2024年4月30日第254回「今月の映画」「ドラえもん のび太の地球交響楽」

監督:今井一暁  ドラえもん役:水田わさび  のび太役:大原めぐみ  しずか役:かかずゆみ

シャイアン役:木村昴  スネ夫役:関智一  ミーナ役:芳根京子  ワークナー役:石丸幹二 

マエストロヴェントー役・吉川晃司

(1)この映画を取り上げたのは、宇宙での映像がとても素晴らしかったからです。

 私・藤森のボキャブラリーでは、適切に、うまく説明できないのですが、とにかく、宇宙での映像がとても素晴らしかったです。そして音楽もとても素晴らしく、<ファーレの殿堂>にもとても感動しました。

(2)「ようこそ!ファーレの殿堂へ」

 のび太たちの冒険の舞台となる「ファーレの殿堂」は、森や広場などさまざまなエリアを含んだ巨大な建造物だ。

 <ファーレの殿堂とは?>

 ファーレの殿堂は、はるか昔に遠く離れたムシーカから、多くの人やロボットを乗せて旅立った人工衛星のようなもの。いまは地球のそばに浮いている。

 

(3)「story 1」

  秋の音楽会に向け、音楽室からリコーダーを練習する音色が聞こえてくる。ところがのび太だけはうまく音を出せない様子。スネ夫とジャイアンは「のんびりのんきな、のび太の『の』の音だ!」と笑い転げている。音楽の授業なんかなければいいのにと考えたのび太は「あらかじめ日記」を開き、「今日は音楽がなかった」と書いた。すると本当に世界中から音楽がなくなり大さわぎに!ドラえもんが日記のページを破り、なんとか世界は元に戻った。

 しかたなく河原でリコーダーの練習に励むのび太の前に、不思議な女の子が現われる。言葉は通じないけれど、とてもきれいな歌声だ。

 翌日、みんなで練習していると再び女の子が現われた。リコーダーの音色に合わせて女の子が歌うと、最高に楽しい演奏になりみんな大喜び。

 その夜。謎のメッセージカードを受け取ったのび太たちは、夜の音楽室へ。光輝く扉を開けると・・・・・。

(4)「STORY 2」

 扉の向こうは、宇宙に浮かぶ巨大な建造物へとつながっていた。

 「ようこそ、ファーレの殿堂へ!」

 そこで待っていたのは河原で会った女の子のミッカと、ロボットのチャペックだった。エネルギー不足で眠っている殿堂を、ファーレ(音楽)の力で目覚めさせてほしいという。河原での演奏を聞き、のび太たちを音楽の達人と見込んだらしい。

 ファーレを奏でる楽器が決まり、のび太たちは水門のある場所へと向かった。ジャイアン、スネ夫、しずかの奏でるファーレで水路が満たされ、別のエリアが復活する。じめじめとした雨が降る森の中ではのび太も演奏に加わり、ファーレの力で雨雲を追いやることができた。

 新たに復活したエリアには、ムシーカ人たちの眠る墓地が広がっていた。はるか昔に大厄災によって滅んだムシーカ星。救命ボート代わりの殿堂でひとり生き残った最後のムシーカ人。それがミッカムだという。

 

(5)「STORY 3」

 次に訪れたのは大勢のロボットたちでにぎわう町。あちこちで陽気なファーレが響いている。その一方で、不気味な生命体がうごめいていた。

 いったん地球に戻ったのび太は、がんばって夏休みの宿題に取り組む。国語や算数、日記、それからリコーダーの練習も・・・・・。

 翌日、ドラえもんのノドの調子が悪くて気がかりだったが、みんなで再び殿堂へ向かう。メインアリーナの神殿でチャペックの先生マエストロヴェントーに会い、ムシーカ星を滅ぼした厄災の正体は巨大な宇宙生命体ノイズだと知らされる。そのノイズは、いまや地球にも広がりつつあった。殿堂を完全に目覚めさせればノイズを退けられるという。そのカギを握るのは、大昔のムシーカ人が奏でていた特別な力をもつたて笛だ。

 地球で大人気の歌姫ミーナから笛をあずかり、ドラえもんの体調も回復。準備は整った。「行こう、殿堂へ!地球をノイズから守るんだ!」

(6〉<スペシャルインタビュー>

「ミーナ役・芳根京子」

 <ドラちゃんは、ず~っと身近な存在です

 幼いころ、予防注射を打つときにドラえもんの赤いタンクトップをよく着ていました。注射がすごく苦手でしたが、ドラちゃんから勇気をもらって乗り越えられたことをよく覚えています。そんな身近な存在の「ドラえもん」の世界に、しかも学生時代に吹奏楽部で打ち込んだ“音楽”がテーマの映画に参加できて、とってもうれしいです

 アフレコは歌唱シーンもあって緊張しましたが、スタッフのみなさんが温かく受け止めてくださったので楽しかったです。とても貴重な経験なので心を込めてがんばりました!

≪≪Kyoko  Yoshine・・・・・1997年、東京都生まれ。俳優。2013年、「ラスト シンデレラ」でデビュー。2015年、「表参道高校合唱部!」でドラマ初主演。NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」のヒロイン役など代表作多数。「ほしいひみつ道具は、アンキパン。特に台本に追われているとき!」≫≫

ワークナー役・石丸幹二」

 <即興でワーグナーのメロディーをセリフに。>

 ドラえもんの世界は子どものころからの憧れでした。だから、声で参加できるとは夢のようです。今回は、ワークナーという役。僕は音楽をやっているので、作曲家・ワーグナーの存在をすぐに思い浮かべました。で、セリフにワーグナーのメロディーを即興で入れ込んだら面白いと思ったところ・・・・、監督も、やってみましょう、と。アフレコの時間、監督からの「もっと大きな声で」というオーダーに任せて、気付いたら大声で歌っていました(笑)。

 僕の今までのイメージと違うので、映画を観てくださった皆さんがどう感じてくださるか楽しみです。

≪≪Kanji  Ishimaru・・・・・1965年、愛知県生まれ。俳優・歌手。東京音楽大学でサックス、東京藝術大学で声楽を学ぶ。1990年に劇団四季にて、「オペラ座の怪人」でデビュー。現在まで30年以上にわたり、ミュージカル界を代表する俳優として活躍。「ほしいひみつは道具は、タケコプター。空を自由に飛んでみたい≫≫

「マエストロヴェントー役・吉川晃司」

 <声優初挑戦のキャラクターに共感。>

 はじめての声優だったので、自分に求められる役目を果たせるか心配でした。「少しでもおかしなところがあったら何度でもやり直すからいってくださいね」と、スタッフのみなさんにうかがいながら手探りでアフレコしましたが、とても新鮮な体験でした。 

 私が演じたのは旋律を司る音楽家ロボットです。“音楽”は私にとっても人生の軸で、一生追い求めていくものなので、この役をいただけたことが何より光栄です。自分が出演した映画を観るより何倍もドキドキするので、こっそり劇場に観に行こうと思っています。(インタビューより抜粋)

≪≪Koji  Kikkawa・・・・・1965年、広島県出身。ミュージシャン・俳優。1984年に映画『すかんぴんウォーク』および主題歌「モニカ」でデビュー。その後、ヒット曲を連発する一方で俳優としても活躍。「ほしいひみつ道具は、タイムマシン。尊敬する偉人をのぞきに行きたい≫≫