから、本日(1月29日)、見つけましたので転載させていただきます。 インフルエンザ、万能ワクチン開発…厚労省研究班 1月29日3時3分配信 読売新聞読売新聞いろいろなタイプのインフルエンザウイルスに効くワクチンを厚生労働省研究班が開発した。 従来のワクチンと違い、ウイルスが変異しても効果が続くのが特徴で、動物実験で確かめた。実用化までには数年かかるとみられるが、 新型インフルエンザの予防にも役立つと期待される。 研究班は、国立感染症研究所、北海道大、埼玉医科大、化学メーカーの日油。 通常のワクチンは、ウイルス表面をとげのように覆うたんぱく質をもとに作る。接種後、ウイルスが体内に侵入すると、抗体がとげを認 識して増殖を阻止する。だが、インフルエンザは、とげの形が異なる複数のウイルスが流行することが多いうえに、頻繁にとげの形が変異 するため、毎年のようにワクチンを作り直す必要があった。流行する型の予測がはずれると、ワクチン接種の効果が薄れた。 研究班は、表面に比べて変異しにくいウイルス内部のたんぱく質を人工合成。それに特殊な脂質膜をくっつけてワクチンを作った。この ワクチンを接種すると、免疫細胞が、ウイルスの感染した細胞を攻撃する。 実験では、新型インフルエンザウイルスに変異する可能性が高い高病原性鳥インフルエンザウイルスH5N1、Aソ連型、A香港型の3 種共通の内部たんぱく質を調べ、ワクチンを作製。免疫に関与する人間の遺伝子を組み入れたマウスに接種した後、ウイルス3種をマウス に感染させても症状が表れず、増殖も抑えた。 ただ、これまでにないタイプのワクチンなので、人間に使って重い副作用が出ないか、慎重に確認する必要がある。同じ仕組みのワクチ ンを英オックスフォード大も研究中という。 研究代表者の内田哲也・感染研主任研究官は「人間に有効で安全な量を調べ、一刻も早く実用化につなげたい」と話している。 最終更新:1月29日3時3分●(20)同じく、インターネットにありましたのでお知らせします。上記のワクチンと同じものです。 鳥インフル万能ワクチン、日本のチームが開発へ 【3月10日 AFP】北海道大学、埼玉医科大学、化学企業・日油(NOF Corp.)や政府機関の研究者らによる産学協同チームは10日、高病原性 |
●(21)本日(1月29日)、新聞の中に、東京都の「新型インフルエンザに予防の一手」というチラシが入っていました。非常に重要なことが書かれています。このようなチラシを全都民に配布するということは、多分、この映画「感染列島」も大きな影響を及ぼしていると思われます。 とうとう東京都までが、このように大々的に広告するようになったかと驚いていますが、案外、このチラシを見落としている方もいるのではないかと思いますので、是非、上記のリンクを参考にしてください。その中の「都知事からのメッセージ」だけを掲載します。<都知事からのメッセージ> 人類は有史以来、コレラ、ペスト、天然痘といった感染症の脅威にされされてきました。20世紀には、スペインかぜ、アジアかぜ、香港かぜといった新型のインフルエンザが周期的に発生し、多くの死者と社会的混乱をもたらしています。 そして今、世界保健機関(WHO)をはじめ多くの専門家が、新型インフルエンザについて、「もはや発生するかどうかの問題ではなく、いつ発生するかの問題だ。」と警鐘を鳴らし、世界中で対策が進められています。 私は、都民のみなさんの生命と健康を、そして首都東京を新型インフルエンザの脅威から守るため、医療体制の整備や抗インフルエンザウイルス薬の備蓄など、出来る限りの対策を講じてまいります。 しかし、新型インフルエンザへの備えは、行政だけの問題ではありません。感染拡大による被害を最小限にするためには、行政、事業者、都民のみなさんが協力して事前に準備し、対策を十分に講じ、発生した際には冷静に行動することが必要です。 このリーフレットは、都民のみなさんに新型インフルエンザについて正しく理解していただくために作成しました。 あなたとあなたの家族、そして東京を救うのは、正しい知識と冷静な行動です。 |
