2024年2月29日第253回「今月の映画」「身代わり忠臣蔵」
監督:河合勇人 ムロツヨシ 永山瑛太 川口春奈 林遣都 北村一輝
(1)今回の映画は、前半はジョークが溢れた「笑い」の溢れる映画でしたが、後半はピリッと真面目な映画になり、終盤は「本気・真剣」な映画になりました。
≪≪吉良上野介(きら こうずけのすけ)の弟で吉良家六男の孝証(たかあき)。時代劇という世界観のなか、主人公・孝証が縦横無尽に走り回る姿、その投げかけるメッセージは、現代に生きる我々にも、いやむしろ今を生きる我々だからこそストンと腑に落ちる。史実や時代劇を知らない人々にも、他人事ではなく自分事として心に響くだろう。そんな新時代の<時代劇エンタテインメント>がここに誕生した。≫≫ 「吉良上野介と六男の孝証」をムロツヨシがどうやって演じるのだろうかと興味を持ちましたが、素晴らしい俳優でした。 |
(2)「INTRODUCTION」
2014年に大ヒットを記録し、同年の第38回日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した映画『超高速!参勤交代』や、映画『引っ越し大名!』(19)といった大ヒットコメディ時代劇を世に生み出してきた人気作家/脚本家の土橋章宏による同名小説が満を持して映画化。 ズバリ、題名は“忠臣蔵”。今から320年以上も前に起きた“赤穂事件”を基に、老若男女の誰もが楽しめる歌舞伎や講談の人気の演目だ。この江戸時代から脈々と受け継がれてきたエンタテインメント作品が、土橋章宏の手によって“自由かつ大胆な発想”により、「令和」の時代に生きる人々にも刺さる”新たな忠臣蔵”へと昇華した。しかも主人公は大石内蔵助ではなく、吉良上野介(きら こうずけのすけ)の弟で吉良家六男の孝証(たかあき)。時代劇という世界観のなか、主人公・孝証が縦横無尽に走り回る姿、その投げかけるメッセージは、現代に生きる我々にも、いやむしろ今を生きる我々だからこそストンと腑に落ちる。史実や時代劇を知らない人々にも、他人事ではなく自分事として心に響くだろう。そんな新時代の<時代劇エンタテインメント>がここに誕生した。 主演を務めるのは、ムロツヨシ。NHK大河ドラマ「どうする家康」(23)での怪演も記憶に新しいほか、映画『今日から俺は!!劇場版』『新解釈・三国志』(20)などの話題作にも多数出演し、シリアスからコミカルな役までこなす幅広い演技力で、常に存在感を放ち続けている。そんな実力のみならず、世代を超えた人気も兼ね備えたムロツヨシが、今作ではなまぐさ坊主の主人公・吉良孝証と、真逆な性格で周囲の人間だけではなくその弟・孝証からも恨まれている吉良家当主・吉良上野介の一人二役を演じきる。 吉良上野介・孝証の敵でありながら、秘密の相棒となっていく赤穂藩筆頭家老・大石内蔵助を演じるのは、硬軟併せ持つ永山瑛太。かつて自身の初主演映画でムロツヨシと共演した永山瑛太が、今度はバディとして今作に駆け付け、情熱を注ぎこむ。 そして、ヒロイン・桔梗を演じるのは川口春奈。孝証を陰ながら支える存在であり、男性を中心に描かれることの多い”忠臣蔵”に爽やかな風を吹き込む。さらに、江戸幕府や吉良家の重要な役どころには、柄本明や北村一輝、林遣都といった実力派らが脇を固めるほか、吉良家の家臣には寛一郎と本多力、板垣瑞生。一方で赤穂藩の面々にも、尾上右近や野波麻帆を筆頭に森崎ウィンや星田英利、廣瀬智紀、濱津隆之、入江甚儀、野村康太といった個性溢れるキャスト陣が顔を揃え、江戸の華である花魁と遊女を、橋本マナミと加藤小夏が艶やかに演じ物語に彩りを添える。 豪華俳優陣が集結した本作のメガホンを取るのは、河合勇人。自身初となる時代劇作品に、歴史ある東映京都撮影所の職人たちとともに挑む。全世界で話題となったNetflix配信ドラマ「全裸監督」(19)や映画『総理の夫』(21)など、時代を掬い取るエンターテインメント性の高い作品を得意とする河合監督が、今作で描くのは”組織を背負った者たちの立場を超えた友情と覚悟“、”家族や仲閒を想う気持ち“。 「バレたら打ち首」というハラハラドキドキするような圧倒的不利な状況下でもなお、吉良家とその家臣のため自らを危険に晒しても尽力する孝証の姿。一方の大石もまた家臣の行く末やその命を守ろうと悩みながら奔走する。彼ら二人が共鳴し立場を超えて目指した先には、圧倒的なスケール感のなかに生まれた感動と、深い余韻を残す結末が待っている・・・・・。 |
(3)「STORY」