●(22)2009年1月30日、夕刊フジ「新型インフル疑いで成田空港騒然」
<職員らも隔離も実は> |
●(23)2009年1月31日、朝日新聞「鳥インフル厳戒の中国」
<今月5人死亡・春節明け控え対策> <火消しに躍起> <防ぎきれぬ感染> <初期対応が課題> <インドネシアは死者減少の傾向> <主なアジア各国の鳥インフルエンザ(H5N1)感染者数と死者数(累計)(27日現在、WHOによる)> <藤森注・・・・・上記の国の感染者数の合計318人、死亡者数の合計216人・・・・・感染者に対する死亡者の割合は、約68%にものぼります。感染爆発が万一、発生した場合、死亡率は大幅に下がるとしても、かなり脅威的・驚異的な数字です。死亡率が68%の3割で約20%、1割になっても約7%です。> |
●(24)さて、これからパンフレットに沿って、映画の内容をご紹介します。多少の違いはあっても、ほとんどこの映画と同様のことが起こると覚悟を決めたほうが良いように思います。 発生するか否かではなく、もういつ発生するか・・・・それも国立感染症研究所の岡田晴恵先生は「3年以内に発生する確率は99%」と、テレビで発言されたのですから、これはもう覚悟を決めて対処することこそ、大人の判断だと思います。ましてや小さい子どもや孫がいらっしゃる家庭ではなおさらのことです。 私(藤森)は、決して恐怖をあおったり、関連商品を販売したいがために情報を提供しているのではありません。一部、そのように心配してくださっている方もいますが、私は、単に、自分の知り合いの方々の一人でも多くが、被害を避けられる事を切に祈って、全力で対応しています。万一、そのような誤解が生じても、被害が少なくなるよう、情報を提供していきたいと思っています。 何かお尋ねになりたいことがある方は、メールをください。具体的な対策商品などをお教えします。○(25)<パンフレットより>Story ストーリー有効なワクチンがない新型ウイルス感染症・・・・・ 数千万人を超えた感染患者。 交通機関、凍結。都市機能、停止。 日本経済、破綻。 08年5月、カンヌ国際映画祭。世界各国から集まってきた映画関係者たちの注目を集めた日本映画の企画があった。その作品は製作が開始されて間もないため、プロモーション用の映像はおろかポスターすらなかった。あるのは、作品の企画概要を英訳したチラシ1枚のみ。しかし、そこに記されたタイトルは、世界中の映画人に衝撃を与えるのに十分だった。 『PANDEMIC(パンデミック)』・・・・・本作『感染列島』の英題である。 新型ウイルス感染症とその対策については、連日、世界中のメディアが関連情報を報道しており、世界各国が急務として取り組むべき問題であることは周知の事実だ。 |
○(26)“感染爆発”までのカウントダウンが始まった。 人類滅亡のシナリオを阻止することができるのか!?正月明けのいずみ野病院。救命救急医・松岡剛(妻夫木聡)のもとに1人の急患が運び込まれてきた。高熱、痙攣、吐血、全身感染とも言える多臓器不全・・・・・患者の症状はすべて新型インフルエンザに想定されたものだったが、何かが違っていた。その感染症にはあらゆるワクチンが通用しない上に有効な治療法も見つからず、患者はついに死亡してしまう。 松岡が無力感に襲われる間もなく、事態はさらに深刻化する。松岡の先輩の医師・安藤一馬(佐藤浩市)たち医療スタッフや、外来・入院患者たちまでもが次々と院内感染し、病院はたちまちパニックに陥る。事態の調査と拡大を防ぐため、WHO(世界保健機関)からメディカルオフィサー・小林栄子(壇れい)が派遣されてきた。 