<歴史を覆す 東映45年振りの忠臣蔵> <世紀の身代わりミッション START!!> ≪≪斬られた兄に成り代わり、幕府をダマしてお家存続を死守せよ!≫ 緊急事態!嫌われ者の殿・吉良上野介(ムロツヨシ)が江戸城内で斬られた事件が発生!斬った赤穂藩主は、掟に従い切腹。一方、上野介は逃げキズを受けながらも、なんとか一命を取りとめ一安心・・・・・したかに思えたが、この騒動に将軍・徳川綱吉(北村一輝)と側用人・柳沢吉保(柄本明)は怒り心頭!武士の恥をさらしたとして、斬られた吉良家も”お取り潰しの危機”に!!しかもそんな矢先、上野介が帰らぬ人となってしまう。 殿を失った動揺も束の間、降りかかる“吉良家存亡の危機”・・・・・そんな状況を打破すべく、吉良家家臣・斎藤宮内(林遣都)が奇策を思いつく。何とそれは、上野介に顔が瓜二つの弟・吉良孝証(ムロツヨシ)が”ニセモノの殿”として兄・上野介に成り代わって幕府をダマす前代未聞の”身代わりミッション”だった!!殿のお世話をしてきた桔梗(川口春奈)や家臣たちにもバレてはならない難易度MAXなミッションに挑むこととなった孝証は、”三文芝居”で幕府を欺き、お家を守ることができるのか。 ≪≪ハラハラドキドキ&スリリング! 江戸を巻きこんだ【世紀の共謀作戦=裏ミッション】の行方やいかに!?≫≫ 一方、亡き当主の復讐に燃える赤穂藩は筆頭家老・大石内蔵助(永山瑛太)を頭に、吉良家への仇討ちを画策。身代わり中の孝証が赤穂藩から命を狙われるハメになってしまう。ところがひょんなことから敵同士だったはずの孝証と大石が意気投合!さらに、共謀して吉良家討ち入りを阻止しようとまさかの事態に発展!?共同戦線を張ることになった孝証と大石の胸の内とは!? そして迎えた12月14日・・・・・遂に迎えた討ち入りの日、吉良家と赤穂藩が入り乱れ・・・・・。果たして孝証と大石は、江戸を舞台に巻き起こす一世一代の大芝居“身代わりミッション”をコンプリートできるのか! |
(4)「吉良上野介≪≪ムロツヨシ≫≫」
江戸幕府の高家旗本・吉良家の当主。 「吉良孝証≪≪ムロツヨシ≫≫」 名門・吉良家の末弟だが、兄の上野介から家を追い出されてしまい <PROFILE・・・・・1976年1月23日生まれ、神奈川県出身。大学在学中に役者を志し、自身が作・演出・出演を行った独り舞台で活動を開始。映画『サマータイムマシン・ブルース』(05)をきっかけに映像作品にも活動を広げる。2018年には、エランドール賞新人賞を受賞。映画『マイ・ダディ』(21)で映画初主演を果たす。近年の主な出演作には、映画『ボス・ベイビー』シリーズ(18、21/声の出演)、『今日から俺は!!劇場版』『新解釈・三国志』(20)、『神は見返りを求める』『川っぺりムコリッタ』(22)、NHK大河ドラマ「どうする家康」ドラマ「ドラフトキング」(WOWOW)『波紋』「うちの弁護士は手がかかる」(23/CX)などがある。 |
(5)「大石内蔵助≪≪永山瑛太≫≫」
赤穂藩の腰抜け筆頭家老。 <PROFILE・・・・・1982年12月13日生まれ、東京都出身。モデルとして芸能活動を開始後、2001年にドラマ「さよなら、小津先生」(CX)で俳優デビュー。2005年には、『サマータイムマシン・ブルース』で映画初主演を果たし、今作の主演・ムロツヨシと初共演。今作では、その時以来の再共演となる。2009年にはエランドール賞新人賞、第33回日本アカデミー賞では映画『ディア・ドクター』で優秀助演男優賞を受賞。近年の主な出演作には、映画『友罪』(18)、『護られなかった者たちへ』(21)、『怪物』『ミステリと言う勿れ』『アンダーカレント』(23)などがある。>
☆「桔梗≪≪川口春奈≫≫」 吉良家に仕える侍女で、孝証が恋焦がれる存在。 <PROFILE・・・・・1995年2月10日生まれ、長崎県出身。2007年に、雑誌「ニコラ」のオーディションでグランプリを獲得。その後、ドラマ「東京DOGS」(09/CX)で俳優デビュー。2012年には映画『桜蘭高校ホスト部』で映画初主演を果たす。2022年にはエランドール賞新人賞を受賞。以降、ドラマや映画のみならずYou Tubeなど活躍の場は多岐にわたる。近年の主な出演作には、映画『九月の恋と出会うまで』(19)、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」(19-20)、映画『極主夫道ザ・シネマ』ドラマ「silent」(22/CX)、映画『マイ・エレメント』(23/声の出演)などがある。 |
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