ただちに病棟全体を隔離すると、新規一般患者の受け入れを拒否するよう病院側に要請した。非常なまでのトリアージ(患者の重症度・緊急度によって治療の優先順位を決めること)を進めていく栄子の強引な姿勢に、当初は反発していた松岡だったが、やがて栄子を信じて共に戦っていくことを決意する。看護師たちも、患者の応対に臨戦態勢であたっていた。一方、大学教授の仁志稔をはじめとする究明チームが、ウイルスの感染経路を調査していた。感染源は鳥インフルエンザのウイルスと目され、市内の養鶏場が調べられるが、鳥ともっとも頻繁に接触しているはずの経営者はウイルスに感染していない。松岡は、養鶏場に侵入して独自にウイルスの感染源を調査しようとする無名の研究者の言葉を聞いたこともあり、今回の感染症は新型インフルエンザとは違うのではないかという考えを栄子に打ち明ける。栄子も松岡と同様の疑念を抱いていた。 松岡は、第一感染者真鍋の妻・麻美から、夫婦が発病前に、東南アジアのアボンという小さな国で医師を務める麻美の父と接触していたという話を聞き、感染源を突き止めるために仁志と一緒にアボンへと飛び立った。 |
○(27)Interview06 インタビュー⑥森毅彦(医療監修)
<新型インフルエンザウイルスの“感染爆発”を防ぐには?> <インフルエンザを予防するには?> また感染者がマスクをすることでウイルスを撒き散らすことを効果的に防げます。逆に普通の方もマスクをすることで感染者からウイルスの侵入をある程度、防ぐことができます。医療者はインフルエンザの疑いがある患者の診察をする時には、必ずマスクを着用しますし、患者さんにもマスクをしてもらうようにしています。 <海外からの新型インフルエンザの侵入を防ぐためには?> <もし新型インフルエンザが日本に上陸したら?> この映画を観て、皆さんが普段から手洗い・うがいに努めていただき、感染予防を心がけ、ご自分が咳・咽頭痛、発熱がある時は他の人のことを考えてマスクを着用するといったことを始めていただければ、僕がこの作品に関わった意義もあると思います。このような日々の注意により、もし国内で新型インフルエンザが発生した場合にも被害が少なくなるかもしれません。主人公や登場人物とご自分を置き換えて考えていただき、まったくありえないことではないと感じてもらえればと思います。 <医療監修・森毅彦・・・1969年1月生まれ。東京都出身。慶應義塾大学医学部卒業後、慶應義塾大学病院(血液感染リウマチ内科)勤務。専門は血液内科学、造血幹細胞移植、感染症学。本作では医療監修を務めている> |
○(28)Report レポート
<新型インフルエンザとは> <藤森注・・・・・感染した人と濃厚に接触した人、例えば看病した人などに感染者が稀に出ていて、死亡例まで発生しています。ですから上記の金澤氏が取材したころよりも、一歩、変異が進んでいることを意味しています> <藤森注・・・・・人口の約1/4が感染するとは、約3000万人です。現在、鳥インフルエンザに感染した人の死亡率は、なんと5~6割りになっています。パンデミックになると、毒性は弱くなるようですが、それでも例えば10%だとしても、300万人になります。5%でも150万人です。「覚悟」と「準備」ですね> <防護服とは> <藤森注・・・・・2月15日の第79回「今月の言葉」で詳しく説明する予定ですが、せっかく対策を講じるのであれば、ウイルスのサイズ(大きさ)と、例えばマスクの網目のサイズがどうであるかなど・・・・・しかし、無いよりは良いわけです。とにかく、より正しい情報を得て、それに相応しい対策を講じることだと思います。不安を煽ったり、いかさま商法もあるようなことも聞いています。それらに惑わされずに、より良い対策が講じられる事を祈っています。 |
<文責:藤森弘司>
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